コストマイナス社会 ③

コストマイナス社会 ② の続きのエントリーです。

○ 価値の種類

 価値には2種類ある。

 ひとつは減価償却の対象となる価値
 もうひとつは、再投資ができる運用益の価値

 前回のエントリーの書籍を例にとると、
 
 本を読んで新しい知識を得るのは原価償却の価値。新しい発見をするのは運用益の価値。
 運用益の多寡は運用者次第。

 だから、本を読んで内容を理解したら捨てるという人は、本の価値を減価償却しただけで処分してる。
 本を読んで知識を得て、更に新しい発見ができる人だけが、運用益を得ることができる。
 その新しい発見をビジネスチャンスにまで結びつけられる人は、運用益をさらに再投資してる。

 消費者が価値の「運用益」を投資行動に回して始めて、価値の拡大再生産が始まる。

 価値の拡大再生産が無限に循環していくと、最初の価値は何万倍にも増えてゆく。

 実際は、価値を減価償却するだけの人が大半で、運用益を得られる人はごくわずか。それを再投資できる人はもっと少ない。

 本を例にとったけれど、他の製品でも同じことがいえる。

 どんな製品でも消費者に使われる限り、最初の価値は一定の割合で運用益を発生させ、その一部は再投資されている。
 製品の価値は使われているうちに、減価償却されたり、再投資されたりして循環してる。

 製品の製造コストより、再投資されて拡大再生産される価値も含めたトータルが上回れば、大きな範囲でみたとき製造コストはマイナスになっている。

 運用益を出しやすい製品をつくれるかどうかは生産者の工夫だけど、実際に製品から運用益を得て、再投資して、価値を増大させたりするのは消費者。

 新幹線の中で仕事している人は、その時点で運用益を出しているし、仕事の内容と結果が世の中の役に立てば、価値を再投資できたことになる。

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