六道輪廻と経済活動

仏教思想に六道輪廻というものがある。

この世に生を受けた迷いのある生命は死後、生前の罪により、地獄道(じごくどう)、餓鬼道(がきどう)、畜生道(ちくしょうどう)、修羅道(しゅらどう)、人間道(にんげんどう)、天道(てんどう、天上道、天界道とも)の6つのいずれかに転生し、これら六道で生死を繰り返す(六道輪廻)と言う。

六道の世界おのおのにそれぞれ住民が住んでいると仮定して、彼らの行動基準とそれを解消又は維持していくための経済活動を、国としての経済活動に当てはめて表にしてみると下記のようになる。

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ここで注目したいのは

地獄・餓鬼・畜生・修羅:生命維持活動がメイン、富を消費する経済活動
人間・天       :文化的・生産的活動がメイン。富が循環して利子を生んでゆく経済活動

であるということだ。

それぞれに上記の経済活動が発生するが、「価値・富」が発生するのは「人間」と「天」領域の経済活動以上からである。

国の状態を知ろうとすれば、国富を各領域の経済活動にそれぞれどう分配しているか見ればよい。


政府の富は、国民の生命と安全を守るという一義的使命があるが故に「地獄・餓鬼・畜生・修羅」領域の経済活動が第一優先となる。
「人間・天」領域の普及・促進は手間がかかるので後回しになりがちだ。

国民は、富が増えると共に、地獄->餓鬼->畜生->修羅->人間->天 の順に、自らの住む領域が解消されて始めて次の領域に経済活動をシフトする傾向がある。

逆に国が、「地獄・餓鬼・畜生・修羅」領域の経済活動を出さないようになると、国民がこれら領域を解消するために自分の富を使い始める。
その分、「人間・天」領域の経済活動に富が回らず、結果として衰退方向に向かう。富が循環しない。

先進国であるためには「地獄・餓鬼・畜生・修羅」領域がある程度解消されているのが前提となる。
でないと富を生産できない。

戦後日本は焦土から始まった。殆ど「地獄・餓鬼」領域からのスタートであった。それから60年かけて、「地獄・餓鬼・畜生・修羅」領域を解消していき、国全体としてみた場合、ほぼ「人間・天」領域にある。地上天国に極めて近い国だ。

さらには、ODA、NPOを通じて、他国を「人間・天」領域まで引き上げる活動をおこなっている。
心ある国は、日本に感謝している。

世界の国々が六道輪廻のどの領域にあるか。経済活動をどうおこなっているか。
それらを見極めた上で日本のODAを戦略的に使うべきだと思う。

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