六道輪廻と経済活動 再考 ① の続きのエントリーです。
○ 天国と地獄の壁
六道世界を通り抜けるときには、おのおのの世界ごとに必要な通過コストが発生する。
地獄道を通過するためには、住民の生命の安全を保障しなくてはならないから、治安維持機構と軍の保持コストが発生する。
餓鬼道を通過するためには、住民を飢えさせないために、水と食料の安定供給装置として、各種ライフラインと資源供給路の維持コストが必要となる。
畜生道を通過するためには、理性を促す活動が必要とされ、各種教育設備等のインフラ建設と法体系の構築及びそれらのメンテナンスと更新コストがかかる。
修羅道を通過するためには、法の尊守意識、人権意識・モラル向上の施策を恒常的に行わなければならない。
人間道を通過するためには言論活動の自由と保障および各種生活環境整備をしなくっちゃいけない。
実際には外敵の存在や価値観の変化など、様々な要因があるから、六道世界それぞれの通過コストの内容そのものは変化することがあるけれど、通過コストは常に必要。
治安が悪い国や紛争地域では地獄道通過のためのコストは莫大。資源のない国や食料自給できない国にとっては餓鬼道通過のためのコストは絶対必要。
もちろん、地政学的な環境や経済状況、政治体制によって、六道世界それぞれの通過コストのウェイトは国ごとによって異なるけれど、通過コスト無しで済ますことはできない。
先進国を六道の世界観で定義してみると、経済協力開発機構基準でみれば、人間道・天道、人間開発指数基準でみれば、修羅道・人間道・天道になるだろう。六道の世界観では、地獄道・餓鬼道・畜生道が地獄、修羅道・人間道・天道が天国として扱われる。乱暴な言い方をすれば、地獄から天国に上って初めて先進国と定義できる。
六道世界の地獄と天国の境界は畜生道と修羅道にあたる。教育設備・法整備を行った上で、実際に法の尊守精神や人権意識を普及しモラルの向上をしないと先進国に入れない。
地獄道・餓鬼道を通過するための治安維持機構やライフラインの整備、食料自給および輸入のルート確立といった部分は国の権限である程度賄える部分。だけど、畜生道・修羅道を通過するためには国民全体の意識を向上させ、民度を上げなくちゃならない。
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