研究開発者への布施 (布施の商品 その4:最終回)


一部の商品でよく、収益の一部はどこどこに寄付していますとかあるけれど、あれを応用する。

最先端の研究開発、特に誰も見向きもしないような、新しい技術開発なんかは研究費がなくて苦労している。企業はそんな研究をピックアップして、あえてスポンサーにつく。

スポンサーについた企業は、自分の商品の販売価格にスポンサーになった研究の開発費を上乗せする。

最近の清涼飲料水なんかには、食玩やキャンペーンの応募券なんかのオマケがついているけれど、同じように、研究開発費を上乗せした自分の商品に応募シリアル番号がついたオマケをつけて、買った人がネットで応募できるようにしておく。

ネットには、スポンサーになっている研究の一覧と概要・進捗具合が載っていて、買った人はその中から、この研究を応援したいな、と思うものにチェックして応募する。応募した口数と上乗せした価格を掛けた額を一般消費者からの応援研究費として、研究者側に支給する。

応募の際に、買った人からの一言コメントができるようにしておいて、研究者は定期的に研究成果をネットにあげるよう義務付ける。

応募者は、配当を受けるわけでもなんでもないので、投資とは異なる。世の中の幸福増進のために頑張る人への応援、純粋なお布施になる。

応募者から「毎日の研究ご苦労様。」「期待してます。」「頑張って。」そんな一言コメントと共に、感謝と善意をお金にして研究者に届ける。

貰った方はますます研究に熱が入る。いままで見向きもされなかった研究が大勢の人のサポートを受ける立場になった。手を抜いてなんかいられない。

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サッカーでいえば、サポーターと選手の関係に近い。クレームじゃなくて声援、元気玉。すこしづつの善意でも沢山集まれば大きな玉になる。

副次的効果として、一般消費者の科学技術への関心を促すことができる。理系離れに歯止めがかかるかもしれない。

こういったビジネスモデルの商品は、消費者であると同時に発信者でもあるという消費行動の双方向性を利用したもの。商品の価値を売るだけじゃなくて、世の中に貢献しようとしている人に喜んでもらえるという満足感、世の中になにがしかの貢献をしているという幸福感を売る商品にもなっている。

日本は思いやりの精神が伝統としてあるから、布施の商品が成立する素地が十分にある。布施のこころを経済活動に乗せる。この効果はとても大きい。 


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