ネット時代の選挙
ネットの世界で最も価値のあるとされるもの、真実と暴露と高い見識。
普段表に出ない・出せないものが、ここでは価値あるものになる。だから、ネットの世界での選挙活動は、政策そのものが吟味される。選挙広報なんかによくあるあたりさわりのない表現は、華麗にスルー。
訴えが真実を穿つものかどうか。政策が理に適っているか。それだけが問われる。
ネットの世界では匿名性が高いから、人は本音で話しやすい。時には家族にさえ話さないことも匿名で発言したりできる。
そんなネットの世界では、理性のタガが外れる人と、リアルの世界では押し込めていた強烈な理性が輝く人の2種類に分かれる。
前者と後者のパーセンテージのどちらが多いかで、民度の高低が分かれる。
前者は感情でカキコし、後者は理性でコメントする。リアル世界ではそんな心の動きは表にでることは少ないけれど、行動様式の基本は同じ。
B層を狙った演説・宣伝は前者をターゲットにしたもの。
政情が安定して平和なときはそれでもよかった。自分の支持者にだけ誠意を尽くして票を固めて、B層の感情を擽る演説をすればよかった。
でも、ネットの世界はそうじゃない。何年かの紆余曲折をへて、2ちゃんを中心とした、情報ソース重視の風潮がネットに根付いたのが決定的。今の日本のネット世界は理性に重心がある。後者はもう騙せなくなった。
だから、ネット層の指示を集めようとするのなら、ネットの世界で最も価値のあるとされる真実と暴露と高い見識に訴えないと効果がない。
政見放送や遊説内容をYOUTUBEに何度もアップしたり、公約しか書いてない政党HPをいくら更新したとしても、内容が伴わなければ、二度と見てくれない。
どぶ板選挙と同じ認識でネットの世界に踏み入れても痛い目をみる。リアル世界は建前で応対しても、ネット世界では本音で反応するから。
今回の参院選では、自民、民主両党が公示後もHPを更新して広報活動している。
公選法に抵触する云々はどうでもよくて、政治がネットの世界にどんどん入り込んでいる事実。組織票が存在しない世界がそこにある。
バーチャル世界であるネットが、リアル社会にどれだけ影響を与えるかという観点で、今回の参院選に注目している。
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※ 公示後もHP更新/投稿サイトで見放題
自民、民主両党が12日の参院選公示後もホームページ(HP)を更新し、広報活動でしのぎを削っいる事態が波紋を呼んでいる。公職選挙法では、選挙期間中は法定ビラなどを除く「文書図画」の配布を禁止。インターネットでの選挙運動はできないとされているが、今回はなし崩し的に「ネット選挙」の様相を呈している。他党が追随する動きも出ており、法のあり方などをめぐって改めて議論を迫られそうだ。
政党のHPをめぐっては、民主が平成17年の衆院選の際、候補者名も含んだ党代表の遊説内容を掲載。総務省が「公選法に抵触する恐れが強い」と指摘したほか、自民も批判していた。
総務省などによると、人の視覚に訴えかけるものはすべて、頒布が禁じられている「文書図画」と解釈される。このため、候補者名や政党名などが記されたHPやブログ(日記風サイト)の画面も公示日以降は公選法の規制を受け、更新できなくなるという。
しかし今回、自民、民主両党は12日に党首第一声を掲載。自民はテレビCMなどの動画を配信しているほか、18日の九州での首相の街頭演説も載せた。同党広報本部は「HPは政策パンフレットと同じ位置付け。候補者のHPは公示後に更新しないよう徹底している」と話す。
民主も18日の小沢一郎代表の愛媛県での演説を紹介。マニフェストも大きく取り上げている。同党広報は「党幹部の遊説は通常の政治活動。マニフェストも政策の公表という位置付け。写真から候補者名や党名はカットしている」と、公選法には抵触しない範囲と解釈している。
こうした両党の動きに他党も追随。公明党は当初、公示後は更新しない方針だったが、「他党が見切り発車でやるなら」と13日に党代表の第一声を掲載した。
総務省選挙課は「『選挙運動』と『政治活動』を区別する明確な基準はない」とグレーゾーンが幅広いことを認める。各党の担当者も「総務省からのガイドラインはなく、自主判断」(民主)、「小政党なのでネットを有効活用したいが、やりにくい」(社民)と困惑している。
一方、公選法で放映回数が規定されている政見放送について、政党や候補者の録画映像がネット上の動画サイトに投稿されて“見放題”となっている現状も無視できそうにない。
4月の東京都知事選では、特定候補者の政見放送の映像がコミカルに加工され、アクセスが数十万回にも達して問題が表面化。今回の参院選でも、同様にミニ政党などの政見放送が投稿されている。
「明らかに公選法が時代の趨勢(すうせい)と合わなくなっており、ネットの有効利用や規制について体系的なルール構築が必要」(民主若手)との声は根強く、総務省や立法府は早急な対応を求められそうだ。
この記事へのコメント
耕
ネットで述べるのとリアルで述べるのとはまた違う。
ネットは本音がむき出しになるから欠点もあるけど、
うまく使えば真の輿論政治が実現する。