思想の幕末現象

失われた十年の間、外資(ハゲタカ)が流入し、国内企業の株式資本比率でほぼ半分は外国のものになってしまった。三角合併を睨んでか、TOBや買収の動きが激しくなり、国内から問題意識や反論が起こるようになってきた。ブルドックソースを例に出すまでもなく、国内企業も様々な買収防衛策を打ち出すようになった。

もちろん、国内資本を強奪されるのを防ぐ狙いがあるのだけれど、世論の反発をみていると、思想レベルでの攘夷運動が起こっているのではないかと思っている。

物質レベルでの攘夷運動は、もちろん100年前に幕末・維新という形でおこった。
そのときは、「和魂洋才」と称して、欧米科学技術を吸収し、力をつけて植民地化を免れた。

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日本はなんでもかんでも輸入してきたように見えるけれど、思想面では鎖国状態が続いている。日本の常識は世界の非常識と言われていることがその証左。

表面上は自由民主主義を導入したようにみえるけれど、日本の伝統の上に外国制度を被せただけの姿。「和魂」は変わっていなかった。だからホリエモンや村上ファンドに見られる拝金思想に拒絶反応を見せた。

その「和魂」が危機に瀕してる。戦後教育を受けた世代が増えるにつれて、「和魂」に「洋魂」が混ざってきた。国民がそれに危機を嗅ぎ取っている。

和魂洋才で開国して100年経った。今度は洋魂洋才になるかどうか否かの「和魂」を守る戦いが始まっている。思想レベルの幕末現象。

でも、攘夷をするなら、外国思想の本質をもっと積極的に研究する必要がある。外国思想の本質を研究して、和魂とどう調和させるかを考えるべき。

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