ネットの政治への影響力を検討する その2

ネットが現実世界に影響力をほとんど持たない現実に直面すると、ネットではなくて現実世界で影響力をもつ存在をつくるべきという考えになってもおかしくない。6.6%以下のシェアしかない政治系ブログの世界でいくら頑張ってもどうしようもないと思うのは自然。現実社会にアプローチしてゆく方法を検討してみる。

マーケティングの世界に新製品普及過程論というのがある。これはロジャースが類型化した新製品が普及してゆく過程のことで、どの製品についても、似たような経過を辿るということから導かれた理論。

どんな製品でも、発売されたばかりの新製品については本当によいものかどうかを判断できる人は非常に限られている。だから製品が一般に普及するときには、良いものだと判断する人々とそれに従う人々の関係があるという考えがこの新製品普及過程論。

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それによると新製品が市場に普及するには5つの段階を経るという。

まず第1の段階は革新者とよばれる、良くいえば前衛的、悪く言えば新しもの好きの人々が、新製品についての情報を集め、良さそうだと思えば購入を始める。

次に第2の段階として、これら革新者達の評判をも集めた上で良し悪しを判断し、購入するのが、オピニオンリーダーとよばれる層。これら革新者とオピニオンリーダーは、特定の専門分野を持つ人々であり、その分野に関係する製品の良し悪しを判断できる人々。

だけど、革新者は社会的影響力に乏しく一匹狼的存在だから、自分の判断で新製品を自由に購入できるのだけど、オピニオンリーダーは社会的立場が高く、また社会に対する大きな影響力を持っているから、購入には慎重な姿勢を取る。

オピニオンリーダーの間で新製品についての評判が高まると、第3段階として初期追随者と呼ばれる、偉い人たちが良いというから自分も購入してみるという人々が続く。

更に第4段階として後期追随者と呼ばれる、他人が買っているから私もと続く人々が購入し、そしてついには、最後の段階として遅期追随者とよばれる層が購入し、新製品が市場に普及するという。

各層の割合を統計的に分析すると、革新者:2.5%、オピニオンリーダー:13.5%、初期追随者:34%、後期追随者:34%、遅期追随者:16%となっていて、時間を横軸としてグラフを作成した場合、その分布は正規分布に近くなるそうだ。

政治系ブログの大半を占めるのはおそらく革新者。次は全体の13.5%を占めるオピニオンリーダーを取り込んでゆくようにしないと現実社会に影響を与えるようにはならない。

そしてオピニオンリーダーはネットの世界だけで存在している訳じゃない。むしろ現実社会でこそ活躍し、忙しく立ち働いている。

具体的には、各種財団や法人、地域有力者や地方議員がそういった存在。彼らのブログに書き込んでみたり、直接会いに行くとかいった電子的・物理的コンタクトが必要になる。

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明日は、ネットの世界において政治系ブログの影響力を拡大する方策について検討してみます。

この記事へのコメント

  • 自分の考えはユニークだと・・・

    思い込んでいる人が多いですよね。で、ブログで堂々と主張し、けんかしてたりする。こなれていないから、けんかになるんだろうなあ。・・ちなみに、政治については「遅期追随者」。・・アメリカに比べて遅れているんだから、核のひとつやふたつ欲しいよ。
    2015年08月10日 18:19
  • ナルト

    日比野さま、おはようございます。TBありがとうございました。
    なるほどと感じる論ですね。最初の変革者がもっとも苦労するのでしょう。もっともその人々はそれを苦労と思っていないかもしれません。新風はまだまだ改革者止まりですね。これが次の13.5%のオピニオンリーダーまで達したとき、ポールシフトも起こってくるのだと思います。
    そのあとは雪崩現象でしょうね。
    時代を回すのも、最初は重いかもしれませんが、一旦回り始めると加速しますからね。
    今を過渡期ととらえると、我々ネットブロガーにとって時代の流れはまどろっこしく感じるかもしれませんが、気づけばあれよあれよという間に我々の常識が世間に広まっているんでしょう。
    ポールシフトもある一定値まで動きがないとかんじられないのかもしれません。
    2015年08月10日 18:19
  • 日比野

    ナルト様、コメントありがとうございます。
    まだまだ現状は、ほんの一部の人にしか知られていません。
    どうやって、実社会のオピニオンリーダーに浸透させてゆくかの方法論の構築が必要かと思います。
    これからもよろしくお願いいたします。
    2015年08月10日 18:19

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