単語が豊富な言語は、回路化された論理機能ブロックの種類がたくさんあるから、回路が簡単に組める利点があると述べたけれど、では単語レベルといった個別概念じゃなくて、有る程度大きい規模の回路を組んで、エレクトロニクスの世界でいうマクロ化して、用意している言語ってないのかというと、実はある。たとえばすこし昔のインドがそれだった。
インドは掛け算の九九を19×19まで覚えることで知られているけれど、一般知識も詠唱といって、歌にあわせて、知識を覚えていたそうだ。
たとえば、小学校向けの理科の教科書の地理では次の詠唱をする。
「祖国インドの北部には
氷河の山脈二つあり
カラコルムより西に流れるインダス河
パンジャブを経てアラビア海
ヒマラヤより東に流るるガンジス河
デリーを経てベンガル湾」
単語だけじゃなくて、有る程度の大きさの概念をまとめて回路化した知識もある言語はそれだけで論理演算式を組むのに有利に働く。マクロ同士を組み合わせることもできるから、思考のスケールも大きくなる。
ただし、ひとつだけ条件があってマクロ化する回路は、なるべく長持ちするものがいい。ITとか最先端学問とかその場のブームをマクロ化しても、使える期間が短くてすぐに役にたたなくなる。
インドの例では地理を上げたけれど、地形は1000年たってもあまり変わらないから有効なマクロになってる。
論理機能ブロックの種類がたくさんあれば、さらに上位層でいろんな回路がくめる。大規模な回路がひとつのブロックに、マクロ化していれば更に大規模回路になる。
組んだ思考の演算式の長さが思考を生むまでの時間に大きく影響するから、概念の基本ブロックやマクロ化した概念が沢山あればあるほど有利。
でも、概念そのものを認知して、ブロックとして演算式の項を抽出するのは人。その人が何を認知したかが重要。
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