単語の回路構成 (思考は言語と言葉によって構成される その4)
単語はそれだけで概念を表すことができる。その種類は、犬猫といった事象から抽象概念まで様々。
思考の論理演算式での概念ブロック(SまたはO)はほとんど単語で表現できるから、単語の数や種類の多さ、端的にいえば単語の豊富な言語って、思考の論理演算で使える概念の論理ブロックが沢山用意されていることになる。いきおいいろんな回路が組める可能性が増えていく。
日本語だと「魚」に関する単語が豊富だし、エスキモーは「雪」に関する単語が豊富。
同じ「魚」をあらわす単語でも「ハマチ」と「ブリ」って出世魚の名前で区別されていれば、それだけ繊細な論理を設計できることになる。単語の豊富さと種類って、概念の論理演算式での得手不得手を規定してる。
その単語を更に分解していけば、素要素となる部分が組み合わさっている。
日本語でいえば、辺や旁。英語でいえば、接頭語や接尾語なんかがそう。
金八先生のような説明をすれば、「歩くとは少し止まる」と書く。歩く=少+止に分解できる。
だから単語という機能ブロックって、結構スケルトンで中の回路がみえたりする。
エレクトロニクスでいえば、トランジスタやダイオードといった部品レベルの回路図が見えるのと同じ。だから、明治期に外来語を一生懸命和訳したのは物凄く意味があった。
概念をブラックボックスのままで放置せずに、中の回路図まで見せた。
その恩恵は計り知れない。知らない漢字でも偏と旁で意味を推測できる。日本人は漢字の回路図を読む力があるけれど、英単語ではそうはいかない。
英語の学習法で英単語を接頭語や接尾語に分解して覚える方式もあるけれど、漢字でいうと辺と旁の部分をまず覚えるようなもの。
だから、役所の文書で横文字が一杯入っている文章は、その横文字の概念がわからなければそれっきり。日本人は、英単語の回路図が読めないから意味が理解できない。しかもその横文字はカタカナで表記されるから、回路図すら公開してない。とてもズルイ。
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SAKAKI