互いの概念同士を繋ぐ線(論理)には長さもある。
論理回路設計の世界でも信号送信側の論理ブロックと受信側の論理ブロックの間が一定距離以上離れていると、その途中で中継となるブロックを挿入する。
長距離を線だけでつないでしまうと信号が伝送中に減衰して消えてしまう。そうならないように信号を増幅・成形しなおす中継器をいれる。
論理演算する思考でも同じ。互いの概念同士がかけ離れていて、距離があればあるほど、一本の論理では結線が難しくなる。
無理に繋いでみても、その論理は飛躍しすぎていて、その論理は伝送できない。特にSOV型の言語はSとOの間をVの論理で埋めていく思考の流れだから、SとOの間の距離感には注意が必要。
だから思考も前提と結論の間に何段もの中継となる概念を挟んで、論理を構成してゆくことになる。互いの概念の距離が物凄く遠いと、中継に挟む概念もどんどん増えていくから、演算式もどんどん長くなってゆく。
先の「風が吹けば桶屋が儲かる」をSVO回路図的に図式化するとこうなる。
初段目) |風:S|⇒(V:吹く)⇒|O:土ぼこり|
2段目)⇒ |土ぼこり:S|⇒(V:立つ)⇒|O:目|
3段目)⇒ |目:S|⇒(V:入る)⇒|O:盲人|
4段目)⇒ |盲人:S|⇒(V:増える)⇒|O:猫皮|
5段目)⇒ |猫皮:S|⇒(V:不足する)⇒|O:猫|
6段目)⇒ |猫:S|⇒(V:殺される)⇒|O:猫|
7段目)⇒ |猫:S|⇒(V:減る)⇒|O:ねずみ|
8段目)⇒ |ねずみ:S|⇒(V:増える)⇒|O:ねずみ|
9段目)⇒ |ねずみ:S|⇒(V:齧る)⇒|O:桶|
10段目)⇒|桶:S|⇒(V:不足)⇒|O:桶屋|
最終段) ⇒|桶屋:S|⇒(V:儲かる)
実は、初段の「風が吹く」という概念と最終段の「桶屋が儲かる」の間には2段~10段の、合計9段の中継概念の論理ブロックがある。
どんなに頭の回転が速い人でも、論理の演算式がひたすらに長いとそれだけ計算に時間がかかる。
結果、そういう長い論理演算式を使ったのでは、思想を紡ぎだすのに時間ばかりかかってしまうことになる。
どんなに素晴らしい思想の論理演算式をつくったとしても、長すぎる式だと、実例を入力して、頭の中での論理演算と演算式の検証をするのがとっても大変。式が長いと途中で計算ミスもしたりして。
そんな時、ありとあらゆるいろんな概念が小さな単位でブロック化して用意されていると、それを使って、論理演算式を簡単に書き直すことができる。式が短くなると演算時間も少なくてすむ。思想を生み出す確率も上がる。
この概念を小さな単位でブロック化したものって何かというと、ちょうど単語がそれにあたる。
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この記事へのコメント
mayo5
そういったものの積み重ねは必要ですね。脊髄反射。
日比野
コメントの意味がよくわからなかったので。。^^;
大声というのは、送信信号の振幅を大きくするという意味でしょうか?
それなら、伝送距離が長くて論理が飛躍していても伝送できてしまうのかもしれません。でも、消費電力が大きくて省エネにはならない論理演算式ですね。わけわからないコメントで申し訳ありません
SAKAKI
リンクさせていただきました。今後ともよろしくおねがいします。