ある思考をするとき、様々な概念同士を接続して、論理の演算式を構成していくけれど、思考の流れを考える時には、思考している言語の語彙の基本語順も考慮しないといけない。
思考は頭の中でめぐらせるものだから、当然ある語彙の次にくる語彙が一番意識される。いきおい語彙の語順は思考の流れに影響を与える。
言語の語順による分類で有名なのが、主語(S)、目的語(O)、述語(V)に三分類して、その語順で世界の言語を区別する方法。
今の言語はSVO型とSOV型の大きく2つで区分されている。世界の言語の90%がこれら二つのうちのどちらかに該当するという。英語はSVO型。日本語がSOV型
概念同士の接続をエレクトロニクスの世界でいう論理回路設計に置き換えてみると、SとOという概念をVという論理で接続している回路構成になる。これが基本回路。
S:論理送信側の概念
V:出力されるデータ論理
O:論理受信側の概念
先ほど、語彙の順番に思考の結びつきが強くなるといったけれど、この観点からSVO型とSOV型をみてみると面白い構図が浮かび上がる。
SVO型はまず「自分:S」が「論理:V」を出力し「相手:O」にとどける。時間的に原因結果の連鎖を考えていく思考の流れになっている。演算項を順番に考えていく思考の流れだから、とても論理的。最初から最後まで繋がっていて、体系化された思考を考えやすい。
それに対して、SOV型は「自分:S」の隣に「相手:O」が存在して、その間を繋ぐ「論理:V」を探してゆく思考の流れになる。空間的に自分と他人の関係を把握してゆく思考。演算式というよりは、むしろ公式を発見してゆく考えに近い。だから思考が散漫になって、論理的厳密性は弱くなるきらいがある。思考の体系化も難しい。
日本語はもちろんSOV型だけれど、価値観を建て増し構造にしている日本ではSOV型はとってもなじむ。自分と相手を繋ぐ論理を発見していく思考の流れだから、自他それぞれの価値観をつなぐ公式を見つけるのには向いている。
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