不明推測法と知識と認識力(ブログの記事と知性について その4)

思考の方法として、演繹法や帰納法と並ぶ第3の方法として、不明推測法というのがある。

不明推測法とは、1890年にチャールズ・サンダース・ピアスが提唱した思考法。

前提から出発して結論に至る演繹法や、個別事例から一般法則を見つけてゆく帰納法とも違って、個別事例を引き起こした原因や法則をうまく説明できそうな仮説をたてて、その仮説が正しければ必然的に観測される筈の別の事象や現象を、調査・検証してゆくのが不明推測法。

科学者が最先端の分野でよく仮説を立てて、実験と観測を繰り返して、仮説の正しさを検証しているけれど、あれに良く似た考え方。

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A類型の原因追求型ブログ記事を書く人は、意識するしないに関わらず、この不明推測法による思考を実際にしているのではないかと思う。

この不明推測法で思考する場合には、まず仮説を立てなければならないのだけど、その仮説の精度、確かさはそのまま記事の正しさに直結する。

仮説の精度は次の二つの能力に拠ると思う。

α)仮説を傍証するような別の情報、時には当事者しか知らないような内部情報を持っている。または、仮説と似たような事例についての豊富な知識を持っていて、仮説を容易に類推できる。

β)天才的な直感または洞察力・認識力によって、常に真実を見つけ出せるセンスがある。

αの能力は知識量に比例し、βの能力は認識力に依存する。この二つの能力が高いということは、「真実」を掴み取ったり、「高い見識」を持つことと同じだから、必然的にブログの質は高くなってゆく。

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