下位レイヤーでの権威化したものはなにかというと、人々の生活に密着し、土着化したもの。各国で土着化し、変容した世界宗教もそうだし、服飾文化や食文化や建築文化もそう。文明を下敷きとして、その国の文化を形作るもの。
だから日本のソフトパワーを権威化して抑止力として考えるなら、この下位レイヤーに浸透するものでなくちゃならない。
日本の文化や商品が世界中の人々の生活に密着して、土着化することがそれにあたる。
ユビキタスという言葉があるけれど、ユビキタスとは、それが何であるか意識すらしないけれど、「いつでも、どこでも、だれでも」が恩恵を受けることができる存在。
それと同じで日本がユビキタス化すれば、相手の国に「ニホン」が土着してゆくことになる。
具体的には日本の文化や精神を織り込んだ商品や文化作品を世界中にばら撒き、普及させてゆく。縁起の織物の下位レイヤーの織物の繊維の目を商品で埋めるイメージ。商品そのものはロビー活動しない。でもないと生きてゆけない商品だから影響力がある。
歴史上これを悪用された例はある。麻薬やアヘンのばら撒きがそう。今ならドラッグになる。でもこれは、のちのち恨まれることになるから権威にはならない。
権威化する商品とは、地獄領域を解消する商品であり、日本の美意識であり、価値を時間軸で詰め込んだ商品。
覇権国家や帝国は、周辺国や属国を従わせるために、民族浄化したり、本国に留学させ、自国に都合のよい人材にしていったりした。これは下位レイヤーを人で押さえていって、覇権を維持した。
縁起のレイヤー構造における権威とは、下位レイヤーを人でなくて、文化や商品で埋めて精神のユビキタス化を図ることで形成される。
中国人が日本語をつかうとき、攻撃型であった人格が見た目にわかるくらい調和型になるという。人も違う文化や商品を身にまとうことで性格や行動が変わり得ることを示してる。
下位レイヤーの繊維の目を、日本的価値観を込めた日本商品という粉で埋めたとき、その国の下位レイヤーは擬似日本化してゆく。
そしてそれはやがて、上位レイヤーのロビー活動に対する抵抗勢力となるだろう。
人気blogランキングへ
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント