縁起のレイヤー構造の中で、大きく価値観体系を既定するのは思想レイヤーと経済レイヤー。これら上位レイヤーで大まかな国の形を維持してる。その下の下位レイヤーでは、昔ながらの伝統や日々の生活が営まれる。
ロビー活動は主に上位レイヤーで行われる。経済レイヤーで献金をして、自分の息のかかった議員を送りこみ、思想レイヤーで宣伝戦を行う。
だけど、後々の時代まで消えずに残ってゆくような普遍性のある価値観は、その国の伝統や文化として、血縁レイヤーや知人友人レイヤーといった、下位レイヤーにまで浸透していって、そこで連綿と受け継がれてゆくもの。
上位レイヤーでは時代の流れに即応し、絶えず通信機器やデータが更新されたりしてるから、ノイズも多いし、通信規格が古くなったりして、下位レイヤーに深く浸透して行けるほどの普遍性を持たない情報は流されて、やがて消えてゆく。
中途半端に敏感な人は上位レイヤーのデータに流されるけれど、下位レイヤーがしっかりした人はそんなデータには流されない。自国の文化や伝統をしっかり守って生きてゆく。
下位レイヤーで浸透していった文化は文明を形作る。
下位レイヤーはより個人の縁に近い層であるから、そこで伝達される情報は生活そのもの。衣食住が中心。これは社会主義だろうと民主主義だろうと変わらない。
下位レイヤーでみれば、人間相手であるかぎり価値観体系はほとんど共通とみていい。
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この記事へのコメント
ナルト
上位レイヤーと下位レイヤーの発想、いろいろ応用が利きそうですね。
これでいうと、失敗して残れなかった上位レイヤーとして共産主義があると思われます。下位レイヤーに浸透していく段階で抑圧的全体主義に陥り、伝統的人間精神とあまりにもかけはなれてしまったために下位レイヤーからの反駁にあって消滅していった上位レイヤーの例でしょう。
共産主義は上位レイヤーのうちの思想レイヤーで、計画経済は経済レイヤーに対応するでしょう。
ロビー活動を見る視点としては、用語は違いますが、佐藤優氏が類似のことを主張されていたと思います。
上位レイヤーのみにとらわれている人々は、下位レイヤーになんらかの個人的なトラウマやコンプレックスを抱えているものと推察致します。
上位レイヤーを理解するためには高度な抽象的思考能力が必要ですが、下位レイヤーの下積みを持たない人々が「理解」してしまうと、現実的に突拍子もないことをしてしまったり、主張したり、下位レイヤーからの情報を歪めることになるのだと思います。反日サヨクの日本人などがその好例と言えましょう。
日比野
上位レイヤーは実は意外と不安定なレイヤーで、普遍性をもちうるかはやはり下位レイヤーまで浸透していくかどうかである程度測れるのではと思っています。
今、日本の伝統や価値観が保持されているのはかろうじて下位レイヤー、それも最下層の血縁レイヤーくらいではないかと危惧します。これをどう保持してゆくかがポイントですね。