心がひきつけるもの (心と商品について その3)

人の好みは、その人の心のかたちできまる。心が感応して、多重知性を介して「みえる化」したものが好みになって表れる。

好きな言葉、好きな絵、好きな場所や形、好きな論理哲学、好きな音楽、好きな動作、好きな価値観、好きな感情。これらは、その人の心のかたちが求めて、好みとして表れたもの。

一種類の商品は一種類の好みや心にしか合致しない。だから商品はいろんな形や色などのバリエーションを持たせて、客の好みに合うように取り揃えることになる。

すべての人の心にあわせた商品を揃えたいのはやまやまだけど、無限のバリエーションなんて持てないから、大まかに区切っていくつかのバリエーションを持たせるのが精一杯。

買う人はその中から比較的自分の好みに近いものを選ぶ。自分の心のかたちにぴたりとはまる商品なんてそんなにない。

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[器・UTUWA&陶芸blog]より


人が自分の心のかたちを自覚するレベルには個人差がある。何かの個展に行って、気にいった作品を見つけた時、どこがいいのって聞かれてもうまく言葉にできない事ってよくあること。その作品に心が感応して、自分の心のかたちを代わりに表現してくれているから気にいるのだけれど、自分の心のかたちを十分に自覚できていないものだから、うまく言葉にならないだけ。とにかく気に入ったとしか言い表せない。

好みの作家がしっかりと決まっているような人はかなり自分の心のかたちを自覚してる。だから、もし好みの作家の作風が変わってしまって、自分の好みと乖離してしまったら、離れてしまうこともある。

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[ピカさんの夢のある絵画]より

そんな、心のかたちに十分自覚的な人の心を表現できる領域はすごく狭くて、普通に世に出回ったりする商品では満足できなくなることもある。中には世の中の作品には自分の気に入るものがないからといって、自分で作ってみようとしたりする人もいる。ストライクゾーンがボール一個分くらいしかなかったり。

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