知性の種類 (心と商品について その2)
心の言葉は心のかたちを言葉という表現形態で「みえる化」したもの。勿論、言葉以外のものでも「みえる化」は可能。
現在の認知心理学では、知性は多重構造になっていると言われている。
一九八三年にイギリスの認知心理学者ハワードガーナーが、知性はひとつのものではなくて、多数の並列した知性から成り立っている、多重知性の存在を提唱した。
近年、これを受けて、沢口俊之北海道大学教授は、脳科学の分野から多重知性の本質として、知性を八つに分類している。
1.言語的知性:言葉を見聞きして、理解して記憶したり、話したり書いたりすることを司る知性のこと。会話や読書・執筆での基本的な知性
2.絵画的知性:絵画に代表される視覚対象の形態やパターンを理解して記憶したり、絵画や図形などを描く知性のこと。絵画の鑑賞や画家にとってはなくてはならない知性
3.空間的知性:モノがどのような位置にどのような速度や関係で存在しているのかという知覚して記憶し、それに基づいて行動を組み立てる知性。日常生活で普通に使われる知性
4.論理数学的知性:様々な数学的記号の理解とそれを論理的に操作する知性。計算や暗記で使われる。数学者には必須の知性
5.音楽的知性:音楽を聞いて知覚・理解し、記憶して、それに基づいて歌ったり、演奏したりする知性。ミュージシャンでは、この知性がよく発達していることが実証されている。
6.身体運動的知性:体の姿勢や運動の様子を知覚して記憶し、それらに基づいて運動を上手くコントロールする知性。優秀なスポーツ選手などで発達している知性
7.社会的知性:人間関係に代表される社会関係の知覚・理解・記憶する知性。それらに基づいて、適切に社会的行動を行う。社会関係を適切に営むのに必要な知性
8.感情的知性:他者の感情・表情や自分の感情を理解・記憶して、自分の感情を適切にコントロールする知性。EQのこと。
更に、この上記8つの知性を総括し,コントロールする知性,いわば「超知性」としての「自我」がある。この超知性は多重知性を監督する役割をもっていて、別格な存在。
ここでいう自我を、心そのものと定義すれば、言葉や絵や音楽って、心に思ったことを多重知性という表現の種類で「みえる化」したものになる。
心を言語的知性で「みえる化」すると「言葉」になる。
心を絵画的知性で「みえる化」すると「絵画」で表現される。
心を空間的知性で「みえる化」すると「場所・空間」に対する認識に表れる。
心を論理数学的知性で「みえる化」すると「抽象論理思考」になる。
心を音楽的知性で「みえる化」すると「音楽」ができる。
心を身体運動的知性で「みえる化」すると「動作」にあらわれる。
心を社会的知性で「みえる化」すると「礼儀・節度・常識」にあらわれる。
心を感情的知性で「みえる化」すると「EQ・理解力」にあらわれる。
多重知性の論理では、心のかたちを8つの表現形式で区分できるけれど、もしかしたら8つではなくてもっともっとあるのかもしれない。
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この記事へのコメント
日比野
おっしゃるとおり、多重知性が磨かれ、受け入れられる条件というのがありそうですね。これに関して補追の1として、シリーズエントリーの最終回後にエントリーしてみたいと思います。(11/19頃)
今後ともよろしくお願いいたします。
黄緑亀
今日のお話で、なんとなくゴッホを思い出しました。あの人の絵は私も大好きな絵もアンマリな絵は有るのですが、同時代に生まれた人間には愛されなかったという事はやはり早く生まれすぎたのかなぁもっと絵画的知性が自由になった時代であればとも思う反面、残酷と思いつつも理解されない中描き続けたからこそ彼の才能そのものというか絵画的知性というかの絵になったのかなぁとも思っちゃったり、奇人変人とか不遇の天才と言うのはそういう知性を時代から飛びぬけてしまった人たちなのかなぁと色々考えさせられて少し不思議な気持ちになりました。
ノース
http://www7b.biglobe.ne.jp/~jinzo-ningen/gaiyou.html