皇太子訪中について(福田総理考 その2)
福田総理の行動原理が「安」だとすると、「名を捨て実を取る」行動は是とされる。結果として「安」になりさえすればよいから。もし「国」が行動原理だと、あるべき姿を求めるから名は捨てられない。
安心と安全が最優先だから、「実」をさえ取れれば、「名」は特になくてもよい。それによって自分が誤解されようが構わない。行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張。
週刊ポストの記事だけど、福田首相が訪中の手土産として皇太子殿下の北京五輪開会式へのご出席というのが報じられている。
案の定というか、やっぱりというか、北京五輪への天皇陛下訪中の要請はあるようだ。また、その際に環境分野での協力について話し合われるとも。
「海外のチャイナ叩き報道について」のエントリーで触れた内容に近い動き。
この記事が本当だとすると、中国の要請に対する、福田総理の回答は天皇陛下ではなく、「皇太子殿下」ということになる。
本当は、オリンピックボイコット、ダルフール、ミャンマー、チベット等々の問題を挙げて、相手に譲歩を迫る代わりに、皇室の誰かの参加は考えないでもないくらいにしておけばいいと思うのだけど、いきなり皇太子殿下というカードはちょっと勿体なさ過ぎる。
天皇陛下にしないところが、バランス感覚だといえなくもないけれど、これが、駆け引きなのか、最終回答なのかは注目すべきところ。
こんなおいしい餌を最初からぶら下げられて、中国が唯々諾々と了解するわけがない。必ず、皇太子殿下ではなく天皇陛下の訪中を重ねて要請するに決まってる。
そこで、福田総理が最後まで皇太子で突っぱねるのかどうか。これで外交手腕がある程度みえてくると思う。
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この記事へのコメント
日比野
天安門でやらかしてますので、今回はさすがにないものと思います。皇室は誰一人出席すべきではないと思います。恩義に感じればいいのでしょうが、胡首席の今回の訪日ではチベットデモで面子を潰されまくっていますから、逆に恨みに思っているのではないかと愚考します。
ツシマ