自由と公平(コンテンツと規制について その5)

新聞や本、ネットでもそうだけれど、読む人が情報を得ようとするとき、まず見るのは見出しや題名。現代人は忙しいから、全部の雑誌の全部の記事を丹念に読むことなんて殆どできないし、しない。だから各社は読者の気を引こうとして、刺激的な見出しをつけて、少しでも読んでもらおうとする。

ネットでも新聞社のHPがあるから、そこを何の気なしに読むというのもあるけれど、中には、詳しく読みたい記事もある。それについてはそのHPだけじゃなくて、他の新聞社のHPや関連するブログの記事なんかも読んでみたくなる。

そんなとき威力を発揮するのが検索エンジンと呼ばれるもの。

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検索エンジンとは、キーワードを入力すればそれに関連した情報をネット内のあらゆるコンテンツから検索して、表示してくれるツールのこと。

検索エンジンにはいくつかの種類があって、どの情報をどうやって検索してくるのかが一番の急所。企業秘密の部分。検索エンジンを提供している各社はそれぞれ、エンジンの性能や精度を上げようと鎬を削ってる。

なぜかというと、検索した結果、該当する記事が何万件もあった場合、検索結果を表示するページだけでも何百ページにもなる。忙しい現代人はそんなに暇じゃないから、最初の数ページだけ見るのが普通。一説には検索順位で上位10位以内にないと殆ど読んでもらえないとも言われている。

だから、情報を出す側は、自分の情報を広く読んでもらいたければ、検索結果で上位にランクされることを望むし、検索エンジンを提供する側はなるべく、公平中立に検索順位を決めたい。

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公平中立という言い方は少し語弊があるかもしれないけれど、要は使った人に満足してもらえるような検索エンジンを作るということ。たとえば、あるエンジンの検索で上位にくる情報は、いつも質が高く、多くの人の支持が得られる性能の検索エンジンと、上位くる情報はつまらないものばっかりで、検索結果を何ページも後ろにいって、ようやく見るべき価値のある情報を検索してくる検索エンジンがあったとすると、多くの人に使われる検索エンジンはどちらになるかというのは言うまでもない。

だから検索エンジンは、単にネット内の情報を無作為に検索しているわけではなくて、如何にして価値ある情報を抽出できるかでその性能が計られていると言っていい。


本シリーズエントリー記事一覧
コンテンツと規制について その1「規制の対象」
コンテンツと規制について その2「インターネットの交通ルール」
コンテンツと規制について その3「コンテンツと媒体」
コンテンツと規制について その4「中立とは何か」
コンテンツと規制について その5「自由と公平」
コンテンツと規制について その6「情報価値のつけ方」
コンテンツと規制について その7「2ちゃんねる」
コンテンツと規制について その8「ロングテール」
コンテンツと規制について その9「万人の秀才とひとりの天才」

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