今の日本のネット事情は高速通信が当たり前。ブロードバンドって、よく高速道路にたとえられていたけれど、そのとおり。情報の高速道路。そのお陰で重かった画像データとかも手軽に送受信できるようになって、便利になった。
ブロードバンドをはじめとするネット網を高速道路にたとえると、ネットコンテンツはそこを走る車になる。そこで適用される交通ルールってなにかといえば、ネット通信規格。
車を使う人にとって困るのは事故や渋滞・混雑。情報は電気信号だから、命に関わることはないのだけれど、大量のデータを送付することによる混雑や渋滞と、データが消失するといった事故に相当するものがある。だけどこれらはもうほとんど解決してる。
[ピカさんの夢のある絵画]より
インターネットの通信規格はTCP/IPと呼ばれるパケット交換方式。これは、送りたい情報を「パケット」とよばれる情報のかたまりに分割して、これらのパケットを、送り先の相手に近いほうの交換機に向けてバケツリレーで順次転送してゆく方式。
パケット交換方式は、回線を一人占めしないから、すべての人が同時に通信回線を共有して使うことができる。渋滞や混雑を緩和するための交通ルールになる。
車でいえば、道幅を全部塞ぐくらい車幅があって、長さも何千メートルにもなるような、まるで貨物列車のようなトレーラーは走ってはいけない、というルール。そんなのがあると他の車が走れなくなるから当たり前。
また、車の事故に相当する、データ転送中に、たまにおこるデータの消失、パケット損失なんかにも、TCP/IP規格はエラー訂正機能を持っていて、再送パケットを受け取るまで、他のパケットを止めておいて、再送パケットを最優先に受け取る仕様になっている。
事故を起こしたら、救急車がすぐ飛んでこれるように、その他の車は道を空けて、救急車が通り過ぎるのを待っているのと同じ。
今は、ネットの中を走る「情報の車」の台数がどんどん増えて、送り先を書いてあるナンバープレートの数が足りなくなってきた。だから桁数でも増やさなくちゃとかいって次世代通信規格(IPv6)が検討されているくらい情報が飛躍的に増えていっている。
ネットコンテンツは「情報の車」だから、その性能やボディスタイル。色やオプションなど様々。それは車に乗る人、ネットコンテンツを見たり書いたりする人の好み。
ネット内を走る「情報の車」そのものの性能や仕様は、ネットの道を占有したり、パケット損失を起こしたりする事とは全くの無関係。「情報の車」は決してネットインフラじゃない。
本シリーズエントリー記事一覧
コンテンツと規制について その1「規制の対象」
コンテンツと規制について その2「インターネットの交通ルール」
コンテンツと規制について その3「コンテンツと媒体」
コンテンツと規制について その4「中立とは何か」
コンテンツと規制について その5「自由と公平」
コンテンツと規制について その6「情報価値のつけ方」
コンテンツと規制について その7「2ちゃんねる」
コンテンツと規制について その8「ロングテール」
コンテンツと規制について その9「万人の秀才とひとりの天才」
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