覇権国家の性格 (覇権について考える その6)
覇権国家が衰退してゆくと、その覇権に対して挑戦する国が現れる。非覇権国やその他小国は、様子を見ながら、慎重に次の覇権国にすり寄ってゆく。生き残るために。
衰退する覇権国家と、それに挑戦する国と、生き残りを図る周辺国。覇権に挑戦しない国だって無傷ではいられない。国と国がぶつかる戦国時代へ突入してゆく。
今の覇権戦争は主に食料・エネルギーの奪い合いと、経済の支配権を理由として争われるけれど、戦争そのものの勝敗は、交戦国同士の戦力はもとより価値観・文化を含めたすべての国力で決する。
戦略レベルでの外交戦や情報戦、諜報活動や兵の錬度や訓練に対する考え方、補給路兵站に対する考え方や兵器の運用に至るまで、ありとあらゆることに国家としての考え方が反映される。つまるところ戦争とは国家文明の総力戦。
戦争は、どちらの国家文明が優れているのかということを力づくで証明していく手段だと言えるのかもしれない。賛同はできないけれど。
だから覇権が移った時に表れる世界秩序は前のものと同じであるとは限らない。
覇権国家は覇権を握ったら、自国の国益をまず優先して、自分に有利な秩序や価値観でもって世界秩序を構築するから。
それゆえに覇権国家に挑戦しない周辺国は、次期覇権国がどのような性格を持つものかをしっかりと見ておかなくちゃいけない。
人気blogランキングへ
この記事へのコメント