人間とロボット(人間として生きるということ その1)

理想と現実」のエントリーのコメント欄にて、江戸屋さんから、「精神の肉体制御ではなくて、肉体の精神統御の方が「生理」にかなっているのでは?」というコメントをいただいたので、今回はこれについて考えてみたい。全10回シリーズでエントリーする。

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人間を構成する要素を考えてみると、五感という感覚器官を備えた肉体と知・情・意のはたらきを持つ心からなるというのが、おそらく一般的な答え。

身体の中に心がある、魂が肉体に宿る、という言葉からイメージされるように、心の外側に肉体があって、外界とのインターフェースの役目を果たしているというのが自然な認識だろうと思う。

だから「精神が肉体を制御する」というのは、制御命令の伝達方向で考えると、内側の精神から外側の肉体に命令伝達される方向なのに対して、「肉体の精神制御」は外側の肉体から内側の精神に伝達される、それぞれ逆方向の伝達経路を辿ることになる。

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「肉体が精神統御する」ということは、なんらかの外部情報が肉体を介して、精神に伝えられて、その活動を統御するということだから、外部からの情報だけで精神活動が形成されるということになる。

だからこの命題は、たとえば機械に外部情報を入力して、精神活動に類する反応を引き起こすのかどうかという命題に置き換えられる。

ひらたくいえば、心を持つロボットは作れるのか否かという命題。

そのためにまず、人間とロボットの差とは何かについて考えてみることにしたい。

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