文章は誰を対象にしているかで、その内容や表現は当然異なってくる。
既存メディアとの対抗メディアとして考えるのか。同好の士を求めるための書き込みなのか。それとも自分用のメモなのか。
誰を対象としているかというのは表現においては大切なこと。
何かを伝えるにしても、哲学のような抽象的概念を伝えるのは難しい。そんなとき威力を発揮するのがたとえ話。たとえ話はイメージを想起させる。
[Asagi's photo]より
たとえ話で扱われる事象は、動植物や自然とか人間社会の営みとか、誰でも知っている事柄。
たとえ話って、伝えたい概念を広く一般に知られているコンテクストに置換すること。だから高度な抽象概念も分かりやすく伝えられる利点がある。
抽象概念をたとえ話に置換する場合に大切なことは、本当に伝えたいことは何かということを規定すること。哲学的抽象概念を、たとえ話にいつも100%置換できるとは限らない。
要するにこういうことなんだ、というくらい単純化して本質をつかみださないとうまく例えることはできない。たとえ話に限定条件なんて無いのが普通。
哲学的概念を数式のように厳密に表現しようとすればするほど、思考の演算式を厳密に追いかけていって、ひとつひとつの項の定義と条件を明確にする修飾語をつけなくちゃいけない。
なになにが、これこれで、こうした場合に、云々かんぬん・・と思考の演算式をそのまま例えられても、たとえ話なのか何の話なのかさっぱり分からない。
だから、たとえ話を使うときには、その哲学概念の一般的部分をつかみだして、それを中心に据えて例えることになる。その代わり概念の減衰、変容は避けられなくなる。

この記事へのコメント
新快速 播州赤穂行き
エントリーの内容で全然関係なくて恐縮なのですが、BlogAwardノミネートおめでとうございます。私はあえなく落選してしまいましたが、家からと会社からと2箇所から投票させて頂きました(サラリーマンの役得(笑))。この際是非優勝しちゃって下さい!!
日比野
投票ありがとうございます。私はてっきり「途転の力学」が最終選考にノミネートされるのだろうな、と思っていましたので、日比野庵がここまで残ったのは意外でした。ただ、選考基準でいかようにでもなるものでもあるかとは思いましたが。
この際優勝!ですか。。御言葉は大変うれしく思いますが、現実的にはほとんど可能性はないでしょうね。一般投票に大きく影響するところのPVの絶対数が他の方と桁違いに少ないですから^^;
今回を機会に他の領域のブログを知ることができたことにはとても意義を感じています。