やっぱり板ばさみ(中国産毒餃子事件について再考 その4)

これまでの報道をみるかぎり、どうやら中国は「個人の犯罪だった」という矮小化作戦を実行して、日本政府もそれに乗っているようにもみえる。すでに両政府間で合意があるのかもしれない。

岸田国民生活担当相は2月7日午前、TV番組で中国製毒餃子事件について「結果論だが、企業の食の安全に対する危機管理に問題があったのではないか」と述べて、日本の輸入業者の責任に言及した。

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[Asagi's photo]より


板ばさみ」のエントリーでも触れたけれど、もし「個人の犯罪だったキャンペーン」に両政府とも乗れば、国内食品メーカーが板挟みに遭うと予測したように、あたかもそれを裏付けるかのような政府高官の発言。

日中両政府が政府の責任ではない、あれは事故なのだと互いに押し合いをすれば、間に挟まれた食品メーカーや輸入業者が押しつぶされる。今後、同じ事件がおきたら、確実にメーカーの責任にされる。会社が傾く。

だから、必然的に中国産食材とはっきり記載して、消費者にリスクを負って貰うか、検査をしっかりやって、なんらかの安全対策をするしかない。

だけど、事件発覚後の国内の風評被害も含めた消費者の反応をみるかぎり、中国産食材は、もうそれだけで売れないことがはっきりしてる。

だからおそらく、業者も面倒な検査・安全保障の仕組みを考えるよりも、いちばん簡単・確実な中国産食品の輸入を辞める選択を選ぶだろう。

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実際に今回の事件発覚から各輸入業者は次々と仕入れ先の変更処置を検討しているという。事実上、中国産食品は禁輸状態なのかもしれない。

いずれにせよ産地表示に対しての国民の意識がうんと高まった。チャイナフリーが、いよいよ日本でも見られるようになるかもしれない。

あとは、中国産を国産と偽る産地偽装や、第三国を経由して中国産を輸入して、第三国産と表記されることが消費者側として注意すべきところ。

昨年マスコミは産地偽装や消費期限問題で散々叩いたけれど、もし今後中国産を国産と偽って、食中毒を起こしたとしたら、なんと報道するのだろうか。

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