日本の勝利(中国産毒餃子事件について再考 その1)

続々と事実が明らかになってきた感のある中国産毒餃子事件について、さらに考えてみたい。全5回シリーズでエントリーする。

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[Asagi's photo]より


今回の毒餃子事件については、先々週、「質と量」、「板ばさみ」でエントリーして、離れにまとめて「中国製餃子中毒事件について」としてエントリーしたけれど、だいだい拙記事で予測したような展開になってきつつある。

その記事で、個人の犯罪だったキャンペーンをするのではないかとした予想どおり、中国当局は「自分は悪くない」と言い張り、2月6日になって検査検疫総局の魏伝忠副局長が「中日関係の発展を望まない少数の分子が過激な手段に出たのかもしれない」と、故意の犯行をほのめかした。

問題はこれに日本側が乗ってくるかどうかだけれど、犯人が捕まったりして、公表されない限り、中国がいくら安全だと言い張ったところで、日本政府として安全宣言は出しにくい。

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[Asagi's photo]より


板ばさみ」のエントリーでは、中国が犯人を公開して、天洋食品の管理責任を問うというシナリオを推測していたのだけれど、天洋食品自身が中国国家お墨付きの安全・最新の会社であるようで、どうやら責任を問うつもりはないらしい。

とすると、犯人は日本人だ、ということにするしかないのだけれど、日本側の捜査が着々と進んでおり、密封容器の内部からもメタミドホスが検出されたこともあって、その可能性は限りなくゼロに近い。

日本警察が偉かったのは、早期に日本国内の可能性がないことを証明したこと。そして、それをしぶしぶながらマスコミが報道したこと。

これが実に大きかった。ともすれば、パッケージ袋に空いた穴をターゲットに、事件の責任は日本にあると、責任転嫁される事態をギリギリで回避した。

次々と発覚した事実と科学的検証によって、日本国内の犯行説の声がどんどん小さくなって、中国国内の問題だろう、との日本の世論が固まってきた感がある。この時点で日本の勝利は確定した。

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