【5/15追記】
震災から丸3日たとうというのに、被災者の救助は遅々として進んでいない。温家宝首相が被災地に飛んではみたものの、各国からの救援部隊の受け入れを拒んでおきながら、やったことは進まぬ救助活動に苛立ちを見せるパフォーマンスだけ。肝心なことはなおざりにされている。
それなのに、美談を報道せよだのなんだの、人命救助より自分自身への非難をかわす機会にしようという中共政府の姿勢はどうにかならないのか。
5/15になってようやく日本の救援隊を受け入れる方針を示したようだけれど、生き埋めになった人々に限って言えば、すでに生存限界の72時間を過ぎてしまっている。一人でも救い出して欲しいと思うものの、暗澹たる気持ちにならざるを得ない。せめて人災被害の拡大は最小限に留めて欲しい。
ただ、救援申し出をしていたた各国を差し置いて、真っ先に日本に救援要請をしたところをみると、中国包囲網を敷かれつつある現状、どうしても対日関係を悪化させたくはないらしい。
単なる推測にしかすぎないけれど、仮に胡錦濤主席ひとりが、諸外国からみても正しいと思えるような判断をして、どんなに頑張ったとしても、あのような図体のでかい国になると指示命令が末端まで伝わらず、どうにもならないのではないか、とも思える。
今回の地震とその対応をみるにつけ、どうしても「因果応報」という言葉が頭に浮かんでしまう。ただしチベットの呪いではないという意味で。
以下箇条書きで「因果応報」だと思う点を列挙。
・チベット人を弾圧、殺傷した人民解放軍が、被災地のチベット人を含む少数民族を救出しなければならなくなった。しかも今度は救助する軍の方が危険な救助活動を行うことになる。
・チベットを国内問題だと言った手前、中国政府は今回の被災にきちんと対応しなければ、自己矛盾に陥る。
・地震の最中の聖火リレーに、「良心のかけらもないのか!」といった非難が漢族から上がっているけれど、世界から見れば、その非難と全く同じものが、チベット弾圧を行う中国と聖火リレーに投げかけられているという現実。(漢族が自己を振り返ってそれに気づくかどうかは別)
・軍や政府はTV映りしている部分だけ救助を試みてはいるが、その他はほったらかしらしい。被災にあった漢族にとって、そんな姿勢や情報操作に不満が溜まっているそうだけれど、それはまさにチベット人がこれまでの弾圧で受け続けていること。
・地震後、停電と断水が続き、食料が不足するなか、四川省綿竹市の農村地区で住民たちが支援物資を積んだトラックを止め、荷台の物資を奪い合う事態が発生したという。一歩間違えば暴動になるような事態だけれど、どうやって治安維持を行うのか。軍による鎮圧が一番簡単確実だけど、それではチベットで行ったことを今度は漢族に対して行うことになる。
被災にあった方にとっては、追悼の意を表します。これを機会にチベットで起こっていることを漢族自身が気づく切っ掛けになるように願う。
仏法(ダルマ)は偉大なり。

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