下の娘が見ていたのを横で何気に聞いていたら、こんなセリフがあった。
「渡さないナツ・・」
「ん?」
「奪うことからは悲劇しか生まれないナツ」
「はぁ」
「むかしこの世界であったことナツ。大きな国がコショウやさまざまな資源を奪うために小さな国々を襲ったナツ。略奪されほろぼされた国々の中には素晴らしい文化を持っていたところがたくさんあったナツ。そんなことはぜったい繰り返しちゃいけないナツ!」
「だまれ! 強いものが欲しい物を手に入れる、当然のことだろ。」
「そんな考え方 間違ってる。」
ヒーロー/ヒロインが主役の子供アニメだから勧善懲悪なのは当たり前だとしても、時節柄こういった台詞を並べられると、どうしたって、チベット問題を連想してしまう。脚本家・政策スタッフが意図してこうした脚本にしたのかとさえ。
「ソフトパワーは抑止力になり得るか」と「六道輪廻と日本の生き筋」で日本アニメを戦略的にうまく使えないか、と言ったことがあったけれど、もうとっくにやっていたようだ。
報道規制やらなにやらで正論ひとつ言えない国内メディアに対して、ひとつアニメを見習ったらどうだといいたくもなる。
どこかの国で、日本のアニメを放送する際、日本色が出るのを嫌うあまり、主役級キャラを真っ白に塗りつぶして何がなんだかわからなくなってしまったのがあったけれど、絵柄だけでなく、セリフや話の内容まで検閲するようになれば作品は死んでしまう。そんなことは誰も望まない。
まだ、アニメの世界では健全さが保たれている。こういう日本発アニメによって、半ば自動的に日本的価値観が世界に広がって、浸透してゆく姿はひとつの希望とみてもいいのもしれない。

この記事へのコメント
美月
(※具体的なコメントではなくて、反応だけです。済みません。)
あと、話は変わりますが、中国四川省で大地震が起きたみたいです。いろいろと事情のある土地のようですし、今後も注目と共に、心配ですね。
日比野
この記事では少し楽させていただきました(w
何気に記事のセリフが飛び込んできて、ほとんど条件反射的に記事にしたのです。σ^^;)