衰えてゆくアメリカ一国の経済力では、もはや世界全体をカバーする軍事力を支えることはできない。それでも軍事的一極支配を続けたければ、足りない分は他国に払ってもらうしかなくなる。
手っ取り早いのは、ヤクザのように周辺国を脅して巻き上げたり、上納金を納めさせるということになるのだけれど、国際社会でそこまであからさまにはやりにくい。結局あの手この手を使って、どうにか払って貰うことを考える。
一番平和的に払ってもらう方法は、通常の貿易・経済活動で、アメリカに黒字をもたらし「儲け」という形で払ってもらう方法。その次は二国間又は多国間とのなんらかの条約締結とその実行による見返りという形での支払い。在日米軍への「思いやり予算」なんかはこれ。
前者の経済活動の枠組みの中で支払ってもらうやり方は、その経済活動が正当であるうちはまだ良いのだけど、そうした支払いでも足りなくなってくると、色々と相手に難癖をつけてみたり、ズルしたりしてでも金を欲しがるもの。
たとえば、お前の国の市場は閉鎖的で、わが国の商品を全然買わないじゃないかと言って、もっと市場開放するように圧力をかけてみたりとか、為替相場を自国に有利なように調整して一気に貿易赤字を減らしてみたりとか。
そこには、軍事的一極支配を確保できなければ、世界秩序の維持なんて無理なのだという考えが根底にある。

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