モラルとカルマ(毎日新聞問題について考える その4)

昨年から食の安全性は一種の社会問題にまでなっている。賞味期限差し替え、毒餃子、産地偽装。発覚初期の段階で、製品に問題ないとして、対応を誤った企業はことごとく廃業にまで追い込まれている。

デフレ下で合理化が叫ばれ、企業努力をつづけてきたけれど、企業モラルを破壊してまでの合理化を社会は許さなかった。

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長い目でみれば、低い企業モラルは不経済でもある。企業モラルの低下は質の低い製品に繋がり、クレームとなって返ってくる。当然社員の士気も下がる。本当は不景気の時ほど、やる気がでるようにモラルの高い話を積極的に報道すべきなのだけれど。

今回の毎日新聞のwaiwai問題発覚後、スポンサー各社への問い合わせや不買運動が高まっている。続々と毎日新聞への広告が引き上げられているという説もある。既に毎日新聞のWEBには、自社広告しか載せていない

現在のような情報化社会では、ひとつの情報が広く、瞬時に拡散するから、それに対する反応もすばやく返ってくる。いままで問題にならなかったのは、国内では殆ど読まれることのなかった英文記事だからであって、一旦国内報道された途端、激烈な反応を呼ぶことになった。

抗議行動はいまやネットからリアル世界に広がっていて、衰えを見せない。毎日新聞社を潰せという声まである。

一部には、毎日新聞社内でもこの問題を知る者は少ないし、販売店を含めて殆どの人はいい人だから、これ以上苛めるのは止めようとか、もう当該コーナーは閉鎖しているしお詫びもしているからもういいじゃないか、という声もあるけれど、それに与するにはあまりにも多くの業(カルマ)を重ねたと言わざるを得ない。

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四川大地震で見られたように、天災は善人悪人を選ばない。その地に居たというだけで、被災する。いい人も悪い人も関係ない。

あれほどのことを止めることができなかった、知らなかった、最早それ自身が業(カルマ)となってしまっているように思えてならない。

尤も、業(カルマ)という観点からみれば、該当コーナーは閉鎖しただけで、記事の内容そのものについては謝罪も訂正もしていないから、自ら作った業(カルマ)を刈り取ってるわけじゃない。

今は、その業(カルマ)の報いをスポンサー企業が代わって受けている状態。でもいつまでもそれで済むわけが無い。最終的には毎日新聞社本体がその業(カルマ)を刈り取らなければならなくなるだろう。

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