「北京オリンピック開幕式のリハーサル場面が韓国のテレビ局で放映されたことで、中国の努力を台無しにするものだとの反感が誘発されたのに続き、四川大震災についての(韓国)ネチズンの悪意的レスが火に油を注いだ。放送やネチズンは民間外交官として威力を発揮することもできるのに、国家間の信頼を損なうようなことが発生しないよう、行動には慎重を期さねばならない」
韓国ハンナラ党の党本部で開かれた最高委員会議において、中国を訪問した際に行なった会談結果を伝えた孔星鎮(コン・ソンジン)最高委員のコメント。
今回の北京五輪では特に顕著だったのだけれど、中国国内で嫌韓感情が広がっている。たとえば韓国が出場する競技では、韓国ではなく相手国の方ばかり応援し、韓国にはかなりブーイングをしたようだ。
こうした中国の嫌韓感情の背景としてまず、韓国人の中国に対する態度に問題があるのではないかと、孔最高委員は指摘している。
五輪や四川地震だけでなく、中国で2000年以上の歴史を持つ「端午の節句」(旧暦5月5日)を韓国が「江陵端午祭」との名前でユネスコの「世界無形文化遺産」に申請、選定させてしまったり、中国伝統医学の「漢方(中医学)」を「韓医学」と名前を改め、世界文化遺産の認定申請したり、はてや「漢字を韓国人の発明として世界遺産に申請すべし」という進言までやっていたりしたことも過去にはあり、それも影を落としている可能性は否めない。
不思議なのは、こうした問題を招き寄せたのは自分自身の態度にあるかもしれない、という論評がぽつぽつと韓国自身から出ているという事実。
今でこそ、日本においても嫌韓流という言葉が市民権を得てきたけれど、これまで韓国はなにかにつけ、日本の植民地行為を謝罪しろとか、反省が足りないだとか、いろいろと注文をつけてきていた。最近では竹島騒動が記憶に新しい。日本側がいくら事実を基に検証しようと証拠をつきつけても、まるで聞く耳を持たない。
だけど、中国の嫌韓感情に戸惑いを見せ、自らを振り返る態度を一部であっても示す動きがあるということは、韓国にとっては、事実よりも感情の動きや発露がより大切であって、相手が感情に訴える行動に出るに至って、ようやく相手の考えを認知するのではないか、という疑念も湧いてくる。

この記事へのコメント
日比野
>「韓国人は思ったことをぶつけ合い、感情をさらけ出すのがいいところ(逆説的に日本人の控えめなところは短所と捉えているよう)」という自己評価をしているのを何度か見た記憶があります。
やはりそうなのですね。今回のシリーズエントリーは、その1、その2の着眼点を核として、思索を進めていったシリーズです。ここが間違ってしまっていると、結論も間違ってしまうので、少々不安に思っていましたが、三四郎様のコメントで勇気づけられました。(w
今後ともよろしくお願いいたします。
三四郎
>、韓国にとっては、事実よりも感情の動きや発露がより大切であって、相手が感情に訴える行動に出るに至って、ようやく相手の考えを認知するのではないか、という疑念も湧いてくる
おそらくそれは正しいと思います。TV番組などに登場する韓国人(留学生や普通の民間人レベル)が、「韓国人は思ったことをぶつけ合い、感情をさらけ出すのがいいところ(逆説的に日本人の控えめなところは短所と捉えているよう)」という自己評価をしているのを何度か見た記憶があります。その時は単なる「お国自慢の類」かと思いましたが、今回の中韓の関係をみると「成程」と思うところがあります。
彼らと同レベルに罵りあうのは気が進みませんが、主張すべきは断固主張するという態度は、相手がどこであれ今後ますます必要になっていくと思います。