この世に生きる意味(運命について考える その7)

 
この世に生きる人は、未来が分かる訳でもなければ、壁の向こうが見えるわけでもない。

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あたかも目隠しされて、手探りで生きているようなもの。輪廻転生が事実であってもそうでなくても、この世に生きている人の殆ど全ては過去世なんて覚えていないから、輪廻転生の真偽に関わらず、この世に生きる人は、事実上過去から切り離されている。

この世は、自分も相手も認識できる範囲が極めて限定されている者同士で生きている世界。ゆえにこそ、そんな中でも優しく生きていける人は、心から真に優しい人だし、誠実に生きている人は魂から誠実な人。

過去世の記憶を持っていたりすると、過去嫌われる生き方をして、迷惑をかけたから、今度はそうしないでおこうとか、逆に過去尊敬される人生を送った記憶が残っていたら、今度もそうしなきゃと思って、自分で自分を縛る人生を送ることになる。

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また、未来や遠くの出来事を見れる千里眼なんかを持っていたとしたら、未来の悲惨な出来事をみて生きる気力をなくしたりもするかも知れないし、逆に未来の栄光をみたら、それで安心して努力しなくなるかも知れない。

だから、この世は極めて制限がかかった世界ではあるけれど、制限があって、生まれるときにリセットがかかるが故に、この世で生きるということに意味が出てくる。

目隠しされて、過去世の記憶もなく、未来も分からない存在。それは自分を誤魔化すことができない世界。心根が露になる世界。

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