なくなる賞味期限

 
食の安全の問題が叫ばれている。特に毒餃子問題以来、敬遠されていた冷凍食品がようやく回復傾向を示していた矢先の殺虫インゲン。忘れっぽい日本人でも、こう次から次へと続いては、食の安全に敏感にならざるをえない。

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そんな中、画期的な冷凍技術が注目されている。CAS冷凍技術がそれ。

「細胞が生きている(Cells Alive System) 」という意味を持つCAS(冷凍技術と呼ばれるこの技術は、細胞を壊さず冷凍・解凍をすることができるというもの。





従来の冷凍食品の問題であった、美味しくない、食感が悪い、冷凍臭、退色とその防止のための添加物の使用などなどの問題が一気に解決するという。

さらにこの技術によって、食品の賞味期限が飛躍的に伸び、何年も前のCAS冷凍品は新鮮なままいただけるという。

この技術をいち早く取り入れた島根県隠岐の島の海士町では、地元の海産物を都内にまで出荷することで販路を拡大し、地方自治体の立て直しに貢献しているという。





CAS冷凍は実用段階になっていて、家庭用冷蔵庫も販売されているようだ。

この技術は世界からも注目を集め、食品問題の解決の鍵を握るのではないかとも言われている。

日本が世界を天照す日は近い。

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画像CAS冷凍の仕組み

CAS冷凍(キャス冷凍)とは、細胞を壊さず冷凍・解凍をすることができる従来の冷凍技術とまったく異なった画期的な冷凍保存技術です。

CASとは=Cells Alive System(細胞が生きているシステム)の略とのことです。本来、水分子が静かにしている状態では、水は凝固点0℃以下になっても、氷にならないのだそうです。この状態を過冷却といいます。ところが、現実世界ではなんらかの刺激が水分子に加わるために、その場所から凝固がはじまり固体に変化するのだそうです。CAS冷凍技術はそこに目をつけ、特殊な微弱な電磁場?(「CASエネルギー空間」と呼ぶのだそうですが、)を冷凍対象物にかけることで、水分子を安定させながら急速に温度を凝固点以下に下げてしまう=過冷却状態を工業レベルで実現したわけです。過冷却(凍結直前まで水を液体の状態)にしたのち、一気に凍結させることで、従来水がじわじわ部分的に固まっていく過程で破壊されてしまう細胞が壊されることなく全体を新鮮なまま凍結することができるという技術です。なるほどー、いわれてみれは納得できますが、最初にCAS冷凍を実現した技術者はすごい!と思います。

CAS冷凍の開発もと・特許
CAS冷凍の開発もとは、千葉県我孫子にあるアビーという会社です。1997年にCAS冷凍技術を開発して改良を重ねてきたとのことです。日本以外にも世界中の10ヶ国以上でCAS冷凍に関する特許を所得済み、国内外30を越える大学、研究機関と現在も共同研究を続けているとのことです。

CAS冷凍の適用状況
CAS冷凍は鮮魚の冷凍保存だけでなく、生鮮食品やショートケーキなど従来冷凍困難だったものへの新鮮冷凍で、すでに実用化されています。さらに、昨年、CAS冷凍技術を利用した家庭用冷蔵庫まで発売されています。CAS冷凍冷蔵庫をつくったのは三菱電機ですが、CAS冷凍の開発元は、いったいどこなのかと思って調べてみました。CAS冷凍技術の開発元、それはずばり、株式会社 アビーさんです。(千葉県我孫子の中小メーカーさん)2006年にはすでにテレビ朝日でアビーのCAS冷凍としてTV放映されていたとのことです。(知りませんでした)、私が知ったのは2008年1月土曜日の所さんの番組ででした。^^(ちょー遅耳ですみません^^)

アビーさんの会社ホームページを見ますと、相当時間をかけてCAS冷凍の開発と啓蒙に努めてきた姿がうかがえます。中小メーカーながら、研究開発力に長けたすばらしい会社ですね^^。ありがとう、CAS冷凍のアビーさん。 ちなみに、CAS冷凍は開発中ではなく、すでに実用段階とのことです。これだけ画期的な冷凍保存の技術革新にも関わらず、あまり騒がれていないのは、不思議ですね。

CAS冷凍機能の適用現場を見て…
ガイアの夜明けの特集で見たCAS冷凍の適用現場のインパクトは相当なものがありました。マグロなどの鮮魚の冷凍や、ショートケーキのような従来冷凍が困難だったものの製造・冷凍にもCAS冷凍が適用されています。一旦CAS冷凍された後、解凍されたマグロの新鮮さや、CAS冷凍から解凍されたショートケーキのしっとりした新鮮な生クリームの味わいに驚いてください。^^

また、CAS冷凍冷蔵庫が実は家庭向けにすでに実用化されています。発売元は三菱電機で、MR-Gシリーズ、およびMR-Sシリーズ、CAS冷凍という表現ではなく過冷却と表現されています。価格帯は定価で20万円台後半といったところでしょうか。マイナス40度まで一気に冷やすこと(『瞬』冷凍と名づけています)で氷の粒を微細にすることができ、冷凍しても細胞壁を極力痛めずにすむため、冷凍したものを解凍した食品をおいしく頂くことができるとのことです。(三菱電機さん、すごい! グッジョブ^^)

食品工場で採用されている最先端のCAS冷凍技術について詳しく特集していました。-40度に急速冷凍するというCASの方式も、更に更に技術革新が進んで、ケーキだったり鮮魚だったり用途別に最適なCAS冷凍条件を見つけ出して、どんどん適用分野を開拓していっているようですね。^^ すごい!そして、次のねらいはやはり、医療分野にCAS技術が大々的に利用されるようになってほしいものです。期待してますよー。^^

URL:http://www.new33new.com/casfreeze/



画像三菱、熱いごはんをそのまま冷凍できる高級冷蔵庫

~「瞬冷凍」で炊き立てのおいしさをキープ

 三菱電機株式会社は、熱い食品がそのまま冷凍庫に入る高級冷蔵庫「MR-E」シリーズを、9月25日より順次発売する。

 MR-Eシリーズは、従来の「MR-Gシリーズ」に置き換わる新モデルの冷蔵庫。同社が2007年にユーザーに対して行なった調査では、「冷凍すると味が落ちる」「解凍の手間が面倒」「熱いものをすぐ入れられない」といった冷凍に関する不満が上位を占めていた。最初の2点については、瞬間微粒子で食品をおいしく保存できる「瞬冷凍」、冷凍した食品をカットできる「切れちゃう冷凍」といった、従来製品に搭載された機能で解決できたが、これまで「熱いものをすぐ入れられない」については未解決のままだった。同社では、熱い食品を冷凍庫にそのまま入れた場合、庫内のほかの食品に影響を与える恐れがあり、一方で温度が下がるのを待つことで、ごはんの場合は水分の蒸発による乾燥、ニオイの発生や色の変化といった悪影響があるとしている。

 そこで本製品では、食品を熱いまま冷まさずに庫内に投入できるよう、切替室内に「温感ムーブアイ」と「ツインダンパー」という2つの機能を搭載した。「温感ムーブアイ」は、同社のエアコン「霧ヶ峰」にも採用されている温度センサーで、投入された食品の温度を感知。次に「ツインダンパー」が、切替室内の前後のエリアに冷気を吹き分け、熱をもった部分を強力に冷やす。これにより、周囲の食品に影響を与えることなく、熱い食品を冷やすことができるという。

 冷凍は従来製品から引き続いて「瞬冷凍」方式を採用。芯から均一に凍らせることで、食品の細胞が破壊されるのが防げるため、一般的な冷凍に比べて、水分の損失量が約1/3に抑えられるという。さらに、冷凍後にご飯を加熱しても、硬くならず、炊き立てのおいしさを保つ効果もある。同社ではこれらの機能を合わせて「熱いまま“急っと”瞬冷凍」と呼んでいる。主な用途としてはごはんの冷凍を想定しているが、残ったカレーや茹で野菜の保存にも使えるという。

 また、庫内容量を増やすため、最下段に配置していた冷凍室の位置をその上の野菜室と交換、断熱材を薄くした。加えて、冷蔵室上部の制御基板を小型化し、本体背面下部へと移動した。これにより、庫内容量は従来のMR-Gから30Lアップした。なお、設置サイズは従来とは変わりがない(MR-E45Pのみ1cm高い)。

 冷凍室では、整理しやすいように仕切り板が動かせる「動くんバー」を新たに採用した。また、冷凍室は市販の冷凍食品の93%が立てて収納できるという。

 さらに、本体正面のパネルを操作することで、自動で電力を控えめにする「エコ運転モード」も搭載。エコ運転中はパネルに「ECO」という文字と葉っぱのマークが点灯し、本体外観から運転状況を確認できる。

 このほか、庫内照明にLEDを採用するほか、ドアの開閉により温度ムラが発生しやすい庫内手前から冷気を送る「前から冷やそ」、庫内の棚の高さをスライドで動かせる「動くん棚」、LEDライトで野菜のビタミンを増やす「ビタミン増量野菜室」、透明度の高い氷を自動で作る製氷室といった、従来製品でも採用されていた機能も搭載する。

 三菱電機株式会社 リビングデジタルメディア事業本部 家電事業部長 田代正登氏は、本製品の「熱いまま“急っと”瞬冷凍」機能について、「日本人が味にこだわるのはごはん。三菱電機はいちばんおいしいご飯が炊ける炊飯器の『本炭釜』を出しているが、(この冷蔵庫は)いちばんおいしく冷凍保存ができる」と、その価値を語った。同社では、本製品を発売することで、フレンチタイプ(両開き)の冷蔵庫のシェアを、現在の25%から30%へ伸ばす目標を立てている。

 なお、鉄・樹脂や樹脂の価格高騰により、価格は従来よりも3~5%高めの設定になっているという。

URL:http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/08/20/2762.html