
「2ちゃんねるはチェックされてる?」
「いえ・・チェックなんて、あの・・物凄い数ですから、どれも・・ときどき・・そういったのに・あの~、なに・書いたりなんかすることは・・ときどき・・やったりすることはありますよ。・・2ちゃんねる。あれぁ、なかなかいいとこ突いて・もぉ・・なまじの新聞記事よりよっぽど・・いいとこ突いてますよ、あれぁ・・おぉってのはありますよ。」
昨年、フジテレビ系列の情報番組であるハッケン!!のインタビューで、福田前総理と総裁選戦った後の麻生総理のコメント。
ネット掲示板に集まる知。ネットの集合知が既に新聞を上回っているという認識が麻生総理にはある。
新聞社よりも国民大衆の集合知が上だと思ってる。とすると、政策や本音を語るときにもテレビや新聞記者を相手にするよりも国民に直接語りかけたほうが良いと考えてもおかしくない。
先頃、「ニコニコ動画」に、自民党の麻生太郎総裁を特集した「麻生・自民党チャンネル」が開設された。そこでは麻生総理のメッセージや過去の講演などが視聴できる。
政治家が直接国民に語りかける手段が登場してきた。
ネット動画を政治家が使うのは何も麻生総理だけじゃない。民主党の小沢代表も10月19日にサイバーエージェントのAmeba Studioで開かれたインターネット生放送に出演して若者向けに政権交代の必要性を訴えていた。
ただその中で小沢代表の注目すべき発言として、「政治の細かいことを知る必要はない。自分たちの1票で政権を代えることができる。それだけを分かってもらえたらいい。」というのがあった。
ネットブログや2ちゃんねるなどでは、この発言を問題視して叩いているものもちらほらあるようだ。ただ、この発言の前に、司会者から政治を全く知らない若者に対してコメントを、と振られていたから、軽いサービスの積もりで、細かいところはいいから、これだけは分かって欲しいという意味での発言だったようにも聞こえなくもない。そうだとすれば多少気の毒ではある。
だけど、同じ質問を同じような生番組で、麻生総理が答える姿を想像してみると、おそらくこんな答えにはならないだろうと思う。麻生総理ならこう応えるのではないかというのを勝手に想像してみる。
「政治が分からないというけれど、ある意味、世間ズレした我々なんかより、皆さんのような若者のほうがよっぽど政治を分かっているんじゃないかと思いますね。日本のマンガやJ-Popなんかは、内容といい、表現といい、今の世の中のありとあらゆることを映し出している。それこそ政治そのものなんじゃないでしょうか。そんなカルチャーに普段から触れている皆さんの、日常生活で思っていること、感じていることを私たちに教えて欲しいと思っています。そのために選挙というものがあるんです。」
こういった受け答えをするのではなかろうか。
劇場型政治とは良く言われることだけれど、ヤジや合いの手を聞いてそれをうまく取り入れながら、科白や演技を変えていくスタイルと、舞台は俺たちプロがやるから、素人は黙って見てればいいんだ、というスタンスの違いと言ってもいいかもしれない。
もしも、麻生総理と小沢党首とで国民に対する思いに違いがあるとすれば、国民、とりわけ若者に対して、彼らを信じているかいないかという点に差があるように思う。

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