こんにゃくゼリー
生産が一時中止となったこんにゃくゼリー。再発防止を強く要求されれば売るを止めるのが一番安全確実。
ところが、販売中止の発表直後から、こんにゃくゼリーメーカーに激励の声が殺到し、ネットでは販売中止反対の署名活動が始まった。大手メーカーのマンナンライフに消費者から寄せられた声のうち、批判の声は全体の2%で、残り98%は激励の声だという。
また、ネットの反対署名は17日現在で目標の1000を大幅に突破して、1万1000を超えるという勢いを見せている。
実際こんにゃくゼリーよりも餅やパンのほうが喉に詰まらせて窒息死する例がうんと多い。先頃、千葉・船橋で小6男児が給食のパンをのどに詰まらせ窒息死する事件があったばかり。
なぜゼリーだけが規制の対象になるのか、餅はどうなんだ、という声があがるのも当然。
野田消費者行政担当相は、「モチはのどに詰まるものだという常識を多くの人が共有している」と反論したそうだけれど、こんにゃくゼリーメーカーに寄せられる激励の声やネットでの販売中止反対運動を見る限り、そのこんにゃくゼリーが喉に詰まる危険があるということは十分理解されていることを示している。
いつまでもそうした声を無視したまま、規制に走るのであれば消費者庁に疑念の目を向けられるのも仕方がない。
危険な食品であると多くの人が常識として共有しているものは規制の対象外で、そうでないものは規制するというロジックを推し進めるのであれば、たびたび問題を起こしているにも関わらず、一向に輸入規制に踏み出さない中国産食料品は、きっと危険な食品であると日本人の多くの人が常識として共有しているとみなしているのだろう。
はっきり言って今の状態では、消費者庁なるものは消費者の足を引っ張っている。早急な改善を望みたい。
こんにゃく入りゼリー販売禁止要請を検討…野田聖子氏
野田聖子消費者行政担当相は30日午前の記者会見で、新たに兵庫県の男児がこんにゃくゼリーをのどに詰まらせて死亡したことを受け、販売禁止措置を農林水産省に働き掛けるかどうか検討する考えを明らかにした。野田氏は「痛ましい事故だ。諸外国がどのような措置を取っているか調べているところだ」と述べた。再発防止も重ねて要請していく意向も示した。
ZAKZAK 2008/09/30
URL:http://www.zakzak.co.jp/top/200809/t2008093036.html
形は国が決める? こんにゃくゼリー 自民、議員立法へ 消費者行政迷走 2008年10月11日(土)3時9分配信 産経新聞
こんにゃく入りゼリーを食べた子供が窒息死した事件を受けて、自民党内で10日、ゼリーの形状などを規制する新法制定を検討する動きが出てきた。消費者庁設立のきっかけともなったゼリー被害の防止に焦点を絞った新法だが、窒息による死亡事故が多いモチの規制との兼ね合いなど課題は山積する。新法制定の背景には、政府が消費者の安全をはかるため国会に提出した「消費者安全法案」でも根本的解決にはならないとされる事情があり、ゼリー規制の議論は政府・与党肝いりの消費者庁構想にも影を落としそうだ。(酒井充)
◇
「子供が見て、食べたら死ぬと分かるようにしないと。それぐらいはできるでしょ!」
こんにゃく入りゼリーの規制を議論した10日の自民党消費者問題調査会(会長・岸田文雄前消費者行政担当相)は、河野太郎氏ら出席議員らが怒声を発するなど、さながらゼリー糾弾の場となった。ほかにも「外国並みに規制する法律をつくるべきだ」といった意見が続出し、議員立法による新法の国会提出を目指す方針が確認された。
政権与党の議員がゼリー規制に熱くなるのには事情があった。9月に兵庫県の1歳の男児がこんにゃく入りゼリーを食べ、のどに詰まらせて死亡する事件があり、平成7年以降で17人目の犠牲者となったためだ。
国外では、EU(欧州連合)が独特の硬度を生み出すこんにゃく成分を添加物とし、ゼリーへの使用を禁止しているのに対し、日本国内では食品衛生法の対象は食中毒などに限られる。
このため、今回のような死亡事故を防止する取り組みが「生産者重視から消費者の安全を重視する行政への転換の象徴」(中堅)と位置づけられている。
そのためか、この日の会合では厚生労働省側が「製造中止や回収させる法制度はなく、強制力のない指導が限界」と説明しても、議員の怒号は消えなかった。
だが、新法でゼリーの形状などを規制するには「法の下の平等」という点で大きな壁が立ちはだかる。こんにゃく入りゼリーはだめで、モチは規制しなくてもいいのか-という問題だ。
実際、10日の調査会でも谷公一衆院議員が「モチは昔から死亡事故が多い」と指摘した。一方、野田聖子消費者行政担当相は10日の会見で「モチはのどに詰まるものだという常識を多くの人が共有している」と強調したが、「ゼリーだけを規制し、モチやアメを規制しない合理的な根拠は見つかりにくい」(厚労省)というのが実態だ。
厚労省の調査では、平成18年中に食品を原因とする窒息で救命救急センターなどに搬送された事例は、把握できた計803例のうち、モチの168例が最多で、「カップ入りゼリー」は11例だった。
政府が今国会に提出した消費者安全法案には首相の権限で商品販売などを最大6カ月禁止できる項目が盛り込まれた。だが、法案審議は民主党の難色でめどは立っていない。どの商品がどれだけ危険かという判断も容易でなく、ゼリー規制新法も、「なぜゼリーだけかと野党に突っ込まれても答えようがない」(政府関係者)のが現状だ。
URL:http://news.nifty.com/cs/headline/detail/sankei-m20081011034/1.htm
こんにゃくゼリーメーカーに激励の声殺到 ネットでは販売中止反対の署名活動 10月17日19時45分配信 J-CASTニュース
「こんにゃくゼリー」で高齢者や乳幼児の窒息死亡事故が相次いでいる問題で、最大手の製造メーカーは、大部分の製造を一時中止することになった。ところが、その直後から「こんにゃくゼリーだけが悪者になるのはおかしい」といった声が相次ぎ、ネットでも販売中止に反対する署名活動が行われ、メーカーにも「普通では考えられない数」の激励の声が寄せられているというのだ。
■ネットの反対署名1万1000を突破
1歳10ヶ月の男児が2008年7月、凍らせた一口タイプのこんにゃくゼリーを飲み込んで窒息、08年9月に死亡した事故を受けて、野田聖子消費者行政担当相が08年10月2日、こんにゃくゼリーメーカー最大手「マンナンライフ」の鶴田征男会長らを内閣府に呼び、再発防止策の提示などを求めた。その席で野田氏は「(従来の)小さな警告マークのみの商品は自主回収し、一から出直すことも考えては」などと促した。
一方のマンナンライフは、「行政の要望に対し、時間的に早急な対応が困難」などとして、事故があった「ミニカップタイプ」の製造を、10月8日から当面の間、中止することになった。
ところが、これと時期を同じくするように、「もちや米も窒息のリスクがある」という指摘も出て、「こんにゃくゼリーの『狙い撃ち』はおかしい」といった「こんにゃくゼリー擁護論」が広がりを見せているようなのだ。
例えば、J-CASTニュースが掲載した「『こんにゃくゼリー』法規制混迷 『もち』『米』も危険という声も」という記事にも、多くの「擁護コメント」が寄せられているほか、ネット上で署名活動を行うサイト「署名TV」では、10月3日から、こんにゃくゼリー販売中止への反対を呼びかける署名活動が始まっている。当初の目標が1000だったのに対して、10月17日午後には、1万1000を突破している。
署名には、
「時々しか食べませんが、無性に食べたくなる時があります。その時食べられないのは、辛い」
「今回は確実に消費者側に落ち度があったと思います」
などといったコメントが数多く添えられている。署名は11月3日まで受け付けており、相当な数の署名が集まるものとみられる。
■「98%は激励の声」
「擁護論」は、ネット上にとどまらない。マンナンライフの品質保証室によると、事故以降、電話・メール・葉書などで、同社を激励する声が相次いでいるのだという。同社では、
「具体的な数については控えさせていただきたいのですが、通常では考えられない数です。非常にびっくりしています。とても励まされています」
と話す。そうは言っても、事故で死者が出ているだけに、批判の数も相当数にのぼるのではと想像されるが、実際のところは「批判の声は全体の2%で、残り98%は激励の声」という、異例の事態を迎えている。
なお、今回の事故の原因となったこんにゃくゼリーは、同社が82年に発売。94年に「蒟蒻(こんにゃく)畑」のテレビCMで人気に火が付き、「こんにゃくゼリー」の名前が全国的に広まったが、製造方法は「こんにゃくの中にフルーツ果汁を混ぜる」というもので、元々の呼び名は「フルーツこんにゃく」。同社に取材する限りでは、「こんにゃくゼリー」は、「ゼリー」というよりも「こんにゃくそのもの」と言った方が正確だ。
同社では、生産の再開について、
「表示も、容器も、中身も検討し直す必要があって、生産再開については、なんとも申し上げられない状況です」
と話しており、見通しが立たない状況だ。
同社が本社を置く群馬県は、こんにゃくの原料である、こんにゃくいもの生産日本一で知られ、04年度の統計では全国の生産量の82.1%を占めている(日本こんにゃく協会調べ)。
URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081017-00000002-jct-soci
小6男児、給食のパンをのどに詰まらせ窒息死…千葉・船橋
千葉県船橋市立峰台小学校(末永啓二校長)で、6年生の男児が給食に出されたパンをのどに詰まらせて窒息死していたことが21日、わかった。
峰台小によると、男児は17日午後0時45分頃、三つの球を組み合わせた形をした直径約10センチのパンを一口ちぎって食べた後、残りを二つに割って両方を一気にほおばったところ、のどに詰まらせたという。担任教諭や友人が男児を促して教室向かいの手洗い場ではき出させたが、一部しか出てこなかった。
教室に戻ると、すぐに「苦しい」と訴え、廊下で横になって背中をさすってもらった。
学校側の通報で、午後1時頃救急車が到着。男児は同乗の医師の処置を受けた後、市内の医療機関に搬送されたが、同6時15分に死亡が確認された。市消防局によると、男児は気管にパンが詰まった状態で、救急隊到着時には心肺停止状態だった。パンは軟らかく、つぶせば一気に口に入ったという。
峰台小は全校児童に、一度に口へ詰め込まないように注意。末永校長は「軟らかいパンでこんなことが起き、ショックを受けている。学校の対応に問題はなかったと思う」と話している。
(2008年10月21日11時38分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081021-OYT1T00283.htm
2008年10月01日 00時26分00秒 「こんにゃく入りゼリー」よりものどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物ベスト10
「こんにゃくゼリー、また幼児死亡 対策取られず17人目」ということで「マンナンライフ」の「蒟蒻畑 マンゴー味」を凍らせたものを当時1歳9ヶ月だった幼児に与えたところ、死亡したとのこと。上記写真は搬送先の医師より提供された事故品の写真です。
主婦連合会事務局長である佐野真理子さんいわく「そもそも高齢者や子どもが食べてはいけないお菓子が流通していること自体おかしい」とのことですが、それならもっと窒息死の事例が多い危険な食べ物についても同様に検討すべきではないでしょうか。
というわけで、「こんにゃく入りゼリー」よりものどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物を調べてみました。ベスト10は以下から。
厚生労働省:食品による窒息事故に関する研究結果等について
この調査は2008年1月から3月にかけて行われたもので、2006年1月1日からの1年間、消防本部および救命救急センターを対象として事故事例を調べたもの。なお、国民生活センターのデータによると、この期間において「こんにゃく入りゼリー」で死亡した件数は「2件」です。なので、2件よりも多いものを列挙することにします。
まず、消防調査では全部で432例あり、中身を大別すると以下のようになります。
もち:77例
ご飯(おにぎり含む):61例
パン:47例
あめ:22例
すし(食品成分表で分類できないのでその他扱い):22例
おかゆ:11例
だんご:8例
流動食(食品成分表で分類できないのでその他扱い):8例
カップ入りゼリー:8例
ゼリー:4例
しらたき:4例
次に、救命救急センターでは全部で371例あり、中身を大別すると以下のようになります。
もち:91例
パン:43例
ご飯(おにぎり含む):28例
すし(食品成分表で分類できないのでその他扱い):19例
だんご:15例
流動食(食品成分表で分類できないのでその他扱い):13例
おかゆ:11例
あめ:6例
カップ入りゼリー:3例
この両方を足した結果、明らかになった「こんにゃく入りゼリー」よりものどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物ベスト10は以下の通り。意味がないような気もしますが、こんにゃく入りゼリーの2例と比較して何例かを計算し、何倍危険かも示してあります。
1位:もち(168例、「こんにゃく入りゼリー」の84倍危険)
2位:パン(90例、「こんにゃく入りゼリー」の45倍危険)
3位:ご飯(89例、「こんにゃく入りゼリー」の44.5倍危険)
4位:すし(41例、「こんにゃく入りゼリー」の20.5倍危険)
5位:あめ(28例、「こんにゃく入りゼリー」の14倍危険)
6位:だんご(23例、「こんにゃく入りゼリー」の11.5倍危険)
7位:おかゆ(22例、「こんにゃく入りゼリー」の11倍危険)
8位:流動食(21例、「こんにゃく入りゼリー」の10.5倍危険)
9位:カップ入りゼリー(11例、「こんにゃく入りゼリー」の5.5倍危険)
10位:ゼリー&しらたき(それぞれ4例、「こんにゃく入りゼリー」の2倍危険)
※こんにゃく入りゼリーの方が、ご飯などと比較して口にする割合が少ないので、「ご飯はこんにゃく入りゼリーよりもはるかに高い危険が食事のたびに付きまとっている」わけではないです。
で、堂々の1位となった「もち」ですが、窒息の原因を見てみると、もちは口にはいるときの温度は50度~60度でやわらかいのですが、体温に近い40度になると硬くなって付着性も増加するため、窒息の要因になると推察されていることがわかります。
「こんにゃく入りゼリー」の場合、冷やして食べる食べ方が窒息の一つの要因になると推察されています。
また、窒息死全体の年齢を見ると、65歳以上の老人と1歳~4歳の乳幼児が多かったとのことなので、それらの年齢の人についてはそもそも窒息しやすいという認識を高めていく必要性があるわけです。
主婦連合会事務局長である佐野真理子さんの「そもそも高齢者や子どもが食べてはいけないお菓子が流通していること自体おかしい」という発言はおそらくこういったデータをよく知らなかったがゆえに引き起こされたものです。
つまり、「65歳以上の老人と1歳~4歳の乳幼児にもち・パン・ご飯・すし・あめ・だんご・おかゆ・流動食・カップ入りゼリー・ゼリー・しらたきを食べさせると窒息死する可能性が高い」ということをより周知徹底することが先決であり、「マンナンライフ」に圧力をかけて「蒟蒻畑」を発売禁止にするのはお門違いです。「こんにゃく入りゼリー」を発売禁止にしても何も問題は解決しません。
なお、「こんにゃく入りゼリー」がことあるごとに叩かれて、「もち」などがあまり問題視されないのは、その食品が登場してからの歴史の違いにも原因があると考えられます。「正月に雑煮のもちをのどにつまらせて死亡」という黄金パターンのように、危険性がまだまだ周知されていないためであると推測されます。そのため、「こんにゃく入りゼリー」についてメーカーができることは、まさに地道な周知徹底作戦だけだと思われます。
2008/10/01 15:40追記
非常にわかりにくいのですが、参考にしたレポート中において明示されてはいないものの、文脈から考えて「カップ入りゼリー」というのが「こんにゃく入りゼリー」を示しているようです。また、件数についても死亡事故と傷病程度の事故などを合計して「窒息事故」として記載されているようです。
URL:http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081001_chissoku/
◆ とくダネ! こんにゃくゼリー「ダメ」なら 「自動車も売れなくなる」2008/10/21
<テレビウォッチ>「この論法だと車も売れなくなっちゃう」。最大手『マンナンライフ』が、主力製品の「こんにゃくゼリー」の製造中止を決めたことに関連して、小倉キャスターが異を立てた。
ダイエットにも便秘にも効くという人気商品「こんにゃくゼリー」。ツルッとノドを通り抜け食べ易いのだが、他社製品を含め1995年から現在までで、ノドに詰まらせ窒息死亡した例が17件に達している。
昨(2007)年3月、学童保育所で出された「こんにゃくゼリー」で窒息死した男児(7)の母親は「まさかこの商品で命を落とすとは誰も考えていないと思う。食べると死ぬかもしれない商品が売られていること自体が問題と思う」と。
しかも、兵庫県では先月、1歳9か月の男児がやはりのどに詰まらせ死亡している。
そこで、野田消費者行政担当相が最大手の『マンナンライフ』幹部を役所に呼び、製品の自主回収を要請。これを受けて同社は製造の中止を決めたのだが……
最近、インターネット上などで、製造再開を求める声が広がっているという。そこで、番組が19、20の両日、都内で子供を持つ成人男女100人にアンケート調査を行った。その結果……
「製造中止は当然か?」の問いに、「ハイ」と答えた34人に対し、「イイエ」が65人(非選択1人)もいた。「イイエ」と答えた人に多かった意見は「親がちゃんと子供を見ていないから」だった。
番組で「こんにゃくゼリー擁護論」が出てきたのはここから。
まず小倉が「餅がノドにつかえて亡くなる方がもっと多いはずですよ」と。で、リポーターが示したのが、厚労省がまとめた『窒息の原因となった食品』(2006年)。
それによると、もち169件、パン90件、米飯89件、あめ28件、団子23件、カプセルゼリー11件に順だった。
「こんにゃくゼリー」は、カプセルゼリーに含まれており最下位。むしろ、窒息するとは一般的に考えられていない米飯やパンが意外に多いのには驚く。
また番組よると、窒息死した17例のうちマンナンライフの製品は3例だけ。あとは他社の製品。8、9割のシェアを占めるマンナンライフが代表してスケープゴートにされた感じも。
小倉はさらに「消費者が気をつけて食べれば大丈夫のものを製造中止に追い込むことができるのかどうか。極論かもしれないが、この論法でいったら、車なんか売れなくなっちゃう」と。
これまで消費者行政は「消費者対業者」という対立軸で考えられてきたが、「どんどん締め付けをするのが利口なことなのだろうか」(小倉)という視点も大事。
文 モンブラン | 似顔絵 池田マコト
URL:http://www.j-cast.com/tv/2008/10/21028935.html
■こんにゃくゼリーで三途の川の向こう岸を垣間見た私が来ましたよ
http://anond.hatelabo.jp/20070523211227
いやあのね、ただのゼリーと違ってこんにゃくゼリーはやばいのよ。いま、「蒟蒻畑」がなんでハート形してるか、知ってる?あれ、まんがいち飲み込んで喉に詰まっても、気道が確保されやすいように、なんだわ。発売初期に事故が相次いで、1個のサイズも小さくなったし、形状も変わったといういういきさつがある。
それでもなお、こんにゃくゼリーはやばい。何故なら、こんにゃくゼリーは普通のゼラチン製ゼリーと違って、熱で溶けない。寒天のゼリーと違って、圧力で崩れない。歯で噛み切る以外、細かくできないのだ。こんにゃくゼリー以外のお菓子、なんでもいい、あめ玉だろうが、クッキーだろうが、ゼリービーンズだろうが、ポテチだろうが、大概のものは体温や水分でじきにどうにかなってくれる。しかしだ、こんにゃくゼリーはそうはいかない。喉にずっぽりはまったら、融けるよりも人間の衰弱のほうが速い。
私も遥か昔に酷い目にあった。ゼリーの丸飲みって、のどごしが気持ちいいじゃないか。ところてんだって、噛むのは邪道だぐらいの人までいる。その程度の気安さで、私はこんにゃくゼリーを飲み込んだ。それは、私の喉を通過できるサイズより少々大きかったため、ちょうど気管と食道の分岐点となっているところにぴったり収まった。普通ならここで咳(気管の場合)か嘔吐反応(食道の場合)をカラダが勝手に起こして詰まったものを強制排出しようとするはずなのだが、こんにゃくだったので喉が拒絶反応を起こさない。幸か不幸か気道はかろうじて確保されていたが、喉の圧迫感は半端ではなく、苦しいことこの上ない。結局どうにかこうにかして吐き出すことに成功したが、どうやって出てきたのかなんて覚えていないし、時間にして数分はかかったのだろうか。もし呼吸が阻害されていたらマジやばかった。家にひといなかったし。いても声出せなかったし。
たぶん10年以上前の話なんだけど、喉がまだ感触をはっきり覚えてる。
そんなわけで、子供のいる増田は厳重注意だから。
因みに餅に関しては、役所にしろ医療機関にしろ、シーズンになるとこぞって耳タコの警告を出してるわけで、それでも毎度毎度「詰まらす」人が出てくる。これなんで他の食品でなく餅ばっかりアレなのかっていうと、餅は粘りけがあり喉に付着するから。喉に異物が触れるとカラダはこれを排出しようとしてむせるわけなんだけど、餅はくっついているのでむせたぐらいでは排出できない。依然として喉に異物があるからむせ続ける。これは不随意の反射なんで止めたくても止められない。でもって呼気ばっかになって吸気ができなくて窒息サヨウナラとなるわけ。気道を完全に塞がないくらいの少量だとしても危険なことに変わりはないのね。特に老人は唾液量や喉の粘液分泌量が減少し、餅がくっつきやすくなっているので子供より危険。対策としては喉をじゅうぶんに湿らすこと、ゆっくりよく噛んで食べること、など。たぶん事故発生件数では餅のほうがこんにゃくゼリーより多いだろうね。
追記
蒟蒻ゼリーについては、今回は風評被害の被害者であるだろう「マンナンライフ」の主張によれば、食べようとするときどうしても吸い込もうとしてしまうのが危険らしい。下手な人だと勢い余って口の奥に入ってしまい、びっくりして(不随意的な反射)飲み込んでしまうようだ。マンナンライフではこの点も考慮して商品の形状をデザインしている(ので当社製品は安全ですよ)、と主張しているもよう。
URL:http://anond.hatelabo.jp/20070524003509
この記事へのコメント
日比野
私はこんにゃくだろうがゼリーだろうが、細かく噛んで食べてしまうので、あまり危険は感じないのですが、(そのまま飲み込んだりするのは蕎麦くらいですかね)ご指摘のように、警告表示が殆ど意味を為さないのであれば、買った人がどこまでその危険性を認識しているか、に掛かってくることになりますね。(野田大臣の言い分そのままですが。)
すると売る側として取れる対策としては、どうやって食べてみたところで窒息しない形状や大きさにするか、名前でそうと分からせるくらいしかないでしょう。もちろん警告表示の改善もありますが。
確かにゼリーだと誤解してもおかしくないですね。かといって「こんにゃくモチ」にしてしまうと何がなんだかわかりません。
kimi
新たに業界団体が警告表示の図案を発表していますが、かなり改善されています。しかし、ゼリーという表現があると誤解しますね。
どんなにネットで署名してもこれは科学的に分析すればメーカーの表示の欠陥です。
みき