中国が自国文化保護の姿勢を見せている。なんでも中国の伝統行事であった『端午節』を、2005年に韓国に「江陵端午祭」として一足早くユネスコの無形文化遺産に登録されたことが教訓となっているらしい。
申請するものといえば「烏龍茶」製造技術だとか、中華料理だそうだ。
無形文化遺産は、2003年の第32回ユネスコ総会で採択された「無形文化遺産保護条約」に基づいて作成される予定の無形文化遺産の重要性についての意識を向上させるため、設置されたもの。
芸能、伝承、社会的慣習、儀式、祭礼、伝統工芸技術、文化空間などのように対象有形の文化遺産の枠組みでは保護しにくいものが対象となっている。
特許のように権利保護があるわけじゃなくて、あくまでも無形文化遺産の重要性についての意識を向上させるためのもの。だから、逆説的であるけれど、他国の「横取り」によって、文化遺産の重要性に気づいたのだとも言えなくもない。とはいえ、いきなり矢継ぎばやに申請をするところをみると、相当程度自分の「面子」を潰されたと思ったところが動機になっているのではないか。
ちなみにこれまで無形文化遺産の基準を満たすものとして宣言されている中国の伝統芸能などは以下のとおり
2001 昆劇
2003 「古琴」(七弦琴)演奏技
2005 新疆ウイグル自治区のウイグル族の大曲(ムカム)芸術
2005 オルティンドー―モンゴル人の伝統的な「長い歌」
日本は下記のとおり
2001 能楽
2003 人形浄瑠璃文楽
2005 歌舞伎
近年設置されたものだけに数としては多くないのだけれど、「烏龍茶」製造技術や中華料理が申請できるのであれば、茶道や日本料理なんかも申請できることになる。
偽物・パクリが流行る国でこうした動きが出てきたこと自体は悪いことじゃない。
だけど、ようやくにして他人や他国の著作権や発明者を尊重するという意識に目覚めたのだという見方もあれば、ただ面子に拘って反応しているだけだ、という見方もできるだろう。
真実はどちらにあるかは分からないけれど、パクリをパクリだと言って、それを良くないことだとする意識が広がることを望みたい。

この記事へのコメント