金融恐慌を目の前にして、世論の風向きも変わってきた。10月10日から12日にかけての読売新聞の世論調査では、今は衆院選より景気対策を優先するのがよいとの回答が7割を占めた。
さすがに、日経平均の9000円割れを目の当たりにすると、世界恐慌への不安を身近に感じるのだろう。当然といえば当然。
以前のエントリー「対立、連立、そして再編(麻生政権の国会戦略 最終回)」で総選挙に向けての与党戦略を検討してみたけれど、政権交代ができるかどうかは、ひとえにそれまでに与党の支持率が伸びるかどうかが最大のポイント。
目下、麻生政権は、世界的金融恐慌への対策と国内景気対策への手立てをしている。
1兆8千億円規模の、08年度補正予算も国会で審議されて、近く成立する見通し。
また、G7で提案した外貨準備金の活用と国内持ち株規制の緩和など、政府の財布の紐をゆるめない対策も面白い。
外貨準備金は名義こそ日本政府だけれど、財布自身は手元にないし、持ち株規制の緩和は民間同士で支えてくれということ。
あの手この手で対策をしているということは、国民には否が応でも伝わる。
それに引き換え、民主党は、補正予算案の賛否について小沢党首に一任した。麻生総理は政策討論をしようと言っているのに、口を開けば解散総選挙だ、政権交代だ、と叫ぶだけの印象が強い。
あまつさえ、先日の鳩山幹事長の「政権交代こそ最大の景気対策」発言に至っては呆れる他ない。折角民主党としての「金融危機対応策」を出しているのに、この発言でぶち壊している。
これでは、民主党に政権を渡して良いものかという不安をかきたてるだけ。
経済対策も世界恐慌も始まったばかり、1~2ヵ月でどうなるものでもない。どうやら解散総選挙は来年9月の任期一杯までない可能性が濃くなったと思う。

この記事へのコメント