いよいよ、金融恐慌の足音が近づいてきた。
麻生総理は、アメリカに公的資金投入を促すために、G7で日本がバブル崩壊後に不良債権を処理した経験を説明するよう、中川財務・金融相と白川日銀総裁に指示をだした。
各国通貨が軒並み下落している。無事なのは円とドルだけ。そのドルもいつ崩れるのか分からない。日本以外全部沈没と揶揄されるくらいの事態。
そんな状況で、10月10日にワシントンでG7が行われる。そこで世界中から金を出せとたかられるのは火を見るより明らか。
中川財務・金融相は、テレビ番組出演後に、金融危機への日本からの貢献について「現時点で、米国は米国、欧州は欧州で、まずは自国の問題としてやれることはやってもらいたい。自分のところでやらないうちに奉加帳のようなものをまわされても困る」と述べているから、きっぱりと断る腹積もりなのだろう。
無論、そんなのに素直に引き下がる世界ではないだろうから、時には恫喝めいたやりとりになることだって十分考えられる。
だけど、おそらく麻生総理は、それも見越した上で、G7と同期する形で解散総選挙を匂わせるのではないかと思う。無茶を言うなら、解散して政治空白を作るぞ、と。
今のような金融恐慌寸前のときに、日本にひと月もの政治空白を作られるのは痛い。ともすれば、日本に対して、工作活動を仕掛けてでも金を出させようとするかもしれない。
たとえば日本のマスコミを裏から操って、世界金融危機から救うために、日本は資金援助すべきだキャンペーンを張らせるなんてのも十分あり得る話。
近頃は新聞・テレビへの広告料が減少傾向にあるから、たとえ工作だとわかっていたとしても、スポンサーの言いなりになってしまうかもしれない。
この「日本は資金援助すべきだ」キャンペーンは、当然、政治的空白があっては実行されないから、これまでさんざん煽ってきた「解散総選挙だ」キャンペーンと真っ向から対立してしまう。
もしG7後に、マスコミが「日本は資金援助すべきだ」キャンペーンをやって、解散総選挙の話をぴたりとしなくなったとしたら、裏で何かあったのか、と勘繰ってもおかしくない。
もしかしたら、麻生総理はここまで読んだ上で、マスコミの解散総選挙キャンペーンを放置して、外圧をかわす駒として逆利用しているのかもしれない。
たとえ、「解散総選挙」キャンペーンを止めて、「日本は資金援助すべきだ」キャンペーンに変わったとしても、そうか、ならば解散はうんと先送りして、国内の景気対策を優先しよう、なんて何食わぬ顔で言うのだろう。
どっちに転んでも、すでにマスコミは麻生総理に掌の上で躍らされている。
国内・世界を相手にした、壮大な舞台が幕を開けようとしている。

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日比野
「解散より経済」を力説=麻生首相
麻生太郎首相は25日昼、都内のホテルで、自民党総裁選で首相を支持した中堅議員による「麻生勝手連」の会合に出席した。首相は、10月下旬に北京で開かれたアジア欧州会議(ASEM)首脳会合の際に各国首脳から衆院解散回避を求められ先送りを最終決断したことを説明。「経済がこれだけ急速に落ち込むのは想像以上だった。対応が重要だ」と力説した。
会合には勝手連会長の浜田靖一防衛相ら27人が出席。「堂々と、笑顔を絶やさず麻生カラーを出してほしい」などと激励の声ばかりだったという。(了)(2008/12/25-15:47)