金融恐慌の強風が少し弱くなって落ち着いてきたようにみえる。だけど、これからの生活は大変になる。サブプライム問題が明らかになる以前から、アメリカでは浪費から倹約へのシフトが始まっていたようだ。もちろんサブプライムローンが払えなくなってきていたからのこと。
当然といえば当然のことだけれど、これまで世界中から物を買いまくっていたアメリカが消費スタイルを身の丈に合ったものに変えると、一気に消費不況が訪れる。それも世界的に。
それでも人は生きるために必要なものは求めるし、買う。食に、住処に、衣服。余計なものは買わなくなってゆく。
日本でも若者に車が売れないといって、自動車メーカーがモーターショーで車の魅力を、と叫んでみても、本当に彼らにとって車が必要なものなのかどうかの見極めが大切。
都心に暮す若者と、過疎化した地方で暮す若者とで、車の必要度は違う。当然求められる車種も異なってくるだろう。
贅肉をそぎ落とし、本当に必要なものだけが残ってゆくことになる。雑多に転がっていたものが篩に掛けられてゆく時代。
消費者の目も厳しくなるし、製品の確かさ、良さ、必要さをどれだけ織り込めるかが大切になってゆく。良いものと悪いものの二極化がますます進んでゆくだろう。
中には偽物や偽装が出回るかもしれない。だけど、長い時間をかけてそれらは淘汰されていく。汚染米やサブプライムローンみたいに、大多数の普通の品に粗悪な品を混ぜて福袋式に売るような商売は出来なくなってくる。普通品と粗悪品がはっきり分かれていれば、粗悪品だけ返品されるか捨てられるからまだマシなのだけど、サブプライムみたいにどれが粗悪品が分からない場合は、福袋全部が悪者になって見向きされなくなる。畢竟そういう品はなくなってゆく。
本当に必要なものが明らかになる時代。もし不況で良いことがあるとすると、こんなものかもしれない。

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