世論を惹起する目的(マスコミの役目と責任について その3)


メディアが国民意思の代弁をするときの条件を見てきたけれど、今度はメディアによって世論を惹起する場合を考えてみたい。

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メディアによって世論を惹起される場合とは、当然必要があって今現在または未来に渡って世論を形成しないといけない時であって、既に過去において何がしかの世論が形成されているものをもう一度見直さないといけない場合か、世論そのものがまだ形成されていない物事に対して行われる。

たとえば今なら、前者は、自由市場原理主義やグローバル経済の是非かもしれないし、後者であれば、食糧自給や安全または、エコロジー関連などが挙げられる。

どちらの場合もメディアの責任は重い。一旦良しをされていたものをもう一度考え直したり、ゼロの状態から良し悪しを決めていかなければならないから。そのためには良し悪しを判断できるだけの正しい情報を広く提供する必要がある。間違った情報からは間違った結論が導き出されてしまう。当たり前のこと。

それ以前にもっと考えておくべきことがある。なぜ今その世論を惹起する必要があるのか、という目的の部分がそれ。

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どんな事物であれ、何がしかの世論を惹起して、形成するということは、そちらの方向に社会を進めていくための合意形成をすることでもある。民主国家の必然。

未来にむけて舵を切るという意味においては、世論は民主国家では絶大な威力を発揮する。直接投票行為に結びつくから。

だから民主国家において、政治と世論の関係には、世論に基づいて政策に反映する場合と、世論を形成してその政策の是非を問うという両面がある。これはそのまま、今の社会を隅々まで見渡して、どうしていくか考えるという空間軸を主とした政治と、未来を見据えて国家をどう運営していくかといった時間軸を主とした政治に対応している。

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本シリーズエントリー記事一覧
マスコミの役目と責任について その1 「ニュースの意味付け」
マスコミの役目と責任について その2 「国民世論の代弁」
マスコミの役目と責任について その3 「世論を惹起する目的」
マスコミの役目と責任について 最終回 「今の評判と未来の理想」