10月27日昼のぶら下がり取材での麻生総理の取材記者への「マイナスの話ばかりしたがるのはオタクの習性かもしれませんが・・・」発言をきっかけに、マスコミ報道について考えてみたい。全4回シリーズでエントリーする。
報道の定義をWEB辞書で引くとこうなっている。
ほうどう ―だう 0 【報道】
(名)スル
(1)新聞・ラジオ・テレビなどで広く一般に知らせること。また、その知らせ。ニュース。
「新聞―」
(2)告げ知らせること。また、その知らせ。報知。
「猶も委しく聞き繕ひ―せんと其儘其処に佇立し耳を欹(そばだて)て聞くに/八十日間世界一周(忠之助)」
要は、起こっている事実を広く知らせることが、その定義。だけど、事実を知らせるだけでは見ているほうもツマラナイし視聴率も取れないから、なんらかの味付けが成されている。その事実が何を意味するか、その良し悪しをも一緒に知らせる場合が殆ど。事実とその意味付け(判断)の組み合わせで成り立っている。
そこで、報道のパタンを事実をどう扱うかと、その意味付けをどうするかという組み合わせで考えると以下のように分類できる。
○事実の扱い
A)事実を報道する
B)事実を歪曲又は印象操作して報道する
C)事実があるのに報道しない
D)事実がないのに捏造して報道する
○ニュースの意味づけ
1)対象を叩いて非難する
2)対象を賞賛して持ち上げる
3)意味づけできなくて、視聴者に判断を丸投げする
それぞれの組み合わせでニュースが成り立っているけれど、その特性を考えてみると以下のようになる。
対象を叩く場合は、A+1、B+1、D+1の3通りが考えられる。だけど、一番やりやすいのはA+1の組み合わせ。事実を基に叩くのだから余計なことは必要ない。
さらにそれよりもインパクトが大きくなるのがB+1の組み合わせ。事実を捻じ曲げあるいは過大に強調して視聴者に刷り込みたいときに使う手。
一番難しいのがD+1の組み合わせ。事実がないのに捏造しないといけないから、大概は本当かどうか調べにくいもの、たとえば海外記事なんかで、意図的に誤訳してみるとか、一部の文章と翻訳せずに飛ばしてみるとか。あとはよくある都合の良いところだけを摘み出して記事にするとか。見せ方を工夫して印象操作してしまうとか。
次に持ち上げる場合だけど、これも、A+2、B+2、D+2の3通りがある。やはり叩く場合と同じくA+1の組み合わせが一番やり易く、B+2、D+2になるに従って大変になってくる。ただ、持ち上げる場合の記事は対象にとって都合の悪いことは報道しにくい。だから、これら3通りの組み合わせそれぞれにCの要素が含まれることもある。
最後に視聴者に判断を丸投げする場合だけど、数としてはそれほど多くない。それぞれ対立する様々な意見を持つコメンテーターを一同に集めて、討論させて、結論はやっぱりなんだか分からない、という番組になる。ナントカ討論だとか、ナントカまで生テレビとかがそれ。

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