次世代車の息吹(未来の車社会について考える その2)

 
『西那須野駅方面に右折し、20時30分頃に駅前のホテルに到着してすぐ、リポーター・ボクは石井さんのところに行って、「電池、どうなってんの?」と聞いていた。
すると石井さん、スイッチをオンにしてメーターを点灯させ、「大丈夫だよ」とひとこと。
見ると、満充電で80(km)走行可能という目盛りに対し、ハリが30を指している。要するに、まだ3分の1程度は残っているということだ。もちろん走り方にもよるだろうが、ここまで走るとは驚いた。』

洞爺湖キャラバンDailyレポート」より

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市民団体「日本EVクラブ」は、CO2削減EV洞爺湖キャラバンと題して、2008年6月に電気自動車で、東京から札幌市の北海道庁までの858.7kmを7日で走破した。

使われた電気自動車は、富士重工業「スバルR1e」と三菱自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」の2台。

驚くことに、東京から北海道まで行って、かかった電気代はたったの1713円。これがガソリン車だと、12956円になるというからその安さが分かろうというもの。

キャラバンに参加した2台は、途中東京電力さいたま支社で急速充電を行ったけれど、スバルR1eは約5分、三菱iMiEVは約15分の充電で8割くらいまで電気が復活するとレポートされている。ガソリン補給なんかと比べても全然見劣りしない。また、キャラバン中、立ち寄った岩手のコンビニ(ローソン紫波高水寺店)で、普通にコンセントから補充電もした。

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昔、道路に電線を張って、そこから電気をもらいながら走るトロリーバスというのがあったけれど、電線がないところでは走れないという欠点があって、次第にガソリン車におされて廃れてしまっていた。

ところが最近のバッテリー技術向上のお陰で、バッテリー走行でも以前と比較して長距離を走れるようになった。それで、少しづつトロリーバスが復活してきているそうだ。

洞爺湖キャラバンで見せつけた電気自動車の性能を考えれば、トロリーバスが復活したと言ってもなんら驚くに当たらない。

それにしても、近年の車の技術革新には目覚しいものがある。次世代型電気自動車、燃料電池車、インホイールモーターなど続々と新技術が開発されている。

特にインホイールモーターは、車のホイール部分に走る為のモーターを内蔵するから、トランスミッションやドライブシャフトなどの複雑なメカニズムが要らなくなる上に、各駆動輪の駆動力や制動力をきめ細かく独立制御できるようになる。

更には、駆動部分がホイール内に収まるので、設計自由度が上がって、ハイブリッド車や燃料電池車のバッテリや燃料電池、水素タンクの搭載スペースを容易に確保できるという。

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また、車の制御についても、新技術が開発されている。今では、車を無人で走らせることも可能になっていて、既に実用化されている。新型シーマの上級グレードにオプション設定された、レーンキープサポートシステムがそれ。

これは、車のフロントにレーダーを装備して絶えず前方を監視して、前の車への衝突を防ぎ、ルームミラー上部にあるCCDカメラで、周囲の白線や車線を判別してハンドルを自動操縦するという技術。

純粋に性能だけでいえば、手放し運転すら出来るものなのだけど、道路交通法で手放し運転が認められていないので、あまり表だって宣伝できないシロモノらしい。実に勿体無い。


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画像インフラ整備と電池性能向上で電気自動車が主役になる 取材・文・写真/岸上祐子 2008年9月25日(木)公開

◆EV支えるバッテリーの進化 

2008年6月、東京から札幌市の北海道庁までの858.7kmを、富士重工業「スバルR1e」と三菱自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」の2種類の電気自動車(EV)が走破した。このキャンペーンを実施したのは市民団体「日本EVクラブ」。このときのR1eの燃料費(電気代)は、たったの1713円だった。もちろん、燃料費を節約できただけではない。二酸化炭素(CO2)排出量も大幅に少なく、R1eのベースとなった軽自動車「R1」で走行した場合の排出量が1台あたり174.74kgだったのに比べ、EVは5分の1の35.12kgですんだ。

 走行時に石油系燃料を使用しない、“クリーン”な乗り物として大きな期待が寄せられるEV。2009年には三菱自動車と富士重工が、さらに2010年度以降になるが、日産自動車やトヨタ自動車が市場投入する方針を発表している。しかし、その普及を進めるうえで大きなカギを握っているのが電池と充電インフラだ。

 EVは「航続距離が短い」「販売価格が高い」「搭載しているバッテリーが大きいために車内スペースが十分に取れない」などの理由で、これまで普及しなかった。有限責任中間法人電動車両普及センターによると、15年以上の販売実績がありながら、保有数は、2007年末で約9400台にとどまっている。その最大の理由は、搭載するバッテリーの能力不足。しかし、ここに来て、電池の性能向上が急速に進み、いよいよ自動車メーカー各社が本格的な販売を決断したのだ。「EV充電ネットワーク」の構築に動く神奈川県では、EV対応住宅が年内に発売されるなど、周辺の関心も高まっている。

 EV用電池の開発については、これまで「3つの波」があった。1970年代のオイルショックの頃に登場したEVに使用されたのは、自動車のバッテリーとして実績があった鉛電池。しかし、価格は安いが、自動車の駆動に使用するにはエネルギー密度(重量あたりのエネルギー量)が低く、蓄えられる電気の量が乏しかった。その後、1990年代に現れたニッケル水素電池は、電極に鉛などの有害物質を使わないうえ、鉛電池の2倍以上と高いエネルギー密度が得られることから、現在のハイブリッド車やEVなどに搭載されるようになった。

 一方、ニッケル水素電池にわずかに遅れて登場したのが、第3の波であるリチウムイオン電池だ。電極には主にカーボン(負極)とリチウム化合物(正極)が用いられ、これまでの電池に比べるとエネルギー密度が飛躍的に高まり、鉛電池の3倍近くになった。この結果、搭載するバッテリーが大幅に軽量・小型化され、EVの車内空間を十分に確保できるようになり、車輌重量もかなり軽減された。三菱自動車は、電池パックの重量が車重の20%以内になることを「実用」の判断基準としているが、2009年に発売するi MiEVでは、ベースになったガソリン車の「i(アイ)」に比べると車体重量は200kgほど重いが、電池パックが占める重量は20%以下に抑えることができたという。

URL:http://premium.nikkeibp.co.jp/em/report/112/index.shtml



画像トロリーバス(Wikipediaより抜粋)

◆世界のトロリーバス技術の最新動向
世界的なLRTブームに連動して、より安価なトロリーバスにも注目が集まり、近年技術開発が進んでいる。まず、バス・LRTとともに低床化が進んでおり、インホイールモータを用いたフルフラットなノンステップ車が出現している(IrisbusのCristarisなど)。

また、景観上の問題その他で架線の張れない区間がある場合はデュアルモード車を利用する必要がある。バッテリー技術が向上したため、バッテリー走行でも以前と比較して長距離を走れるようになった(ローマのトロリーバスは、終端のテルミニ駅付近往復3km架線が張られておらず、バッテリー走行を行う)。また、ニュージーランドやボストンで例があるように、ディーゼル発電機を搭載してハイブリッド仕様にすることも可能で、主にフランスで使われているIrisbus製のCristarisは、ディーゼル発電機を搭載したデュアルモード車である。一時期、イタリアで磁力ピックアップ方式による路面給電式のトロリーバスが試験運転されていたが、こちらは成績が芳しくなく、本格採用には至っていない。

もう一つの技術革新は、ハンドル操作が不要のガイドウェイ技術の導入である。ドイツで一時期運行されていたローラー式に代わって、近年は非接触のガイドウェイ式トロリーバスが試作されている。代表的なものは、光学式と磁力式である。光学式は地面にペイントされた白線をカメラで読み取って操舵するものである。磁力式は地面に埋め込んだ磁石を頼りに操舵するものである。前者はIrisbusのCIVISなど、後者はオランダのPhileasで採用されている。CIVIS・Phileasともに電気駆動のハイブリッドバスとして設計されており、トロリー集電の他、電気式ディーゼルバスとして走行することも可能である。なお、CIVISは当初は非接触式ガイドのトロリーバスとして開発されたが、実際は電気式ディーゼルバス仕様でしか採用されていない(ルーアン、ラスベガス)。フランスのナンシーのLRTはゴムタイヤトラムであり、一部区間は線路が無くトロリーバスとして走っている(ただし、LRTモードとトロリーバスモードの切り替えトラブルが頻発している)。

トロリーバスは、大気汚染・地球温暖化対策に有効なハイブリッドバスの普及によって活躍の場が狭められる一方で、近年はデュアルモードのトロリーバス技術が発達している。ハイブリッドバスの技術開発はトロリーバスにも相当な恩恵を与えており、近年ではトロリーバスとデュアルモードバスがお互いに刺激しあって技術発展が進んでいると言えよう。

URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%B9



画像モーター重量を約60%軽減した電気自動車向けインホイールモーター駆動システム
 
 ブリヂストンとKYB、曙ブレーキ工業の三社は、14インチ以上のホイールに組み込める電気自動車向け、インホイールモーター駆動システム「ブリヂストン・ダイナミックダンパータイプ・インホイール・モーターシステム バージョンIII」を共同で開発した。従来システムに比べ小型化、軽量化を図り、より小さなホイールにも組み込める。さらにばね下重量の軽減にもつながる。

 インホイールモーターは、電気自動車の駆動方式の一つで、ホイールに取り付けたモーターで車輪を回すもの。インホイールモーター方式の採用により、運動性能が高まる以外に、車体設計自由度を上げ、車内の居住スペースを拡大するというメリットも得られる。ただし、ばね下重量が増え、乗り心地を悪化させたり、タイヤ接地性低下による走行安定性の悪化など、デメリットもある。

 今回開発したインホイールモーター駆動システムは、2003年9月に発表した「バージョンI」、2004年9月に発表した「バージョンII」をベースに、小さなサイズのホイール向けに同技術改良したもの。モーターをアウターローター方式から、インナーローター方式に変更し、その他部品にも改良を加え、小型化および軽量化を実現している。

 その結果、適用可能なホイールサイズは、バージョンIでは19インチ、バージョンIIは18インチ以上であったのに対し、バージョンIIIは14インチ以上とした。また、モーター単体重量を従来の約60%に軽減することができた。

URL:http://www.designnewsjapan.com/news/200602/07auto_bridgestone060206.html



画像ここまで来た!自動操縦装置 新型シーマの秘密兵器!

この新型シーマの上級グレードにオプション設定された、レーンキープサポートシステムは、性能的に評価すれば手放し運転が出来るのだから凄い!ただ道路交通法で手放し運転を認めていないため、宣伝などで積極的に紹介することも出来ないのだろう。あまり意識していないかもしれないけれど、車両運送法と道路交通法は全く違う法律。車両運送法では100km上出るクルマは問題ないのだけれど、道路交通法では禁止されている。それと同じこと。物理的に可能だけれどやってはいけないことなのだ。ちなみに私は爪の先でハンドルに触れていました。

もう少し具体的な説明をしたい。フロントグリルの中には「ミリ波レーダー」と呼ばれる、けっこう本格的なレーダーが埋め込まれている。このレーダー、軍事技術を使ったもので極めて高性能。1秒間に200回も前方をサーチしているそうな。これで前方のチェックを絶えず行う。オートクルーズモードにすればレーダーが作動。先行車がいなければ、設定された速度で巡航し、自車より遅い速度で走る先行車に追いつくと、自動的に一定の車間距離をキープする。もし先行車がブレーキを掛ければ、1秒間に200回も車間距離の計測を行っているため、瞬時にこちらも自動でブレーキが掛かるから、たいしたもの。追突する危険性はほぼ無い。

車線を見ているのはルームミラー上部に設置されたCCDカメラである。人間の目と同じように白線を判別。自車の位置を常時測定して、その情報をコンピューターに流す。右や左に寄ると、コンピュータは「元に戻れ」という信号をハンドル部分に装着されたモーターに送り、車線をキープするというシステム。つまりカメラで車線を見て、レーダー使って前を監視しているのだ。日産の技術者によれば「キツいカーブや低速度でも自動運転することは出来るけれど、運輸省の認可が降りず断念しました」という。現在のシステムだと、急なカーブや強い横風を受けると自動運転は解除されてしまう。また、セット出来る速度は65~100kmの範囲。

相当骨抜きにされてしまったものの、やっぱり効能は素晴らしい!ハンドルから力を抜いても、自動的に車線中央を走ってくれる。万一ウトウトしてしまったって、車線を外れそうになれば「ピーピー」と警告音を出して教えてくれ、さらに追突しそうになると自動的にブレーキまで掛けてくれるから安全だと思う。私は学生時代、馬に乗っていた。馬は自分で穴ボコを避け、狭い道も歩いてくれるのだ。だから非常に安全。自動操縦のシーマのハンドルを握りつつ「これは馬に乗っているみたいだな」と感じた。もし御予算に余裕あれば、ぜひともレーンキープサポートシステムを試して欲しい。21世紀になったことが実感出来ます!

URL:http://allabout.co.jp/auto/japanesecar/closeup/CU20010212/