文章の格調について考えてみたい。全14回シリーズでエントリーする。
最近流行りの言葉で「Web2.0」というものがある。これは、2004年にティム・オライリーらによって提唱された、ウェブの新しい利用法を総称するマーケティング用語のこと。
始めてこの概念が提唱されたとき、その定義が明確でなかったこともあって、その後このWeb2.0という言葉は色々な人がいろいろな解釈で使用するようになってしまった。今では意味のはっきりしない「一人歩き」してしまった単語(バズワード)として扱われることも多い。
今では、おおよそ、ネットの世界での双方向のやり取りが活発化してきた現状を踏まえ、情報の送り手と受け手が流動化し、誰でもがウェブを通して情報を発信できるように変化したということを示す言葉として使われることが多い。
誰でも情報の送り手であり、受け手でもある双方向化が進んでくるとそれに従って社会構造も変化していくのではないか、という疑問はあって当然。
ソフィアバンク代表の田坂広志氏は、Web2.0革命によって衆知創発と主客融合、感性共有という3つの革命が始まると述べている。
「衆知創発革命」とは、「衆知」が集まることで「新たな智恵」が生まれる革命。誰でも簡単に、人々の智恵を集め、世の中に存在しない新たな智恵の創発を促すことができるようになること。
「主客融合革命」とは、情報を発信するだけでなく、企業やメディアに働きかけ、一緒に新たな商品やサービス、コンテンツを生み出すことが可能になり、企業と顧客という「主」と「客」が一体化してゆくということ。
そして「感性共有革命」とは、動画共有サイト「YouTube」などによって、音声や映像など言葉で表し切れない所作や智恵、言葉を超えた感動や感情も共有できるようになることで、一部の人々が独占していた知識や智恵を共有・共感して、「権力の移行」が起こるということ。
確かに、衆知が集まり、生産者と消費者の距離も無くなり、文字だけでなく音声・映像といった、より感情や感覚に訴える情報が広く一般に共有されることによって、情報の独占がなくなって、誰でも同じ土俵に立てるようになるから、従来の間接民主主義的な権力構造から直接民主主義的な構造への革命が起こるというのは納得できる。

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