麻生叩きの応報
景気対策が進まない。もちろん何でも反対の人達がいるお陰。
先日、内閣府が発表した10-12月期の実質GDPは、前期比マイナス3.3%、年率マイナス12.7%で、戦後2番目の下げ幅を記録した。
勿論、10-12月期の結果から年率換算した予想値だから、今のペースで不況が深刻化していくという前提での話なのだけれど、それにしてもマイナス12.7%というのは尋常ではない数字。インパクト十分。
2008年11月1日のエントリー「小沢不況」で、予測したとおりの現象が起きてきている。
民主党は解散しろとしか言わず、自民党は審議に応じない民主党を攻撃してる。
ここにきてようやくメディアの一部も自分達が火遊びをしていたことに気づいたようだ。
日経新聞はねじれ国会に業を煮やし、独裁政治が羨ましいなどどいう始末。
これまで民主党を散々持ち上げてきた手前、面と向かって民主党を叩くことができないものだから、こうした訳の分からないことを言うしかなくなる。
メディアは中川財務相のG7での会見を殊更に騒ぎ立てて、辞任にまで追い込んだ。叩いて潰して、してやったりと喜んでいるかもしれないけれど、これで予算審議はさらに遅れることは確実。
経済対策が遅れれば遅れるほど、企業の業績は悪化して、メディア各社の広告収入は益々落ち込み、どんどん赤字が累積してゆくのが分からないのだろうか。
自分で自分の首を絞めるのは構わないのだけれど、国民を巻き込むのは止めていただきたい。
細田幹事長記者会見(役員会後) 平成21年2月16日(月)於:院内平河クラブ会見場
細田博之幹事長発言
「平成20年10~12月実質GDP成長率前期比年率換算12.7%減という数字を受けて、75兆円規模に上る1次・2次補正予算、来年度予算を早期に実行する必要がある。そのためには、早期に関連法案等も含めて成立させる必要がある。そのために政府与党一糸乱れぬことなく全力で取り組んでいくべきである」
政府が景気に対して何らかの大きな貢献をすることがあるとすれば、これは税制であり、予算である。そういう具体的政策なので、そこには雇用も中小企業対策、地方対策など様々な事業が含まれている。これをやらずして、ただ巨視傍観しているような今日の野党の状況、委員会の状況では、「景気、景気」とお経を唱えているだけで、全く何の意味もない。早く通して実施するしかない。
それを前倒ししてさらにどんどん予算を使い切って、かつ必要があれば、そのときに考えれば良い話であって、準備が必要だが、まず目先にある決まった確定した予算すら通らないような、かつ実行できないような状況は、だらしない状況であると思う。それは、国会自身の審議がだらしないのであって、野党は1日も早く通すべきである。アメリカの議会においては、景気対策は、野党は全員反対であるけれども、速やかに通した。反対だけれども通して、今回については、さらに実績が出てくる訳だから、足らざるところは補っていけば良いということである。
質疑応答:
Q.本日の役員会で、中川財務大臣のG7の記者会見での受け答えがちぐはぐだった件についての意見はありましたか。
A.多少話は出ましたけれども、これは睡眠不足、時差、あるいは腰痛の薬、風邪薬などそういったもの複合的効果であるという説明はありました。
《中略》
Q.来年度の補正予算について、麻生総理から何かお話はありましたか。
A.特にありません。早期実施、前倒し実施というのがとりあえず必要なことで、これをやらずして、次の段階を考えるというのは手順前後です。膨大なお金の予算を用意している訳ですから。
Q.テレビ朝日の世論調査で、自民党中心の内閣が良いかと民主党中心の内閣が良いかという質問で、自民党が民主党に対しダブルスコアの差がつきましたが、幹事長の受け止めをお聞かせください。
A.それはよく分かりませんけれども、今、景気対策の予算を実行しているのは自民公明の連立内閣であり、それを阻止しようとしているのが民主党です。だからどういう意味で、支持が違うのか、解釈に苦しむところです。景気対策が必要ならばまず与党の案、政府案を実行に移してそれから考えることです。
Q.関連で、解散総選挙を早くすべきと答えた人が7割近くに達しましたが、幹事長の受け止めをお聞かせください。
A.それも同じ答えで、一番、今、国民にとって大事なこと、日本国家にとって大事なことは何かということ言えば、これは景気回復なんです。政府が景気回復について、何かやろうとすれば、すべて予算も法律も税制も必要なんです。そしてそれはもう案があって、それをすぐにやろうと言っている訳ですから、それをやってから、やっぱり効果はないじゃないかとか、何でもそうです。こんなことじゃ不十分じゃないかと。こんな内閣じゃだらしないとか、そう言うべきであって、それを全部止めておいて、景気対策が一番重要で、これだけ悪い数字が出ても、酢だのこんにゃくだの言って、予算の成立を妨げている。こんな国家がありますか。僕はおかしな国家になってしまっていると思います。
まずどんなものか、効果があるかないか、75兆円の予算を早く通したら良いじゃないですか。1兆円の減税を早く通したら良いじゃないですか。それでやっぱり効果がないじゃないかと責めればいいのです。何もやらないのですから。そういう状態を国民は正当に批判すべきです。おかしいです。
米国は後から出して通ってしまった。日本より後から出したのですよ。それで法案も予算も通ってしまったでしょう。やっぱりおかしいのです。政局だけで国会を運営しているのです。とんでもない話です。だからわれわれ政府与党は、まじめに予算と法案を事細かに全部詰めて、出して、早期審議を1月5日から要請して、もはや2月中旬になっている訳です。30日も60日もかけて一生懸命審議をしている姿を見せているだけです。すぐに通したら良いのです。効果がないと言って、効果がなければ批判したら良いんです。それすらしていません。政局にするために、評判を下げるために、ぐずぐずしているだけなんです。こんな国はおかしいと思います。
URL:http://www.jimin.jp/jimin/kanjicyo/2102/210216.html
2009-02-01 とうとう独裁政治が羨ましいとか寝ぼけたことを口にし出した日経記者
以下、日経の大林尚記者のコラムだ。結構ふざけたことを言っているが、これは経済保守派のホンネだろう。同じような意見を持つ財界人、評論家、マスコミ人は多いのではないか?
民主政治は最大限に尊重されなければならない。だが国や国民が重大な危機に瀕している時は、民主的と言えないやり方にも羨ましさを感じることがある。
シンガポール政府が22日に公表した経済回復パッケージは、現行18%の法人税率を下げて17%にすることである。いうまでもなく「国の競争力を維持する」のが狙いだ。日本では産業界の税負担を軽くすることは不人気政策の代表だ。野党はおろか与党にさえも反対を唱える議員が少なくない。
シンガポールは国会の議席の圧倒的多数を与党議員が占める擬似独占国家だ。
~中略~
むろん日本は非民主的なやり方を取れない。活路を見出すなら、与野党が党派を超え救国政策を立案、実行する努力ではないか。
例えば自国の競争力に真に資する法人税の引き下げや選挙目当てのばらまきや景気対策に名を借りた利益誘導は厳に慎む―などを自民、公明両党と民主党とが協定し、効用の高い策を練る。協定終結の要件を決めておくことも必要だろう。そして、この政策が功を奏してもどちらかの手柄にもせず、失敗に終わってもどちらも責めを負わない。これがミソだ。
《以下略》
URL:http://d.hatena.ne.jp/kechack/20090201/p1
週内の予算案採決見送り 辞任問題で審議一時空転
衆院予算委員会は18日、20日午前に分科会を行うことを決定。理事会では同日午後に集中審議を行うことを衛藤征士郎委員長の職権で決めた。このため週内の2009年度予算案採決は見送られる方向となった。野党側は委員会開会前の理事会で、中川昭一前財務相兼金融担当相の辞任問題に関し、麻生太郎首相が委員会に出席し任命責任などについて見解を明らかにすべきだと要求。18日午前に予定されていた09年度予算案審議は行われなかった。
与党側は同日午後に委員会を開会、河村建夫官房長官は中川前財務相の辞任について「予算案審議中に担当大臣が交代に至ったことは誠に申し訳ない」と陳謝した。野党側は「明日の首相の謝罪と説明が先だ」(山岡賢次民主党国対委員長)と反発、欠席した。
与党側は理事会で、首相が日ロ首脳会談でサハリンを訪問中のため、河村官房長官が代わりに釈明、与謝野馨財務相の所信聴取と質疑を行いたいと提案したが、野党側は納得せず、与野党国対委員長会談が急きょ開かれ、首相が19日の衆院予算委員会に出席することで合意した。
2009/02/18 14:20 【共同通信】
URL:http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009021801000335.html
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