目標の明確化(役人の仕事についての雑考 その1)

 
役人の仕事についての雑考を全3回シリーズでエントリーする。

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「くだらねえ完全主義だ。骨身にしみて反省させる」

東京都下水道局が新調した職員の作業服用のワッペンに、波線が描かれているのは「内規違反」だとして、約3400万円をかけて作り直していたことに対する、石原東京都知事のコメント。

下水道局側は、「基準に違反するものを使い続けるわけにはいかなかった」と答え、都の担当課は「使用方法で混乱しないよう一定の約束事を設けたが、強制ではない」としているそうだけれど、傍からみれば単なる言い訳と責任の押し付け合いにしか見えない。実にみっともない。

都としては、デザインを決めた当時の部長と課長を訓告処分にすることにしたそうだけれど、何を骨身にしみて欲しいのか。作り直したことが間違いとするなら、どうすべきかを明確にしないと、次からはいちいちお伺いを立てるか、なにもしないかどちらかになる。

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内規だのローカルルールに縛られて融通が利かないとのは、ぶっちゃけた話、内規とか決まりに従ってさえいれば責任を問われることがないから。

目的を効率的で合理的な業務において、かつ納期尊守という民間なら当たり前のものに置き換えて、そのための権限を与えれば、杓子定規に内規に従うことも無くなってゆくのではないか。そもそも内規は内部規定にしか過ぎなくて、外部に強制させるものでも何でもないのだから、いくらでも変更が効く。商売の基本である、お客様第一の考えが徹底していれば、むしろそんな内規が本当に必要なのか考えるようになるはず。

倹約に徹して無駄金を使わないという方針が明確にあって、担当者もそのつもりでいれば、内規を作った部門と交渉して、一本線が入ったままでもOKとするだろうに。

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画像石原都知事 ワッペン作り直し…「くだらねえ完全主義だ」4月11日12時45分配信 毎日新聞

 東京都下水道局が新調した職員の作業服用のワッペンに、波線が描かれているのは「内規違反」だとして、同局が約3400万円をかけて作り直していたことが分かった。

 細い線1本が原因で多額の公金が無駄になり、最初のデザインを決めた幹部2人が訓告処分を受けたが、あまりの「お役所仕事」ぶりに石原慎太郎知事は「くだらねえ完全主義だ。骨身にしみて反省させる」と憤慨。作り直しを決めた職員も処分する意向を示した。

 下水道局は今春、職員の作業着約2万着を一新。右胸につけるシリコーン製のワッペンを新たに縫い付けることにした。都のシンボルマークであるイチョウの横に局名を描き、その下に「水をきれいにする」というイメージを込めて、水色の波線(約5センチ)を加えたワッペンを考案した。

 だが昨年11月、局内からシンボルマークの取り扱いを決めた内規「基本デザインマニュアル」に触れるとの指摘があった。内規には「(イチョウのシンボルマーク以外の)他の要素を加えない」との規定があり、同局も波線がこれにあたると判断。完成していた2万枚のワッペンを廃棄し、新たに3400万円をかけてワッペンを作り直した。

 都は3月、最初のワッペンのデザインを決めた当時の部長と課長を訓告処分にした。下水道局は「作業服は長い間使っていくもの。基準に違反するものを使い続けるわけにはいかなかった」と説明している。【林哲平】

URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090411-00000011-maip-soci



画像バカじゃねえか…幹部は処分…ワッペン作り直しで石原知事 4月10日20時6分配信 読売新聞

 東京都下水道局が職員の制服用に作製したワッペン2万枚について、デザインが都の内規に反するとして約3400万円かけて作り直した問題で、石原慎太郎知事は10日、定例記者会見で「本当にたまげた。骨身に染みて反省するよすがにさせる」と述べ、作り直しを決めた同局の幹部らを処分する方針を明らかにした。

 石原知事は、この問題を報じた読売新聞を掲げながら、作り直す前のデザインについて「東京の下水はきれいだなって感じがするし、いいじゃない」とし、「規格に合わないからと作り直して、バカじゃねえかほんとに」と怒りをあらわにした。

 最初のワッペンには、イチョウ形の都シンボルマークの脇に、水色の波線が添えられたが、同局は、「マーク使用の際に他の要素を加えない」という都の内規に反すると判断し、作り直した。内規は、マーク制定の1989年に作られたが、都の担当課は「使用方法で混乱しないよう一定の約束事を設けたが、強制ではない」としている。

最終更新:4月10日20時6分

URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090410-00000769-yom-soci

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