高まる国防意識

 
北朝鮮のミサイル発射に対する対応が慌しい。

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今回のミサイル発射に対する政府の動きは、なにやら計画・計算された動きのように見えなくも無い。 いきなり発射されてから事後報告的に報道しかされていなかったこれまでから考えると隔世の感がある。

いままでと違って今回は事前通告だから、通告されて何もアクションしないのは拙いとしての動きかもしれないけれど、それを逆手にとった動きにみえる。

今回の破壊命令措置によって、本当に迎撃するかどうかは、ミサイルが軌道を外れ、日本本土に落下する場合に限定しているけれど、MDによる迎撃そのものの成否は周辺諸国およびアメリカに大きな影響を与える。

もしMDによる迎撃が成功した場合は、日本を仮想敵国として、ミサイルを配備している国に対して軍事体制を再検討する必要に迫られるし、失敗した場合はアメリカがこれまで日本に売り込んできたMDシステムそのものに疑念を持たれ、ビジネスチャンスを失うことになりかねない。さらには、自前の国防についての自覚を促すことになる。

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だから、政府筋の当たりっこない発言から破壊措置命令までの一連の流れは、結果はどうであれ、日本の国防体制の強化に一役買うことになる。政府がミサイルの迎撃可能性について触れ、その動きを見せるということは、それだけで周辺諸国へ強烈な刺激と牽制を与えている。

今回の動きに対して、アメリカは早くも米イージス艦を日本海に5隻も展開している。そこに海上自衛隊のイージス艦2隻が加わり、計7隻が日本海に展開する。

日本全土をカバーするにはイージス艦2隻で足りるといわれているところを合計7隻も展開するという事実はとても重い。

もちろん日米共同で、ミサイルの弾道を最初から最後まで追尾して、データ収集およびそのリンクを行うのと、着弾地点をリアルタイムで発表することで、何時でも落とせるんだぞとアピールする狙いがあるのだろう。同時に米軍がイージス艦5隻を展開することで、米軍は日本を守る意思があるのだという姿勢をみせる効果もある。

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アメリカにとっては、北朝鮮がミサイルを発射してさえくれれば良く、あわよくば迎撃しないで太平洋に着弾してくれることがベストなのだろう。

しかし日本を仮想敵国とする周辺諸国にとっては、北朝鮮の発射そのものが困る筈。イージス艦を7隻日米共同で展開され、日本国民の国防意識が高まるから。

その意味で特に困るであろう国は中国が必死になって北朝鮮の発射を止めさせようとするのも当然だろう。意外と北朝鮮はそれを利用して中国から援助を毟り取ろうとしているのかもしれない。

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画像北のミサイル「破壊命令」、落下に備え自衛隊に発令へ  北朝鮮情勢

 北朝鮮が「人工衛星」の打ち上げを名目に弾道ミサイルの発射を準備している問題で、政府は18日、日本の領土・領海内に落下する場合に備え、今月末にも自衛隊にミサイルなどの「破壊措置命令」を発令することを決めた。

 破壊措置命令は自衛隊がミサイル防衛(MD)システムを活用して迎撃するため、防衛相が自衛隊法82条の2に基づき発令する。破壊の対象は、日本に向け飛来する「弾道ミサイル等」と規定され、政府は日本の領土・領海に事故などで落下する人工衛星やその打ち上げ用ロケットも含まれるとしている。

 自衛隊法では破壊措置命令について、首相の承認を得ることと規定しており、具体的には、閣議決定を経て発令する。国民にも公表される見通しだ。

 一方で同法には事態の急変に備え、期間を定めてあらかじめ自衛隊の部隊に破壊措置命令を発令することができるとの規定もある。この場合は閣議決定は必要なく、「命令の期間切れを狙ってミサイルなどを発射される恐れがある」(防衛省幹部)ため、政府は発令の有無を公表しない。

 政府は破壊措置命令を閣議を経て発令するかどうかは決めていない。

 自衛隊は、命令を受ければ、日本に落下するミサイルなどをイージス艦のSM3ミサイルで大気圏外で破壊し、撃ち漏らした場合は、地上配備のPAC3ミサイルで破壊する。日本に落下しなければ迎撃しない。

(2009年3月18日22時30分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090318-OYT1T01000.htm



画像米海軍のイージス艦5隻、日本周辺に展開  北朝鮮情勢

 北朝鮮が「人工衛星」を打ち上げる名目で弾道ミサイルの発射準備を進めている問題に絡み、米海軍が日本の周辺海域で、弾道ミサイルを探知するイージスレーダーを備えた駆逐艦の展開を始めている。

 展開しているのは少なくとも5隻で、いずれも弾道ミサイルを迎撃する「SM3」ミサイルを搭載しているとみられる。北朝鮮が打ち上げを通告している来月4~8日を前に、日本周辺の洋上で活動に入る見通しだ。

 長崎・佐世保港では今月23日から米海軍第7艦隊の駆逐艦3隻が入港。うち2隻が25日午後に出港、青森港に寄港していた駆逐艦も26日午後に出港する。3隻とも日本海または太平洋で活動を始めるとみられる。

 海上自衛隊のイージス艦「こんごう」と「ちょうかい」の2隻も佐世保基地に停泊中で、政府が自衛隊法82条の2に基づく迎撃体制を正式に決定すれば、日本海に展開するとみられる。

(2009年3月26日07時13分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090326-OYT1T00017.htm



画像PAC3、首都圏の配備完了=秋田、岩手にも移送開始 2009年3月29日(日)16:30

 北朝鮮が「人工衛星」名目で発射する弾道ミサイル落下に備え、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の首都圏への配備が完了し、防衛省は29日、同省の本庁舎がある陸上自衛隊市谷駐屯地(東京都新宿区)で、発射機などを報道陣に公開した。

 北朝鮮のミサイルが上空を通過するとみられる秋田、岩手両県に向けても、同日早朝、空自浜松基地(静岡県)のPAC3が民間の貨物船などを使って移動を開始。30日到着の予定で、北朝鮮が通告した4月4―8日の発射を前に、東北と首都圏5カ所で万全の態勢を整える。

 市谷駐屯地のグラウンドには発射機2基や通信用アンテナなどが配置された。都心の駐屯地は、マンションなどが近くに立ち並ぶが、発射機は北西方向の空を向き、有事への備えを固めた。 

URL:http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-090329X027.html



画像「人工衛星」迎撃に先手 北のカード無力化へ 3月13日0時6分配信 産経新聞

 「人工衛星も含めて対処するのは当然だ」。北朝鮮による長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型の発射準備を受け、浜田靖一防衛相は、衛星と称して発射しても日本に飛来すればミサイル防衛(MD)システムで迎撃する方針を明言している。衛星と主張する常套(じょうとう)手段に先手を打つ形で迎撃に関する法的な整備を終え、限定的ながら装備の導入も進み、外交カードとしてのミサイル発射を無力化する環境は整っている。(半沢尚久)

■違いは弾頭

 「こちらがどう評価するかだ」。防衛省幹部は12日、北朝鮮が国際機関に人工衛星発射を通告したことについて、ミサイル発射を正当化するための方便との見方を改めて示した。

 そもそも、弾道ミサイルと、衛星を搭載したロケットは技術的には同じで、違いは弾頭だけだ。ミサイルは放物線のような軌道を描き、弾頭が落下して目標に着弾する。ロケットは弾頭に搭載した衛星を分離して地球周回軌道に乗せる。

 平成10年8月にテポドン1号を発射した際も北朝鮮は人工衛星「光明星1号」の打ち上げと主張した。しかし、防衛省幹部は「衛星であれば飛翔(ひしょう)位置を追跡する信号を出すが、確認されなかった」と一蹴(いっしゅう)する。

 垂直に発射後、ミサイルは45度の角度で上昇させるが、衛星は角度が低いという違いもある。ただ、ミサイルが日本に飛来するのは発射から約10分で、ミサイルか衛星か見極めるのは困難だ。このため、MDでの迎撃手続きを定めた自衛隊法の規定は、衛星とミサイルを区別せずに迎撃できるよう「幅」を持たせている。

■平時での対処

 《落下により、人命または財産に重大な被害が生じると認められる物体であって、航空機以外のもの》

 17年7月、同法に新設した「弾道ミサイル等に対する破壊措置」では迎撃対象をそう明示している。「弾道ミサイル等」に人工衛星も含まれるわけだ。

 破壊措置は、閣議決定などが必要な「防衛出動」を発令する時間的余裕のない場合でも、迅速に対応できるよう整備した。相手国と交戦状態にある「有事」でのMD対処は防衛出動、それ以外の「平時」での対処は破壊措置となる。

 テポドン1号のころと違い、日本は法整備を終え、迎撃手段も導入した。「北朝鮮は宇宙開発を隠れみのにしたミサイル発射で日本を揺さぶるのは無意味と認識すべきだ」(自衛隊幹部)

■着弾地点を予測

 テポドン2号(射程約6000キロ)のような長射程の弾道ミサイルは大気圏外に出て、そこから再突入して目標に到達する。これを迎撃するには、着弾地点を予測する必要がある。

 米国の早期警戒衛星によるミサイル発射情報に基づき、イージス艦と地上のレーダーが探知・追尾する。弾道ミサイルは発射してから上昇中に早ければ2分程度でロケットエンジンの燃焼が終わり、速度と弾道が安定。「その時点で加速度を計算すれば、飛翔コースと着弾予測地点を特定できる」(同)

 日本の領土や領海に飛来すると判明すれば、自衛隊は迎撃。日本を飛び越えて米国に向かう場合は、集団的自衛権の行使にあたるとして迎撃は見送る。

 迎撃は二段構えだ。まずイージス艦の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が大気圏外で撃ち落とし、失敗すれば地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が着弾直前に迎え撃つ。

 SM3の迎撃可能な高度は100キロ程度で、ハワイ近くまで届く最大射程でテポドン2号を発射すれば高度は1000キロに達し、迎撃できない。ただ、不具合で落下したり、注入燃料を抑制して射程を短くしたりする恐れもあるため迎撃に備え、「日本海に2隻のイージス艦を配置すれば日本全土を防護できる」(防衛省幹部)。

URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090313-00000500-san-pol

この記事へのコメント

  • 日比野

    こんばんは。さいたま市民様。お返事遅くなり申し訳ありません。

    本当に国防意識の高まりは凄いですね。この機会に自衛隊に対する法的制約がいかに自衛隊を縛っているかの理解が進むことを期待します。
    2015年08月10日 16:51
  • さいたま市民

    浜田防衛大臣は早期警戒衛星の保有まで検討すると表明していましたから、今回の一件で、相当火が付きましたね。まだ予算化されてないので、計画自体は流動的ですけど。
     いずれにしろ、今回の事件を機に日本がある程度独自の国防体制を構築することができればいいですね。
    2015年08月10日 16:51

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