麻生総理のリーダーシップ(北朝鮮の核実験とミサイル発射について その1)
北朝鮮の核実験とミサイル発射について。全3回シリーズでエントリーする。
北朝鮮が、5月25日に核実験と短距離ミサイルの発射を行なった。ミサイルは翌26日にも発射した。
国連安全保障理事会は25日、非公式緊急会合を開き、新たな決議で対応することに合意。韓国も26日に大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への全面参加を決定した。
国連安保理の緊急会合後、主要各国は北朝鮮をこぞって非難して、中国でさえ「北朝鮮の核実験に断固として反対する」と表明した。
これに対して北朝鮮は猛反発し宣戦布告ともとれる声明を27日に発表した。特に韓国のPSI全面参加を宣戦布告とみなすとしている。
日本は、麻生総理が今回の核実験を明快な国連安保理決議違反だとして、安保理臨時会合を要請し、25日には米オバマ大統領、豪ラッド首相と、26日には韓国李大統領と電話会談を行い、中国温家宝首相やロシアのメドべージェフ大統領とも電話会談を行うよう調整している。
いわばTOP会談を通じて、安保理決議の早期成立と、決議をより実効力のあるものにするというのが狙いのようだ。やるべきことはきちんとやっている。
特に、日本から安保理臨時会合を要請したのはとても重要な意味を持つ。
なぜかというと、東アジアの安全保障については、日本がイニシアティブを持って、リーダーシップを発揮するということを世界に示すものだから。
こうした事の積み重ねってとても大切。何かあった時にどの国が頼りになるのかを周辺国に見せ付けるがゆえに。
さらには、こうした緊急時に、麻生総理が各国のトップにさっと緊急電話会談が行なえるくらいのパイプと信頼を構築しているというのも大切な要素。勿論、同盟国のトップ同士でホットラインがあるのは当たり前じゃないかと言えなくもないのだけれど、ホットラインがあることと、それがきちんと機能して電話会議が出来ることとは別。普段からの付き合いと信頼関係がものを言う。
こうしたことを見ても日本の世界における位置が良く分かる。日本は世界の大国であるのは間違いないし、麻生総理もそれに相応しい動きをしている。
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北朝鮮の核実験、米が強く非難 中国も「断固反対」
【ソウル=尾島島雄】北朝鮮は25日、朝鮮中央通信を通じて2006年10月に続く2回目の地下核実験に成功したと発表、短距離ミサイルの発射も強行した。オバマ米大統領は「挑発行為に行動で答える」と、北朝鮮を強く非難する声明を発表。日米などは再実験禁止を定めた06年の国連安全保障理事会決議への「明確な違反」(麻生太郎首相)と批判し、日韓間では電話首脳協議を開いて連携を確認した。国連安保理は日本などの要請を受け、日本時間26日未明(現地時間25日午後)からの緊急協議開催を決め、北朝鮮への制裁強化などを話し合う。
北朝鮮と関係が深い中国とロシアも、今回は北朝鮮に批判的な態度を示している。中国外務省は「北朝鮮の核実験に断固として反対する」と表明。ロシア外務省も核実験が安保理決議違反だと指摘した。(25日 21:10)
URL:http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090525AT3F2500N25052009.html
【北核実験】麻生首相ぶら下がり詳報「安保理決議違反だ」(25日夕) 2009.5.25 17:43
麻生太郎首相は25日夕、北朝鮮の核実験実施について「この前行われた国連安保理決議への明確な違反。従って、(新たな)安保理決議を求めていくのは当然だ」と述べた。首相官邸で記者団に答えた。ぶら下がり取材の詳報は以下の通り。
【北朝鮮核実験】
--北朝鮮が核実験を行ったと発表したが、受け止めと今後の日本政府の対応を
「北朝鮮が核実験を実施したと発表しております。北朝鮮による核実験というものはNPT、核不拡散体制に対する重大な挑戦であって、安保理決議に明確に違反をいたしております。断じて容認できるものではない。これは国際社会が一致して対応していかねばならないという大事な局面だと思いますんで、既に安保理の緊急招集というものを要請致しております。たぶん、日本時間の明日未明に開催されると存じます」
「先ほど、李明博・韓国大統領とも電話で会談していますけれども、今後、日韓はもちろん、日米韓で緊密に連絡をして、毅然(きぜん)とした対応で対応していかねばならんとこだと思っています。日本としては、今、5時30分に安保会議(安全保障会議)を招集しているところです」
--明日の緊急会合だが
「緊急会合っていうのは?」
--明日未明にも行われる国連安保理の会合だが、日本ではその場で追加の制裁、制裁決議を求めるということか
「今回の核実験は安保理決議、この前行われた安保理決議への明確な違反。従って、安保理決議を求めていくのは当然です」
--日本独自の制裁についてはどう考えるか
「今回の核実験を実施したというのは、きちんと確認をしたうえで、われわれとしてはどのような対応をしていくかを検討します。まずは、国連安保理の話からスタートさせていくのが順当なところだと思っています」
--今回の事態を受けて、周辺事態に認定する考えはあるか
「われわれとして、今の状況は極めて地域の緊張感を高める事態だと思っていますけど、ただちにこれが周辺事態法を認定して、適応すべきものかについては、そうは考えていません」
--総理、総理、これで2度目の核実験になるが、北朝鮮の核実験は国際社会がこうやって止められないのはどうしてか
「どうしてだと思いますか?」
--はい
「私に答えられる限界を超えています」
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090525/plc0905251744024-n1.htm
麻生首相声明全文=北核実験
北朝鮮の核実験を受け、政府が25日発表した首相声明の全文は次の通り。
1、北朝鮮は、朝鮮中央通信を通じ、本日、地下核実験を実施し、成功させた旨公表した。また、わが国においても、気象庁が本日午前9時55分ころ、通常の波形とは異なる、北朝鮮の核実験によるものである可能性のある地震波を探知したところである。
2、北朝鮮による核実験は、北朝鮮が大量破壊兵器の運搬手段となり得る弾道ミサイル能力の増強をしていることと併せ考えれば、わが国の安全に対する重大な脅威であり、北東アジアおよび国際社会の平和と安全を著しく害するものとして断じて容認できない。北朝鮮に対し厳重に抗議し、断固として非難する。かかる行為は、2006年10月14日の国連安保理決議第1718号に明確に違反するものであるとともに、核拡散防止条約(NPT)に対する重大な挑戦である。また、日朝平壌宣言や6カ国協議の共同声明にも違反するものである。わが国は、同盟国である米国をはじめとする関係国と連携しつつ、国と国民の安全の確保に引き続き万全を期するとともに、今後の必要な施策について早急に検討を進める。
3、北朝鮮は、既に06年10月に核実験の実施を発表し、また、本年4月にはわが国を含む関係各国が自制を求めたにもかかわらず、安保理決議に違反するミサイル発射を強行した。本年4月13日の安保理議長声明で、北朝鮮が安保理決議第1718号の下での義務を完全に順守しなければならないとされている中での核実験の実施は、国連安保理の権威に対するさらなる重大な挑戦である。
4、わが国は、既に国連安保理緊急会合の開催を要請したところであるが、米国および韓国をはじめとする国際社会と連携して、国連安保理等において迅速に対応していく。また、北朝鮮が安保理決議第1718号等を完全に履行するよう要求する。わが国は、この機会に改めて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向け具体的な行動を取るよう北朝鮮に強く求める。
5、核実験に伴う放射能のわが国に対する影響については、政府としては、放射能対策連絡会議を開催し、関係省庁・機関の協力を得てわが国における放射能の測定体制を強化するとともに、関係各国と連携し万全な体制で対応する考えである。
(2009/05/25-20:12)
URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009052500889
【北核実験】麻生首相、新決議に向けトップ外交で北包囲網 2009.5.26 19:53
北朝鮮による核実験を受け、麻生太郎首相は26日、オバマ米大統領、オーストラリアのラッド首相らと相次いで電話会談し、国連安全保障理事会の新決議採択に向け、連携を確認した。首相は25日に韓国の李明博大統領とも電話会談を行っており、中国の温家宝首相やロシアのメドべージェフ大統領とも電話会談を行うよう調整している。首相は新決議にいかに実効力を持たせるかを重視しており、今後もトップ外交を通じて北朝鮮包囲網を構築したい考えだ。
首相は26日午前、オバマ米大統領と約15分間電話で会談した。首相は「核実験は日本の安全保障上重大な脅威だ。オバマ大統領が核軍縮、核不拡散の機運を高めている中で実験が行われたことは極めて遺憾であり、強力な新決議を迅速に出すことにより北朝鮮に正しいメッセージを伝えることが必要だ」と述べた。大統領は、「北朝鮮の核実験は重大な脅威で容認できない」と応じ、「核の傘」を含めた米国の抑止力の提供を重ねて明言した。
また、日米韓の3カ国で緊密に連携し、早期の決議採択を中国やロシアに働きかける方針を確認した。
ラッド首相との電話会談では、麻生首相は「強力な安保理決議により、国際社会の意思を明確にすることが不可欠だ」と協力を要請。ラッド首相は「25日の麻生首相の声明を強く支持する。この問題では日米韓の立場を一環して支持している」と応じた。
麻生首相は26日夜、首相官邸で記者団に「核実験は日本の安全保障上断じて容認できない。オバマ大統領とも日米安保体制は揺るぎないことを確認した」と説明。当面は強力な新決議採択に向けた外交努力を最優先課題とし、さらに独自の追加経済制裁を検討する考えを示した。
URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090526/plc0905261955028-n1.htm
【北核実験】北朝鮮の「宣戦布告」声明文の要旨 2009.5.27 17:29
北朝鮮の朝鮮中央通信が27日伝えた朝鮮人民軍板門店代表部の声明文の要旨は次の通り。
1、韓国の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)全面参加をわれわれに対する宣戦布告とみなす。
1、われわれの船舶に対する取り締まり、検査など、いかなるささいな敵対行為も、わが共和国の自主権への容認できない侵害とみなし、即時に強力な軍事的打撃で対応する。
1、わが軍はこれ以上、休戦協定に拘束されない。休戦協定が拘束力を失えば、朝鮮半島は直ちに戦争状態に戻り、わが革命武力は軍事的行動に移る。
1、黄海上の米韓軍艦および一般船舶の安全航海を担保できない。
URL:http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090527/kor0905271732006-n1.htm
【北核実験】「北は報いを受ける」 米クリントン国務長官 2009.5.28 09:14
【ワシントン=有元隆志】米CNN、NBCテレビは27日、米政府当局者らの話として、北朝鮮が寧辺にある核施設でここ数日、施設の再稼働に向けたとみられる活動を行っていると伝えた。核実験の実施に続く、国際社会に対する挑発行為の一環といえる。クリントン国務長官はこの日の記者会見で、北朝鮮の一連の行動について「6カ国協議の合意を無視し、近隣国への挑発的で攻撃的な態度をとっているが、そのような行動は報いを受ける」と警告した。
クリントン長官は、北朝鮮が韓国の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)全面参加に対し、「宣戦布告とみなす」との声明を出したことに関しては、「米国が韓国と日本の防衛に関する責務を負い、常にそれを果たす意思があることを強調したい。われわれは真剣に受け止めている」と述べた。
国連安全保障理事会で北朝鮮への追加制裁決議案をめぐる協議が進んでいることについては、「中国とロシアを含めて、国際社会が結束している」と歓迎の意向を表明した。
ゲーツ国防長官は29日からシンガポールで開かれるアジア安全保障会議出席にあわせ、日韓両国の防衛相と会談し、対北朝鮮政策での連携を確認する。
北朝鮮は国連安保理が4月の弾道ミサイル発射を非難する議長声明をまとめたことに反発し、核施設の無能力化作業を中断し、核開発の再開を宣言した。
使用済み核燃料棒の再処理施設から水蒸気が出ていることが確認されたとの韓国紙の報道もあるが、米シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)が27日に公表した衛星写真(5月26日撮影)によると、再処理施設から水蒸気などは出ていない。北朝鮮が昨年6月下旬に爆破した、原子炉の廃熱を処理する冷却塔の建設に向けた作業も行われていない。
北朝鮮は6カ国協議の合意に基づく核施設の無能力化作業を象徴的に演出するため、冷却塔を爆破した。
URL:http://sankei.jp.msn.com/world/america/090528/amr0905280915005-n2.htm
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