豚インフルエンザについて

 
とうとう豚インフルエンザの感染者が首都圏でも発生していたことが分かった。

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むしろ、関西圏であれだけ感染が広がっていたのに、東京が無傷なのが不思議なくらいだった。潜在的感染者はもっといる可能性もある。町中でもマスク姿の人が増えてきた。

神戸では祭りが中止になるし、大阪の茨木市駅前なんかではめっきり人通りが減っているらしい。

政府は冷静な対応を呼びかける一方、臨時休校の要請や時差通勤・通学の検討要請を進めている。それをうけて、感染者が発生した学校なんかでは休校が相次いでいる。

だけど、暇に空いた高校生たちはカラオケ店にいったりして遊んでいたそうだから、はたして休校の効果がどこまであるかはわからない。

産経・FNN合同の世論調査では、新型インフルに不安を感じると答えたのが76.5%と8割近くに上り、特に20代女性で84・1%、男性20代も76・7%と若い世代に危機感があるようだ。それでいて、政府・自治体の反応が適切だと答えたのが74.2%と高評価となっている。

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豚インフルエンザは、季節性の普通のインフルエンザと違って、罹患するとサイトカイン・ストームで重症化すると言われる。

サイトカイン・ストームとは、体の中で作りだされる分泌因子で、免疫細胞(白血球やリンパ球)の働きをコントロールしているもの。豚インフルエンザにかかると、これが暴走を始めて大量に分泌されることで体の正常な細胞まで傷つけてしまうので、免疫が強い若い世代ほど、命にかかわる危険性があると言われている。

若い世代ほど危機感が強いという世論調査は、こうした事も彼らがちゃんと知っているからこその結果だろうし、政府や自治体の対応についてもしっかり評価している。

※注 サイトカインストームは豚インフルエンザでは起きないというコメントをいただきました。訂正いたします。ご指摘ありがとうございました。

《5/22追記》

日本感染症学会の緊急提言「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」によると、スペインかぜやアジアかぜ、香港かぜの際に、初期には若い年齢層に被害が多く見られた例をあげ、高齢者の多くは過去に型の変異したインフルエンザの洗礼を何度も受けたため免疫のメモリーがあるけれど、若年層ではそれが乏しいために新型が流行する初期には被害が大きいとしている。

米疾病対策センター(CDC)のジャーニガン・インフルエンザ部副部長は5月20日の記者会見で、1957年より前に生まれた人の一部に、新型インフルエンザに対する免疫がある可能性を指摘している。だから、高齢者の多くは過去に型の変異したインフルエンザの免疫のメモリーがあるという日本感染症学会の見解には頷けるものがある。


メディアなんかは、騒ぎすぎだとか、集団ヒステリーだとか無責任な煽りをしているけれど、一般国民は、そんな煽りなんかに惑わされることなく、事態を冷静に受け止め、自身のやるべきことをやっている。

今回の豚インフルエンザは罹患しても、早急で適切な処置を受ければ、回復するようだから、極端なまでの不安を持つ必要はないだろう。

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ただ、国立感染症研究所の速報によれば、今シーズンから普通のインフルエンザウイルスでタミフル耐性を持つものが激増しているとのことだから、あまり油断はできない。今のところ耐性はタミフルに対してだけで、もうひとつのインフルエンザ治療薬であるリレンザに対する耐性はなく、また、今シーズンのインフルエンザワクチンも有効らしい。

水際で食い止められなかったのは、残念だけれど、またいつ更なる新型が猛威をふるうとも限らない。やるべきことはやって、被害は最小限に食い止めるべく努力する。当たり前のこと。

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画像【新型インフル】東京、川崎でも感染確認 米国から19日に帰国 2009.5.21 01:40

東京で初の新型インフルエンザ感染者確認をうけ会見する都の担当者=20日、東京・新宿の都庁(大西史朗撮影) 新型インフルエンザの感染が20日、東京都と川崎市でも確認された。近畿圏以外での国内感染の確認は初めて。滋賀県でも感染が確認されており、国内広域に感染が広がっていることになる。厚生労働省や東京都、川崎市などによると、感染が確認されたのは、いずれも川崎市高津区の私立洗足学園高校に通う東京都八王子市在住の女子生徒(16)と、川崎市在住の女子生徒(16)。生徒らは19日に米国から帰国しており、近畿の感染とは異なるルートで感染したとみられる。

 東京都などによると、生徒らは、11~18日まで、同じ学校の生徒5人と英語教師1人の計7人で米ニューヨークに滞在。国連本部での学生による模擬国連に参加した。模擬国連にはほかに首都圏の高校5校の生徒も参加していたという。

 今回感染が確認された生徒らは19日にコンチネンタル航空09便で成田空港に帰国した。2人は、米国のホテルで同室に宿泊。帰国便でも隣の席に座っていた。

 八王子の生徒は、帰国の機内で発熱症状を訴えていたが、機内検疫の簡易検査では陰性。症状が収まらなかったため、20日に八王子市内の医療機関を受診して、夜になって感染が確認された。川崎の生徒も機内での簡易検査では陰性反応だったが、20日に症状が出て、感染が確認された。

 すでに感染症法に基づく入院措置がとられており、発熱やせきがあるが快方に向かっているという。渡米した生徒らには、自宅からの外出自粛要請がされており、帰国後に高校には登校していない。厚労省は機内で2人の近くに座っていた乗客25人の確認を急ぐ。

 これとは別に、滋賀県で同日、新型への感染が確認されたのは立命館大学に通う、大津市の男子大学生(23)。渡航歴はないが15~17日にかけて神戸市を訪れていた。

 これで感染が確認されたのは兵庫、大阪に続いて5都府県となった。厚労省などによると20日夜時点の感染者は兵庫県143人、大阪府117人、東京都、神奈川県、滋賀県が各1人、成田での検疫で確認された4人を合わせ計267人。

 また、厚労省は20日、神戸市保健所などが行った感染者43人の症状分析を公表。分析は「季節性と症状が類似し、全例を医学的に入院させる必要はないことが示唆される」と結論づけている。週内にとりまとめる行動計画の改定の中に反映させ、地域ごとに柔軟な対応がとれるようにする。

URL:http://sankei.jp.msn.com/life/body/090520/bdy0905202310030-n1.htm



画像【新型インフル】政府、財政支援検討 兵庫・大阪自治体へ 2009.5.19 10:25

 政府は18日、首相官邸で本部長の麻生太郎首相と全閣僚で構成される新型インフルエンザ対策本部の本部会合を開き、新型インフルエンザの蔓延(まんえん)を防ぐため、学校の臨時休校の要請や時差通勤・通学の検討要請、発熱外来の増設を含む医療体制の整備などの徹底を確認した。また、感染者が広がっている兵庫県と大阪府の関係自治体への財政的支援の検討にも入った。

 麻生首相は本部会合で、「慢性疾患があると重篤化の可能性があるが、適切な治療を早めに受けることで多くは順調に回復している。現時点で政府として、外出や集会の自粛、事業活動の縮小などを一律に要請することは考えていない」と述べ、国民に冷静な対応を呼びかけた。

 また、河村建夫官房長官は18日の記者会見で、財政上の支援について「(自治体が)懸念を持たずに全力投球をしていただくよう、対応を考えていかなければならない」と述べた。当面、政府は平成21年度予算予備費や補正予算案に計上されている新型インフルエンザ対策事業費を活用していく考えだ。一方、内閣府は、麻生首相が国民に冷静な対応を呼びかける政府広報のテレビコマーシャルを19日から約1週間、民放各局で流すと発表した。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090519/plc0905191027003-n1.htm



画像2009年05月18日 01時54分00秒 新型インフルエンザで大阪府茨木市駅前近くがゴーストタウン状態

やむにやまれぬ至急の用事によって、新型インフルエンザの人・人感染まっただ中にある神戸からやってくる阪神電車に乗り込み、さらに感染確定者は出るし在住もしていてある意味、新型インフルエンザ渦中のまっただ中にある阪急電車京都線の茨木市駅の双方に行かなければならないという事態に遭遇したため、意を決してマスクをして着替え用の衣服や消毒用のあれこれなども装備して行ってきました。

昼の12時頃の時点では阪神電車内にてマスクをしている人の割合はさすがにかなり多めで、阪急電車の方は茨木市に停車する割にはマスク着用者が少ないという状態。茨木市に降り立っても人が少ないと言うことはなく、まださほどでもなかったのですが、夜になって帰ろうとして阪急茨木市駅前に向かって歩いていると何か違和感を感じ、あわててムービー撮影開始。そう、普段とはまったく違うゴーストタウン状態になっていました。毎週ほぼ同じ時間帯に通るのですが、普段は人がもっといっぱい歩いていますというか、誰も歩いていないなんて信じられません。

《中略》

これ。雑音がひどいため、音声はありません。撮影時刻は22時過ぎ頃だったはず。少なくとも、普段はこのような時刻であっても誰も歩いていないような場所ではない。そのため、自動車は普段と同じように走行しています。

あまりの事態で気が動転してしまってきれいにシャッターを切ることができなかったのですが、梅田行きの阪急電車はほぼすっからかん。さすがに途中停車した各駅で人が乗ってくるものの、普段よりもおそらくは95%減といった感じ。乗車している人でマスクをしている人はほぼ皆無だったのも印象的。

なんというか、さらに本格的に流行したり、あるいは死者が出たりしたらどうなるのだろうか?と考えると、かなり不安な気持ちにならざるを得ませんでした。たまたま偶然人のいない時間帯であったことを祈るのみです。

URL:http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090518_influ_ibaraki/



画像【新型インフル】高校生らカラオケボックスに列 店長は困惑 2009.5.18 22:58

 大阪、兵庫の多くの小中学校、高校などが休校になった18日、関西の繁華街では平日にもかかわらず、カラオケ店に高校生らが殺到。外出を控えるよう求められていたが、生徒らの本音は「家ではやることがない」。店は大盛況だったが、店長からは「遊ぶための休みではないはず」と心配の声も。一方、カラオケボックスを展開する会社の半額セールには高校生らが長蛇の列をつくったため、急遽(きゅうきょ)、休校した学校の生徒を利用禁止にする一幕もあった。

 この日、午後から休校になり、同級生と大阪・ミナミのアメリカ村を歩いていた大阪市北区の市立高校2年の女子生徒(17)は「休校はうれしいけど、夏休みが減ったら最悪」。担任からは外出を控えるよう指示されたというが、「家に帰ってもやることがない。これからみんなでぶらぶらします」と所在なげだった。

 アメリカ村付近のカラオケ店では、平日にもかかわらず高校生らで通常の数倍のにぎわい。男性店長(32)は「普段の4倍ほどの高校生が来た。でも遊ぶための休みじゃないし…」と複雑な表情。店から出てきた同市西区の市立高校1年の女子生徒(16)は「明日から中間テストだったけど、来週に延期になった。今日だけ遊んで明日から勉強します」と笑顔で話した。

 一方、カラオケボックス「ジャンボカラオケ広場」を運営する東愛産業(京都市中京区)は、18日から31日までの予定で、関西にある全94店舗で、カラオケルームの利用料半額セールを開始。ところが、複数店でオープン前から、休校となった高校生らが行列する事態に。

 このため、同社は「自社施設が感染拡大の場となってはいけない」として、急遽、休校となった学校の生徒の利用を禁止することを決定。各店に張り紙を掲示し、生徒たちに帰宅を促したという。半額セールは4月から企画していたが、新型インフルエンザが拡大していただけに同社は「敬遠されるのでは」と予想していたといい、高校生の思わぬ行動に困惑していた。

 小学校が休校になった大阪市内の公園では、児童らが元気に遊んでいた。同市西区の市立小2年の女子児童(7)は「学校に行けないのはつまらない」と浮かぬ顔だったが、ペットの犬と楽しそうに遊んでいた。

 一方、神戸市立須磨海浜水族園(神戸市須磨区)では、大学の休講を受けデートを楽しむカップルも。神戸市北区の大学3年の男性(22)は、同じ大学の女子学生とデートし、「自分は元気だし、学校は休みでラッキー。騒ぎすぎだと思いますよ」。同じくデート中の兵庫県西宮市の大学2年の男性(19)は「イルカの前に15~20組くらいのカップルがいた」と驚いていた。

URL:http://sankei.jp.msn.com/life/body/090518/bdy0905182300047-n1.htm



画像【産経・FNN合同世論調査】新型インフル、若い世代に危機感 2009.5.18 22:44

新型インフルエンザ、不安は? 世論調査では、「新型インフルエンザに不安を感じる」と答えたのが76・5%と8割近くに上った。女性は83・3%で、男性の69・2%より多く、女性の方が脅威を感じている。

 特に女性60歳以上は、87・7%と、9割近くが不安を感じていた。また、最初に発生したメキシコで若い世代の感染率が高かったためか、女性20代は84・1%、男性20代も76・7%と危機意識が高かった。地域別では、国内で感染が確認された近畿のほか、中国、北陸信越で80%以上が「不安を感じる」と答えた。

 また、新型インフルエンザに対する政府や各自治体の対応については、「適切」との答えが74・2%となり、一定の評価を得ているようだ。ただ、感染が拡大しつつあるためか、近畿は「適切」の答えは68・5%と唯一60%台で、全国で最も評価が低かった。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090518/plc0905182245016-n1.htm



画像新型インフル 57年以前生まれに免疫か 配信元:2009/05/21 11:00更新

 米疾病対策センター(CDC)のジャーニガン・インフルエンザ部副部長は20日の記者会見で、1957年より前に生まれた人の一部に、新型インフルエンザに対する免疫がある可能性を指摘した。

 さまざまな年齢層から採取した血液の分析で、57年より前の世代の血清から、新型インフルエンザのH1N1型ウイルスに対する免疫反応を示唆する結果が得られたという。詳しくは近く公表されるCDCの週報に掲載されるという。

 ジャーニガン副部長によると、米国の入院患者のうち50歳以上は13%で、高齢者が重症化する傾向のある季節性インフルエンザとは特徴が異なるという。(共同)

URL:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/health/256404/

この記事へのコメント

  • 日比野

    とおりすがりの医師様、コメント有難うございます。
    御紹介の日本感染症学会の緊急提言は、丁度今日見つけて読まさせていただいたばかりです。cdcの会見では、1957年生まれ以前の人には免疫があるとか。これは緊急提言を裏打ちしたものと思っています。このあたり、今晩にでも追記いたします。
    2015年08月10日 16:51
  • とおりすがりの医師

    舛添大臣はとても頑張っていますが、状況変化に対する対応の遅さは気になりますよね。業を煮やしたのか、日本感染症学会がホームページに緊急提言を載せています。やや難解な部分もありますが、新型インフルエンザの本質を知り、実践的な対応を行うための情報が詰まっています。素晴らしい内容ですのでご一読されることをお勧めいたします。
    2015年08月10日 16:51
  • 柴崎力栄

    日比野さん:

    >>豚インフルエンザは、季節性の普通のインフルエンザと違って、罹患するとサイトカイン・ストームで重症化すると言われる。

    これは鳥インフルエンザの場合で、今回の豚インフルでは、サイトカイン・ストーム云々は起きません。それから、鳥インフルでも、人型に変移する途中でどの程度弱毒化するのかは、起こってみないと判らないはずです。
    2015年08月10日 16:51
  • 美月

    お久しぶりです。
    メキシコでインフルエンザが発生して以来、連日の報道が続いていたので、さすがに近辺もザワザワし始めて不安になっていました。覚悟はしていたものの、ここまでニュースで大騒ぎになるとは思わなかったです。
    (冬でも無いのに、あの感染スピードはショックです…^^;)
    「日本感染症学会の緊急提言」は、ここで初めて知りました。ご紹介ありがとうございます。来週、さっそく職場の人に紹介してみようと思います。
    2015年08月10日 16:51

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