公約の確かさ(民主党新体制について 後編)



仮に、鳩山新党首が、財界を納得させられなかったとして、労連や無党派層を軸にして選挙戦を戦うとする。その場合、労連や無党派に受けが良い公約とは何かというと、如何に現在の不況による暮らしの不安を解消するかということ。

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鳩山新党首は、天下りを無くして、役人から政治家に権限を取り戻すとか、企業献金や世襲を廃止して自ら範を示す政治とか公約を掲げているけれど、国民からみたら、本来それは当たり前のことであって、マイナスをゼロに戻すだけにしか映らない。

これだけでは、日々の暮らしの不安は解消しない。経済対策はどうなっているのか、雇用不安をどうするのか、という声が高まる。

今のところ経済対策はどうかというと、子ども手当支給とか、高校教育や高速道路の無料化とか。現在ただいまの手当てをするだけで、将来の展望なんて描けそうにない。

唯一、雇用保険を強化して「求職者支援制度」を創設するというのがある。平たくいえば、失業手当が切れた人に対して給付金を与えるというもの。だけど、これは今年の3月の時点で与野党でこれを創設する方向で大筋合意してる。別に目新しくはない。

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それに、麻生総理は追加経済対策として「雇用調整助成金の拡充」、「中小企業向けの貸付保証枠の拡大」を出している。これらは倒産企業をなんとか食い止めて、雇用の枠を確保するためのもの。与党には、失業者だけでなく企業側へ支援する政策もある。「求職者支援制度」だけで勝負するのは分が悪い。

更に麻生総理は未来開拓戦略として「低炭素革命」「健康長寿社会」「日本の魅力発揮」という3つを掲げてる。将来展望がある。これらに対して民主党はどんな展望を掲げるのか。

鳩山新党首は、外交方針として「友愛外交」なるものを掲げているけれど、これが日本の将来展望なのだろうか。

国家として自立し、価値観の異なる社会とも共生していけるとか、国際社会に積極的に貢献し、国際的な課題の解決とかいっても、当たり前のことのように聞こえるだけで、具体的に何をするのか良く分からない。

麻生総理の未来開拓戦略の方がよっぽど具体的でイメージが湧く。

とまれ、総選挙までにどこまで具体的な政策、財界をも納得させられるだけのものを出せるかどうかにかかっている。

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画像失業手当てゼロの求職者に新給付制度 与野党が調整 2009年3月14日3時1分

 雇用保険の安全網から漏れた失業者らが相次いでいるため、自民、民主両党は失業手当を受けられない人に職業訓練中の生活費を給付する新たな「求職者支援制度」(仮称)を創設する方向で調整に入った。18日に衆院厚生労働委員会で採決予定の雇用保険法改正案の付帯決議に盛り込む。これを受け、政府・与党は7千億~1兆円規模の基金を創設し、支援に充てる考えだ。

 求職者支援制度は、失業手当の受給が終わってもなお就職が困難な長期失業者や、雇用保険に入っていない非正社員、廃業で職を失った自営業者の再就職などに向け、生活支援と職業訓練を一体的に支援する制度。雇用保険の枠から外れた人が、一気に生活保護になるのを防ぐ新たな安全網として期待されている。

 政府・与党は「緊急人材育成・就職支援基金」(仮称)を作り、ハローワークを中心に月10万~12万円程度を支給する仕組みを検討。4月にも打ち出す予定の09年度補正予算案に必要な予算を計上し、年内にも実施に移す。訓練中の生活支援では、これまでも月最大12万円の貸し付けの仕組みはあるが、対象が狭く条件も厳しいなどの理由でほとんど利用されていなかった。

 新制度をめぐっては、民主、社民、国民新の3野党が6日、「求職者支援法案」を衆院に提出。雇用保険関連法案の与野党修正協議の場で、雇用保険の適用範囲のさらなる拡大と同時に、法案を成立させることを求めていた。

 しかし、雇用保険関連法案の施行予定日が迫っていることや、政府・与党側でも同様の制度の必要性を認めて検討を始めたため、付帯決議を与野党一致で行うことで大筋合意した。(南彰)

URL:http://www.asahi.com/politics/update/0314/TKY200903130332.html



画像鳩山氏の代表選公約「友愛の日本を創る最重点政策」要旨 2009年5月16日20時2分

 【霞が関から市民への大政奉還】

 ・首相の下に国家戦略局を設置し、官民の優秀な人材を発掘・登用し、新時代の国家ビジョンをつくる。それを実現するための予算編成を政治主導で行う。

 ・国家行政組織法を見直し、首相の意思で時代の変化に対応できる省庁編成を機動的に行えるようにする。

 ・事務次官・局長などの省庁幹部人事は、民間登用も含め、白紙で再配置を行う。半年ごとに業績を評価し、処遇する。

 ・「天下り」「わたり」のあっせんの全面禁止を含む公務員制度改革を行う。

 ・「行政刷新会議(仮称)」を設置、すべての予算を精査することで、あらゆるムダを排除する。

 【自ら範を示す政治】

 ・企業・団体献金を3年以内に禁止する。

 ・世襲を制限するため、国会議員の3親等以内の親族が、同一選挙区から立候補することを禁止する。

 ・国会議員に関係する政治団体とその資金を親族が引き継ぐことを規制する。

 ・衆議院の比例定数を80削減する。

 【地域主権の徹底とコミュニティーの再生】

 ・地方自治法を抜本的に改革し、国と地方の関係を対等なものとし、地域のことは地域で決める「地域主権国家」をつくる。

 【生命や人間の尊厳を重んじ、格差固定社会を解消】

 ・医療費、教育費を経済協力開発機構(OECD)諸国平均に引き上げをめざす。

 ・年金記録問題を解決し、年金制度を一元化する。

 【家計所得の2割アップで、経済危機を克服】

 ・年額31万2千円(月額2万6千円)の「子ども手当」を支給する。

 ・高校教育を実質無料化し、大学などについても希望者全員に十分な奨学金を支給する。

 ・雇用保険を強化し、「求職者支援制度」を創設する。

 ・ガソリンの暫定税率を廃止し、高速道路を無料化する。

 【友愛外交の推進】

 ・国家として自立し、価値観の異なる社会とも共生していける友愛外交を推進する。

 ・国連をはじめとした国際社会に積極的に貢献し、金融危機、新型インフルエンザに見られるようなグローバル化した世界の諸問題の解決に取り組む。

 ・地球環境問題、核軍縮(北東アジア非核化構想など)、戦争をさせない政治など国際的な課題の解決に日本がイニシアチブを取る。

 ・拉致問題の早期解決に取り組む。

 ・北方領土の全面返還をめざす。

URL:http://www.asahi.com/politics/update/0516/TKY200905160181.html



画像「友愛」の人、鳩山新代表 宇宙人の異名、タフさ強調 2009年5月17日8時16分

 党代表選で小沢路線の継承を訴えながら、「愛のある政治」を説き続け、鳩山カラーを発揮した。16日に示した代表選公約のタイトルも「友愛の日本を創(つく)る」。この浮世離れしたキャッチフレーズこそが、「宇宙人」と呼ばれる鳩山由紀夫氏(62)のつかみどころのなさを浮き彫りにしている。

 「友愛とは、すべての人が互いに人の役に立ち、必要とされることで、社会につながっているきずな。居場所を見つけられる世の中だ」

 鳩山氏は16日の政見スピーチで、「友愛」の理念をこう説明した。そんな主張を「頼りないと申す方も多くいる」ことは自覚している。だが就任後の記者会見でも「友愛社会を建設するのは並大抵のことではない。官僚主導の政治と決別する宣言だから」と、今後も貫く姿勢を強調した。

 「友愛」を基本理念に打ち出したのは、96年のさきがけ時代のリベラル合同構想から。「友愛」の提唱者である祖父・鳩山一郎元首相の言葉を引いて「両立しがたい自由と平等を結ぶかけ橋」と論文で説明し、同年の旧民主党結党につなげた。

 中曽根元首相は、この理念を「ソフトクリーム」に例えた。甘くてすぐに溶けて消えてしまう、という意味だ。この日の両院議員総会でこの点を指摘されると、「かつて中曽根さんに言われた。ソフトクリームからアイスキャンディーになった。芯が出てきたな、と」と反論。だが、果たして芯は出てきたのか。

 人柄の良さは折り紙付き。「政治は愛」「政治を科学する」などと他の政治家からはめったに聞かれない言葉を口にするため、永田町では「宇宙人」と呼ばれるが、大衆受けはいい。車いすの高齢者や子どもには目線を合わせて話し込む。3年半前の幹事長就任以来、全国遊説を精力的にこなし、街頭で一人ひとりに配った名刺は3万枚に上る。

 特に小沢代表になってからは、「口べた」という小沢氏の代弁者として、小沢氏への批判を受け止める緩衝材の役割をこなした。小沢氏が欠席した会合では「なにぶん代表はシャイなもので……」と笑いをとる。「小沢代表は『政局顔』だけど、政策にも通じている」などと擁護することもあった。

 昨年4月の日銀副総裁の同意人事では、小沢氏と衝突した。2度にわたって拒否した総裁人事への同意を決めたことで、党内では副総裁にも同意すべきだとの意見が大勢だった。不同意を主張する小沢氏に「幹事長を辞める覚悟だ」と迫ったが、説得に失敗。やむなく不同意で党内をまとめる鳩山氏に、同僚議員からは「幹事長が泥をかぶっている」と評価が高まった。こうした打たれ強さは持ち味だ。

 7年前に代表の座を追われたのは、旧自由党との新党構想をめぐる党運営のブレが原因。しかし、最近は「目的が『小沢氏を支える』と『政権交代』に絞られている。頭が混乱していた代表時代に比べ、顔つきが変わってきた」(周辺)との指摘が出てきた。

 祖父が元首相の故一郎氏、父が元外相の故威一郎氏という政治家一族。弟の邦夫総務相と合わせ総額100億円はくだらないとされる資産家。政権を投げ出して「ひ弱な世襲政治家」とされた安倍、福田両首相や、麻生首相にも通じるイメージだ。

 しかし、就任後の会見で「親類縁者一人もいない北海道という新天地を政治家のスタートラインに置いた」と世襲批判を否定し、こう言い切った。「メール問題、大連立とか、この数年の間にもいろんな民主党の歴史があり、これを一つひとつ乗り越えてきた。そう簡単に気力がなえて、さじを投げる鳩山ではないことをご理解願いたい」

URL:http://www.asahi.com/politics/update/0517/TKY200905170003.html



画像鳩山由紀夫民主代表の「友愛」ネットで多く語られる 5月18日 08時00分

 16日、民主党の新代表に鳩山由紀夫氏(62)が選ばれた。鳩山氏は自身の祖父にあたる故・鳩山一郎首相が掲げた「友愛」を用い、代表選公約のタイトルを「友愛の日本をつくる」と発表していた。

 鳩山氏は16日の政権スピーチで「友愛とは、すべての人が互いに人の役に立ち必要とされることで、社会に繋がっている絆。居場所を見つけられる世の中」と説明した。

 この「友愛」ということばだが、ネットでも引用される件数が増えている。たとえば、Googleブログ検索で調べると、16日からの1日で17日14時現在、382件のブログエントリーが投稿されている。1週間前には1日20件で、こうやって記事を書いている現在も増え続けている。

 内容としては「友愛、友愛ってね?なんかちょっと宗教みたい」「いまこそ<友愛>ですって…。正直意味わかんねー!ずいぶんノンキな響きがします。今、ホント庶民は大変な思いをしてまたこの先どーなるの?って不安でいっぱいのときに」「むちゃくちゃ抽象的な表現です。とくにこの時期に、世の中が七転八倒しているっていうのに」などさまざまな意見が書かれている。

URL:http://news.ameba.jp/research/2009/05/38591.html



画像与謝野財務相「岡田さんは逃げない、鳩山さんは逃げる。これが率直な印象だ」2009.5.15 12:54

「岡田さんは逃げない、鳩山さんは逃げる。これが率直な印象だ」。与謝野馨財務相は十五日の閣議後の記者会見で、民主党代表選への立候補を表明した、鳩山由紀夫幹事長と岡田克也副代表の消費税率引き上げ問題に対する姿勢の違いをこう評価した。与謝野財務相は、自民党内で財政再建を重視する立場の代表格だけに、財源論議を喚起する狙いがあるようだ。

 年金目的として将来の消費税増税の必要性を認めた岡田氏について、財務相は「前からの持論で、非常にさわやかな議論だ」と評価する一方、鳩山氏の方針はあいまいだと批判。「政権を担おうと宣言している政党は、政策の裏付けを表明しなければならない」と指摘した。

URL:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090515/stt0905151255011-n1.htm

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