ロンドン大学のジョイディープ・バッタチャリヤ博士は、明るい音楽を聞くと周囲が幸せに見えるという研究結果を発表した。
なんでも脳の視覚に関する部分が刺激され、周囲の人が幸せであるように見えたり、反対に悲しそうに見えたりするそうだ。またこの傾向は効果音でも同じという。
こういった傾向は、現実の事象としては何も変わっていないのに、それらを受け取る主体の状態によってそれが変わって見えるというだけにしか過ぎないのだけれど、決定的に違うのは、主体となる人のその後の行動が違ってくるということ。
周囲が幸せに見える人は、心理状態として「幸せ」の渦中にあるから、次にとる行動も「幸せ」に準拠したものになるはず。平たくいえば「幸せ」が「幸せ」を呼ぶということ。
だから、本当であってもなくても、その人にとって周囲が「幸せ」に見えるということはとても大切。なぜかとい言えば、次はその人から「幸せ」のアウトプットが成されるであろうから。
たとえば、その人が悲しみの最中にあったとしたら、そのままだと、次にその人がアウトプットするのは「悲しみ」の属性を含んだもの。悔恨とか愚痴とか。
だけど、そんなときに、明るい音楽なり効果音を聞くなりして、回りが幸せにみえたとしたら、その人は「幸せ」属性のアウトプットする確率が高くなる。悲しみがその人でストップする。悲しみが拡大生産されない。
明るい効果音を聞くと周囲が幸せに見えるというこの傾向は、おそらく言葉でも同じ。言葉も発音すれば効果音と同じだから。
「1/fゆらぎの文章(文章の格調について考える その11) 」でも触れたけれど、万葉集や百人一首などの歌などには1/fゆらぎが含まれている。だから、それを聞いたり、読んだりする人の「視覚」には幸福な世界が広がっているということになる。
ひいては、日常的に美しい言葉を使う人は世界は美しく見え、そうでない人は逆に見えるということを意味してる。美しく世界を見る人は「美しい」属性のアウトプットを出す率が高いから、その人の周りは「美しい」もので溢れることになる。
その「美しい」ものとは、言葉であったり、行動であったり、品物であったり様々なのだけれど、だんだんとその人の周囲の現実世界も美しいものに近づいていく。
これは、まさに「言霊」が現実を引き寄せてくる姿。
だから、万葉集や百人一首などのように1/fゆらぎを含んだ歌が長く語り継がれたり、希望の言葉が世に広く知れ渡るのはとても大切なこと。それこそ「言霊の力」。
太古の日本人が感覚的に知っていた言霊の力。ようやく科学的な研究がそれに追いついてきたということなのだろう。


ノリのいい音楽をきくとなんとなく元気になったような気がする人は多いと思いますが、自分だけでなく「周囲の人も幸せである」というように見える反応を脳がしてしまうということがイギリスの研究者の実験によって判明しました。
詳細は以下。
Upbeat music 'makes you think everyone is happy' | Mail Online
音楽が脳に様々な影響を与え、聞いた人自身の心理を変化させるのはよく知られていますがロンドン大学・ゴールドスミスカレッジのジョイディープ・バッタチャリヤ博士が行った研究によると、音楽を聞くことで脳の視覚に関する部分が刺激され、周囲の人が幸せであるように見えたり、反対に悲しそうに見えたりするそうです。
実験では、46人の被験者に対し120種類の効果音や音楽をそれぞれ15秒ずつ聞かせた後に人物の顔写真を見せ、その人が幸せか、悲しんでいるか、どちらでもないかを判定させたところ、明るい曲を聞かせた場合は「幸せである」と判定する傾向があることが分かりました。
また、これは音楽だけではなく効果音でも同じような効果が現れ、波の打ち寄せる音や鳥のさえずりといった穏やかな音と、機関銃の発射音や唸りをあげる風など不安を煽るような音を聞かせた場合に似たような反応をしめすことが分かりました。
さらに博士は「無作為に選ばれた曲でなく、自分で選んだ曲ならばさらにこの傾向は強く表れるだろう」と考えているそうです。失恋したときに暗い曲を聴きたくなるのは、自分の悲しい気持ちを慰めたいというだけでなく、周りの人にも悲しい気持ちを味わって欲しいという望みの表れなのかもしれません。
URL:http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090509_upbeat_music/
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