新政党の性格(政界再編について その2)
現自民党の麻生総理が首相を務める限りは、価値観外交を下敷きにした、比較的積極的かつ自立的な安全保障政策を取ることが予想されるのだけど、生憎、与党の大多数が麻生総理を支持しているうちは兎も角として、麻生派そのものを考えた場合、その党内基盤は脆弱なもの。
また、自民党内を見てもその外交政策となると、右から左まで幅広く分布しているから、党内調整も大変だし、あまりに自分独自の外交になると進めにくい面も出てくる。麻生総理の次の総理が、たとえ自民党からだったとしても、加藤紘一氏のような人だったら、外交政策が180度転換することになるのは、ほぼ間違いない。
そして民主党はといえば、今の小沢党首の言っていることだけで判断する限り、左寄りの融和外交、国連にお願い主義。鳩山、管の両氏については言及する必要もないだろう。
こうしてみてくると、次の総理を狙うような有力政治家の中で、麻生総理的な外交ポジションに立っていると思われる人物となると数が限られてくる。小泉元総理は引退を表明しているし、安倍元総理は禊を終えたばかりだから、再登板の可能性は低い。そういう意味で、一部で期待されていた中川昭一元財務大臣は、例の泥酔会見で、現在謹慎中の身。
だから、外交という面で切り取ってみると、意外と人材面のバランスに欠けているという現実がある。
となると、外交面で人材バランスを取るとなると、現在の外交スタンスを継承・又は進化させる人材を与党からも野党からも集めてしまうしかない。それは、第3極の政党ということになる。
仮に、そういった外交に特化する形での保守政党を立ち上げるとした場合、おそらくその政党は現在の自民党を「保守現実派」と位置づけるならば「保守理想派」とでもいうべき存在になるのではなかろうか。
というのも、これまで特に阿倍元総理の時代に憲法改正やら従軍慰安婦問題やらで、日本としての立場を主張しようとしたことがあったけれど、他国関係を含めた現実の世界に押し戻されてうまくいかなかった経緯があるから。
中曽根氏にエール送られた安倍氏「執念が大事と反省」
「私も含め、政治家には執念が大事と反省している」
一昨年、突然の辞任劇で世間を騒がせた安倍元首相が2日、超党派の国会議員らによる新憲法制定議員同盟(会長・中曽根元首相)の会合で発言した。
会合では、中曽根氏が「憲法問題が奥の方に置かれてしまっている。遺憾千万だ。もう一回、安倍さんの力を借りて憲法問題を国民的課題として展開してほしい」と、安倍氏への期待を込めてあいさつ。続く安倍氏は「中曽根先生には『(新憲法制定を)何としても自分でやり遂げる』という政治家の執念を感じた」と中曽根氏を持ち上げた後、反省の言葉を口にした。
安倍氏は2007年秋の臨時国会で所信表明演説をした直後に辞任を表明。その唐突さに首をかしげる向きが多かった。次の福田前首相も昨年秋に突然辞任し、中曽根氏は「2世、3世はずぶとさがなく、根性が弱い」と嘆いたものだ。
そんな中曽根氏にエールを送られた安倍氏。恐縮して思わず「反省の弁」が口をついたようだった。
(2009年4月3日00時29分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090403-OYT1T00051.htm?from=nwla
安倍晋三氏が「民主党の外交政策はわけがわからない」と批判 2009/04/18 07:05
ワシントンを訪問中の安倍晋三元首相は4月17日、大手政策研究機関のブルッキングス研究所で演説し、「日本人拉致問題の解決なしに北朝鮮との正常な関係を築くことはできない」と強調する一方、その後の質疑応答で日本の民主党の政策に対し「統一された政策を持っていない」、「とくに民主党の外交政策はわけがわからない」と、こきおろしました。
安倍氏の民主党批判の発言は以下のとおりです。
「民主党は統一された政策を持っていない。安全保障や外交については小沢一郎党首は『在日米軍は第七艦隊以外は要らない』と述べ、アメリカ海兵隊も日本から去ってほしいようなことを述べているが、政策としてよくわからない。一方、前原誠司元党首が従来から述べている外交・安保政策は自民党のそれと変わらず、理解はできる。だが前原氏は今回のワシントンでの会議では沖縄米軍のグアムへの移駐に反対すると述べた。これではいまの民主党の外交政策はわけがわからない」
なお日本の安保に関連して、北朝鮮のミサイル発射と日米同盟の相関関係について以下のサイトにレポートを書きました。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/98/
URL:http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/999448
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