政界再編(政界再編について その1)

 
ただの憶測だけど、政界再編について考えてみたい。全3回シリーズでエントリーする。

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先月14日に、安倍元首相と前原民主党副代表は、海洋資源開発などに関する日米協力のあり方を探るシンポジウム「第3回日米シーパワーダイアローグ」に共に出席するため、アメリカに旅立った。

その出発の際、同じ便に同乗することになり、すわ政界再編につながる行動ではと騒がれていた。

同じ便に与党と野党の幹部が同乗するだけで、政界再編では、と言われてしまうということは普段からそのようなことを匂わせているか、元々の考え方が近いと周りから見られているということなのだろう。

尤も、前原氏も安倍元総理もそのような見方を打ち消す発言をしていることはしている。前原氏は、11日に、神戸市内で記者団に対して「招待された中に安倍さんも私もいた。会議ではおそらく接触もない」なんて言っていたけれど、産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の古森義久氏によれば、シンポジウム前日のレセプションでは、互いに懇談していたと報告されている。確かに会場では合わなかったかもしれないけれど、実際のところ、いくらでも接触の機会はある。

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そこで、仮に政界再編が行われる、という憶測をして、その場合どういう政党になるのかを考えてみる。

政界再編は、政党の離合集散によって、新たな政治勢力に再編成されることだから、何を基準にして再編してゆくかがポイントになる。

たとえば、小さな政府が軸であれば、それを旨とする人が集まるし、市場開放が軸であれば、それを旨とする人が集まることになる。

はたまた、政権交代を軸にするのなら、とにかく反与党でさえあれば誰でもよいことになる。

普通、政界再編が行われるときって、政治が流動化して安定していないとき。国民のニーズとその受け皿となる政党にズレが出来ていて、民意をしっかり受け止められないときに行われるもの。

これまで、民主党は「生活第一」を掲げ、与党と対立路線を取っていた。小泉政権下の改革で疲弊した国民生活の回復を主眼としてやってきた。昨年秋くらいまではそれでも国民のニーズを捕まえられてきたように思うのだけれど、今や、世界同時不況に陥ってしまって環境ががらりと変わってしまった。だから当時と比べて、ニーズが更に変化している可能性がある。

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特に経済に関していえば、麻生総理が経済対策をバンバンやっているから、「生活第一」ということ自体もう民主党の売りじゃなくなってる。

ならば、どこで差をつけていくかということが問題になる。要は次回の衆院選挙での争点を何処に置くかということ。

これまでどおり、「生活第一」に置くのであれば、自民党も民主党も経済対策をやるという点では同じだから、議論はこっちのがいい悪いといった重箱隅をつつく議論になる。

だけど、選挙の時に、兎にも角にも経済対策しかないと国民の大多数が思っているときには、これを争点にしても有効にはなるけれど、そうでないときは、別の受け皿を用意しないといけなくなる。たとえば安全保障問題とか。

北朝鮮のミサイル発射や、豚インフルエンザ対策、ソマリア海賊対策など、国民生活を下支えしている基盤そのものが今脅かされている、ということに国民は厭でも気づかされている。

ならば、そういった面での受け皿が必要という視点でみた場合に、第3政党の可能性もあるかもしれない。

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画像自民・安倍氏と民主・前原氏、同じ飛行機で米へ

 自民党の安倍元首相と民主党の前原誠司副代表が14日、同じ飛行機で米国に旅立った。

 海洋資源開発などに関する日米協力のあり方を探るシンポジウム「第3回日米シーパワーダイアローグ」に出席するためだ。

 両氏は安全保障政策で共通点が多く、議員会館の部屋も隣同士。特に前原氏は自民党との「近さ」がしばしば話題になるだけに、「政界再編につながる行動では」との見方もある。

 しかし、当の前原氏は、こうした見方を打ち消すのに懸命だ。11日には神戸市内で記者団に、「招待された中に安倍さんも私もいた。会議ではおそらく接触もない」と強調した。この日も、最後に搭乗した安倍氏より一足早く、一般客に交じって機中に消えた。

 衆院選を控えた微妙な時期の、ライバル政党の党首経験者による「呉越同舟」は今後、政界にどんな風を呼ぶのか――。

(2009年4月14日23時20分 読売新聞)

URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090414-OYT1T01040.htm



画像安倍晋三氏が前原誠司氏とワシントンで歓談――いま、なぜ?の推測も 2009/04/16 14:10

安倍晋三元総理と前原誠司民主党元代表とがワシントンで肩を並べ、親しげに談笑しました。現地時間で4月15日の夕方です。

場所は駐米日本大使の公邸でした。自民党と民主党のそれぞれ大物がいまなぜ、という推測をも生む、微妙な時期の顔合わせでした。

実はこの二人は最近、防衛大臣を短期間ながら務めた自民党の林芳正参議院議員とともに、日米の海上安全保障に関する大きなセミナーの参加するためにワシントンを来訪したのです。16日からのセミナー開催を前に、藤崎一郎駐米大使が日米の安全保障関係者を多数、招き、安倍氏らを賓客とするレセプション15日の夕方、開きました。

このレセプションにはオバマ政権の政府や軍の要人や前ブッシュ政権の元高官たちも多数、出席し、米側のアジア政策担当者、研究者たちのオンパレードでもありました。主賓の安倍、前原、林の三議員は藤崎大使とともに、レセプションの入り口に立って、来客に挨拶し、さらに内部で懇談を重ねましたが、自民党と民主党の有力政治家である安倍、前原両氏が親しげに言葉を交わす光景は日本側出席者たちの注視を集めていました。それはとくに根拠はなくても、どうしてもいままたちらほらうわさされる「大連立」とか「政界再編成」という言葉を連想させるからでしょう。

安倍氏はとくに元気いっぱいでした。この日、バイデン副大統領との会談をすませ、このレセプションでも最主賓として挨拶に立ち、草稿もメモも使わず、またオバマ大統領のようにプロンプターも見ずに、10分ほど演説をしました。内容は主としてアジアの海上安全保障、シーパワーの重要性であり、日米の海上安保協力の必要性、北朝鮮の脅威への共同対処の緊急性などでしたが、前原氏と同席したことにも軽く触れていました。


「民主党の前原氏と自民党の私氏がこの時期にこうして姿を並べると、日本のメディアは肝心の海上安全保障についてはさほど関心を示さずに、もっぱら安倍・前原会談のほうに関心を向けているようです。だが前原さんと私は日本の総選挙前についても、選挙後についても、なんの合意もしてはいません」


安倍氏はこんなことを述べて、会場を笑わせていました。

あまり深読みは禁物ですが、おもしろい情景ではありました。

URL:http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/997024/

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